衆院選2014 教育・子育てマニフェスト比較(高等教育、グローバル化) - 信州大学比較教育学研究室 - BLOGOS編集部
※この記事は2014年12月03日にBLOGOSで公開されたものです
本エントリは、信州大学教育学部「比較教育学演習」の授業での、第47回衆議院議員選挙の各党のマニフェストから、教育と子育てに関する政策をまとめた資料から、転載をさせていただいております。
※2014年12月1日時点で各党のウェブサイトに掲載されているマニフェストを参考にまとめたため、掲載されていない政党が複数あります。
※2014年12月1日時点で各党のウェブサイトに掲載されているマニフェストを参考にまとめたため、掲載されていない政党が複数あります。
■外国語・グローバル化
自由民主党・学習指導要領の改訂に着手し、小学校英語教育の早期化、高校の日本史必修化、特別の教科「道徳」、新科目「公共」の設置、日本の領土に関する記述を充実させるとともに、新しい教科書検定基準に基づく教科書検定を進めます。
・小中高を通じた英語教育の強化、「スーパーグローバルハイスクール」や「スーパーグローバル大学」の整備、国際バカロレア認定校の大幅増を進めます。
・官民の共同による留学促進キャンペーン「トビタテ!留学JAPAN」により、日本人留学生の海外留学や外国人留学生の受け入れを2020年までに倍増します。
次世代の党
・国際的に第一級の知力と科学技術の革新力を持たせるための教育の重視
・文化による国際貢献、「世界の文化が輝き溢れ、交流する場」の実現
■大学・高等教育
自由民主党・地域の発展に貢献する人材の育成、研究開発を行うことにより、魅力ある大学に生まれ変わることで、地元の高校生の入学、地元への就職を増やします。
・地方創生と人口減少化対策に資するため、国立大学運営費交付金や私学助成等により、三大都市圏への大学生の一極集中を是正し、地域の発展に係る積極的な取組みを支援します。
・国立大学運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成等を安定的に確保し、改革を進める大学及び高等専門学校を重点的に支援します。
・「専門実践教育訓練」の指定対象の拡大を図るとともに、産業界のニーズを踏まえた実践的な教育プログラムを提供する大学・専修学校等を支援します。
・大学奨学金事業における「有利子から無利子へ」の流れを加速し、返還月額が卒業後の所得に連動する「所得連動返還型奨学金制度」の導入を図ります。
・高等学校基礎学力テスト(仮称)や大学入学希望者学力評価テスト(仮称)等、高等学校教育、大学教育等を接続する大学入学者選抜を抜本的・一体的に改革します。
日本共産党
・大学と高校の入試制度の抜本的見直しに着手します
高校学区の拡大などにより、偏差値による高校の輪切りなど「選別の教育」はますます強まっています。そのことが子どもや青年をどれほど傷つけているか知れません。ヨーロッパでは基本的に高校入試を課さないなど、過度な競争から子どもの成長を守るしくみがあります。高校、大学の入試制度を抜本的に改革するための専門家、国民の検討の場をもうけ、改革に着手します。
・日本の大学入試は、大学ごと学部学科ごとに入試選抜がおこなわれるという世界に例のないような競争的な制度となっています。多くの大学が利用しているセンター入試は、短時間で多数の選択問題をこなしてその点で合否が決まる、受験科目が少なくてすめばそれ以外の科目は早くから勉強しなくなるなど、高校生たちの学習を歪める方向に作用しています。安倍政権の教育再生実行会議が、センター試験廃止の方向を打ち出した背景には、こうした制度の行きづまりがあります。しかし、それにかわって高校生を点数で小刻みテストや英語検定を課すのでは、基本的な問題は先送りしたまま、〝猫の目〟のように入試を替えて、高校生や教育現場を混乱させるだけです。ヨーロッパ諸国の大学入試にある、論述式の資格試験方式なども参考にしながら、〝ゆきすぎた競争主義からの脱却〟という立場にたった抜本改革が必要です。大学入試のあり方は、大学以下の教育のあり方を大きく規定します。日本の教育をどういう方向に向けていくのか、ひろく国民的な議論をへて、そうした抜本改革を進めます。
次世代の党
・給付型奨学金の創設を含め、奨学金制度を拡充し、希望するすべての人が高等教育を受けられるようにします。
担当: 林 寛平(信州大学教育学部)
学生: 飯島香純、大木健晴、森下結衣、加地里帆子、山田真由美
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