※この記事は2014年03月26日にBLOGOSで公開されたものです

NHKの2014年度予算案審議が始まった25日の衆院総務委員会において、維新の会の中田宏氏が質疑を行った。質疑は、「NHKの娯楽番組の内容」「海外コンテンツの扱い」「パラリンピックの扱い」を中心に行われた。この様子を書き起こしでお伝えする。なお、質疑の様子は、衆議院インターネット審議中継で確認できる。 ※可読性を考慮して、一部表現を整えています。

「NHKの番組は低俗になっていないか?」

日本維新の会所属:中田宏衆議院議員(以下、中田): NHKの予算審議ということで、私も久しぶりにかっての逓信委員会以来、この場に立たせていただいております。今日は話題の籾井会長にもお越しをいただいておりますが、籾井会長におかれましては、この総務委員会、NHK予算審議だけではなく、今年は予算委員会から含めて相当な時間を国会で費やされているという状況でありますから、ややこの総務委員会で番組の話とか、闊達に本来なら議論したいところが、むしろ籾井会長の口が閉ざされた状態になっていて、やりにくいなという風にも逆に感じているわけであります。

早く籾井会長のご自身の、ある意味では謙虚な姿勢というものをしっかりと出していただいて、NHKの議論がタブーではないような環境を整えていただくということを会長にはぜひ意識をしていただきたいと思います。

その上で、いくつか番組内容についてお伺いをしたいと思います。番組内容といっても、今年の国会で出てきたような論調とは私の場合は違うかもしれません。いわゆるNHKの番組が、どうも一言で言うと「低俗」になっていないか、ということについて。もちろん、私が高尚な人間ではございません。そのことは、皆さんがうなづいていらっしゃいますから(会場笑)、私が偉そうに「NHKを低俗だ」と、こう決め付けるわけにはいかないわけです。しかし、ある種の一般論として、実例を挙げながらお伺いをしていきたいと思います。

評論家の大宅壮一さんの50年以上前の言葉。ご記憶でしょうか。「テレビによる一億総白痴化」ということをいいました。私も久しぶりに紐解いてみると、こうおっしゃっているんですね。
「1958年2月 テレビにいたっては紙芝居同様、いや紙芝居以下の白痴番組が毎日ずらりと並んでいる。ラジオ、テレビというもっとも進歩したマスコミ機関によって一億白痴化運動が展開されている」
こういう風に大宅壮一氏がテレビ時代の幕開けのころに発言をしていました。このことはテレビマンといわれるNHKの方々を含め、大いに意識をして、番組制作をしてもらいたいなと思います。

これもまた言い方を乱暴に片付けてはいけないですが、民放の番組見ていても、本当にひどいですよね。なんていうか、うまい、まずいというようなグルメ番組だったりですとか。これもまた私自身が出来がいいわけじゃないので言いたくはないのですが、どちらが物を知らないかを競い合うようなクイズ番組であったり、本当に民放を見てるとあまりにもくだらないなと思う機会が増えすぎております。

それでもスポンサーをとって視聴率を稼ぐということのためには、「おもしろけりゃいい」「視聴率さえ取れればいい」こういう形で民放の番組が展開されているのは、これは想像に難くないわけであります。さて、翻ってNHKなんですが、NHKの番組も「なんだこりゃ」と思うような娯楽番組がずらりと並んでいるんですね。

NHKにおいても、娯楽番組すべてを否定するつもりはありません。しかし、「これNHKがやる意味があるのか」と思うような番組が中には並んでおります。例えば、「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「7人のコント侍」。こういう番組です。私もNHKで流れていればチャンネル変えてしまうので、番組名まで確認にいたらずに、やり過ごしている番組といえますが、今回調べてみて、この種の番組見て、どう思うかというのを何人か聞いてみると、「いやぁNHKがわざわざやるような番組じゃないですよね」と。こういう答えが返ってきました。

民放がこの種の番組を通じて、とにかく数字を稼ぐ。そしてスポンサーを見つけるということに精を出しているとすれば、NHKはいったい何のためにこういう番組をやっているんでしょうか。NHKは数字を稼ぐということに問題意識を持つのではなく、何のために公共放送として、国民から義務的な意味をふくめた受信料というものを徴収をしているのか。ここについての自覚というものが疑われる、と私は思うわけであります。NHKは総務省が所管をしている特殊法人でありますから、放送法が規定をしている視聴者からの受信料の徴収によって、経営そのものは成り立っていることになります。

NHKがやるべきことというのは、ある意味では民間がやらないことをしっかりとやってもらうことが第一義的には重要な視点であり、そこにNHKの誇りをもってもらわなければいけない。こう思うのですが、このお笑い番組は、あまりにも民放の真似をしすぎじゃないかと思えてなりません。新藤総務大臣、所管大臣として、どう思いますか?

新藤総務大臣(以下、新藤):放送のあり方について、整理をしていただくという意味で、中田委員の質問は、とてもいい質問だと思います。

公共放送は、法律で直接の存立の根拠をえて設立した事業体によって、営利を目的とすることなく、受信料を主として財源に運営されるものであります。他方、民間放送は営利を目的とする私企業により広告収入等を財源とする運営されるもの。これはみんなが共有できると思うんです。

しかし、はっきりさせとかなければならないのは、放送法第4条の「番組編集等に関する通則」というのがあるのですが、これは「善良な風俗を害さない、政治的に公平であること。報道を事実を曲げない。意見の対立は~」というものです。これは民放も含めて放送事業者すべてにかかっているわけでございます。ですから、民間放送なら何でも良くて、NHKがという風にいわれる方がときどきいるんですけども、民放といえども放送事業者は、放送法で独立保障されているとともに、自ら自主的な番組基準によって、公平・中立の報道をしなければならない。そういったことはNHKも民放も同じなんだと。こういうことを私たちはきちっと知るべきだと思っています。

その上で、民間と公共放送の差というのはあります。例えば、NHKはあまねく普及義務があります。民放はあまねく普及するように努力義務になっている。しかし、いずれにしても、全国に番組を配信しなさい、あまねく普及してください。これは義務か努力義務かの差であって、どちらにしても同じようにやらなければいけないわけであります。そして、質的水準、こういった観点からいきますと、これは受信料という特殊な負担金で、NHKは財源をもっておりますから、豊かでかつ良い放送番組を提供するという要請には比較的対応しやすいんじゃないかと、考えております。

前置きが長くなり恐縮なのですが、お笑い番組のところについてですが、これはNHKが放送するか否かは、まず放送番組の編集に関わる事項なので、これは自主自立。NHKが編集をもって、放送法に準じて判断されればよい、ということであります。そこで私は、申し上げたいのはNHKには「豊かで、かつ、良い放送番組の放送を行うことによつて公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するように、最大の努力を払うこと」という放送法第81条の1項の規定があるんです。

ですから、民放であろうが、NHKであろうが、豊かでよい放送番組、公衆の要望を満たす。ここが重要なのでありまして、今委員がおっしゃっていることも国民の意見であります。また、そういったものを見たいという意見もあるでしょう。放送というのは国民の意識の鏡でもあるわけです。

ですから、今いろいろなご意見がありましたが、私も大体同じような意見をもっています。が、それは年代がだんだんそうなってきたということもあるんだなと。お互いに、かつては「今の若い者は」とわれわれが言われていたところが、いつの間にか今度は自分たちが「今の若いものは」という側に回ったのかというような気持ちもあります。

何よりもやはり、豊かな番組、そして公衆の要望を満たす、文化水準の向上に努める。こういう意味でNHKには良い番組を提供していただきたいと思います。

中田:新藤総務大臣、非常にご丁寧にお答えいただきました。私が触れなければいけないなと思っていた放送法第4条第1項。これのおさらいをしていただきました。民放、NHKともにこれは課せられていることです。そして、またNHKについては第81条第1項で、今お話いただいたとおり、公衆の要望を満たすとともに文化水準の向上に寄与するよう、最大の努力をすること、と。これにも触れていただきました。

さらに、この81条第1項には、全国向けの放送番組のほか、地方向けの放送番組を有するようにすること。わが国の過去の優れた文化の保存ならびに新たな文化の育成および普及に役立つようにすること等々が、NHKに求められています。大臣、もう1回率直に感想でいいのですが、「ケータイ大喜利」「コントの劇場」「7人のコント侍」、これらはどこに属するんでしょうか?

新藤:これはまったくの感想でありますが、よいわるいというよりも、そういった様々な公衆の要望がある。そういう国民の声があるんだということでしょう。一方で、「こういうものはいらないよ」という声があるならば、そういった声をNHKはよく聞いて、これから自主的に番組を編集、また制作していただきたいと思います。

中田:NHKは放送法の規定を踏まえて、「2014年度の国内放送番組編集の基本計画※PDF」というものを定めていますが、この中で、総合テレビの部門別編成比率について、以下のように定めています。

教養番組20%以上、教育番組10%以上、報道番組20%以上。娯楽番組20%以上と。おおむね、こういう風に番組の編成をしていこうと定めています。で、娯楽番組の中に、さきほどの私がいくつかあげた事例も入ってくるんだと思います。国民の声もNHKに届いていると思います。私が先ほど前置きしたように、低俗というようなことを誰かが勝手に決め付けられるものではないのですが、やはり娯楽番組ひとつとっても、もっともっと地域性や日本の様々な歴史や文化を紐解くような娯楽番組であったり、若い人たちが関心をもてるような娯楽番組をやってもらいたいと思うんです。

同じ娯楽番組でもドタバタドタバタとステージで暴れて、人の頭たたいて笑いをとっているような、こういう娯楽番組ではなくて、「なるほど日本の歴史ってこうなっていたのか」「なるほど、日本よさってのはこうなのか」というようなもの。別に日本を誇るような番組だけをつくれといってるわけじゃないですが、先ほど教養、教育番組のパーセンテージもありましたが、そういう分野とあわさったような娯楽番組をやっていただくことを切に期待したいと思います。

そうじゃないと、「これNHKに何でわれわれ受信料を払っているんだろうか」となってしまう。その種のドタバタな番組は、民放でやってもらえば十分だと多くの視聴者は思います。そのNHK離れというのはどんどん進んでいってしまうように私は思えてなりません。籾井会長いかがですか?

籾井NHK会長(以下、籾井):NHKの娯楽放送、娯楽番組ということでございますが、あまり硬いことをいうつもりもないのですが、実は放送法第106条第1項におきまして、NHK含む機関放送業者に対して、テレビ放送の編集にあたって、「教養番組又は教育番組並びに報道番組及び娯楽番組を設け、放送番組の相互の間の調和を保つようにしなければならない」にとされています。これを基本的には守っていかなければいけないと思いますが、今、委員が言われたご意見については、大変参考にさせていただいて、今後のNHKの娯楽番組のあり方を、いろいろ研究させていただきたいという風に思っております。

中田:NHKにも直接いろんな声が届いていると思います。それから国会という場において、私も国民の代表として発言しているということも踏まえて、籾井会長におかれましては、本当に一つ一つの発言に注意をして、木で鼻を括ったような答弁しか出てこないのはわかっておりますから、NHK局内において、「番組をこうしろ!」とはいえないでしょうけれども、「国会でこういう議論があったよ」と職員の皆さんと、真摯に議論を一回しようと。こういうことは当然リーダーとしてやってもらわなければいけないことですから、今のご発言は、ある意味ではお約束をいただいたと思って、NHK局内で大いに議論していただきたいと思います。

韓流ブームの火付け役はNHK


中田:もうひとつ、くだらないと簡単に片付けるつもりはありませんが、時折話題になっていることを質問させていただきます。いわゆる、外国のドラマというものも花盛りになっております。特に韓流。これの火付け役はどこかというとNHKなんですね。

何が火付け役だったかというと、これは私でも、皆さんもタイトル知っている「冬のソナタ」というドラマですね。これがNHKBS-2で2003年から、そして総合テレビでは2004年から放映をされました。その後も、総合テレビや衛星放送において、「宮廷女官チャングムの誓い」、あるいは「トンイ」など数々の韓国ドラマがNHKで放映をされています。韓国ドラマというのは、日本よりも制作費がかなり安くできているという現状もあり、さらには少し是正されたとはいえ、通貨安というウォンと円との関係、そしてまた何よりも韓国が国を挙げてコンテンツを輸出しているという経緯もあり、その意味においては、日本に限らず、いろんなところに韓国のドラマが出て行っているという現状は、私も理解はしています。

その上で、今から数年前の2010年に、こういう記事が日本経済新聞にのっておりました。

「韓国ドラマを買い付けると、買い付け額以上の補助金がもらえたときもあった」というコメントなんですが、これが台湾のテレビ番組の大手幹部のコメントでありました。実際、韓国は申し上げたように国を挙げて、コンテンツの輸出にとりくんでいるという一面があります。ここは日本もある意味で見習う必要があって、新藤総務大臣も力を入れていただいていると思います。

今のコメントというのは、台湾の幹部のコメントでありますが、日本の民放でもこの種の話というのは、長らく言われてきたことでもございました。すなわち、普通だったらコンテンツの製作にお金をかけるところが、お金をもらって放映をできると。こういう実態というものがどうもあるようなのであります。

民放であっても、お金を受け取って韓国ドラマを垂れ流していたということであれば、放送機関にあるまじき行為だと私は思いますが、ましてやNHKであるならば、これは大問題だと思いますね。この点、NHKは韓国のドラマに関してはいかほどで買っているのか。それとも果たして、お金もついた上で、これを放映しているのか。はっきりさせたいと思うのですが、ご答弁を願います。

石田NHK専務理事(以下、石田):NHKが、韓国のドラマを購入して放送する場合、韓国から補助金をもらうということはありません。そういう事実はございません。放送権料や日本語版の制作費など、国内で放送するためにかかる経費は受信料でまかなっております。

中田:これは韓国に限らず、外国のコンテンツを使う際において、お金をもらって放送するということはないと、断言していただいてよろしいですか?

石田:そういう事実はございません。

中田:これは確認でありましたから、それで結構です。当然このことはNHK自身の矜持として守っていかなければいけないことだろうと思います。

先ほども紹介をしましたようにNHKの役割は何かと考えれば、文化水準の向上や新たな文化の育成、普及などである。このように解釈されなければなりません。そういう意味では買う場合も含めて民放よりも気を使って番組を選んでいただきたいと思います。ある意味では、安くていいコンテンツがあるということについては、大いに民放でやるのは結構だけれども、何もそこにNHKが一緒になって群がる必要はないわけです。

NHKはむしろ日本で素晴らしいコンテンツをつくって、外に出していくということをもっと意識してもらわなければなりません。例えば、1980年代に「おしん」というNHKの大ヒットドラマがありました。これが海外で人気を博した時期もございました。しかし、これ以降は、NHKの制作したドラマが外国で話題になっているということはめっきり聞かないようになっています。

事前に私がチェックをいたしましたところ、NHKが購入をしている海外番組の合計は2012年、この年度の決算で約25億円です。NHKが購入している海外からの金額が25億円です。これに対して、逆にNHKが海外に販売をしているコンテンツの売上げ、この総額は約10億円だそうです。すなわち、半額以下、半分以下ということになるわけです。

これについては、私は大いにがんばってもらいたいと思います。別に半分だから何らかの基準を下回っていると厳しい批判をしようとは思いません。しかし、新藤総務大臣も力を入れていただいていると思いますが、日本のコンテンツをもっともっと外に出して、日本のよさを伝えていこうじゃないかと。日本に対する間違った誤解ではなくて、「なるほど日本というのはいい国だ」と。日本人の私たちの平和を愛する気持ちだったり、秩序正しさであったり、礼儀正しさ。単なる報道番組だけではなくてね、それこそドラマであったり、ものを紐解いていく番組であったり、こういうものを外に出して行きたいときに、25億円海外から買っているけれども10億円しか売れてないというのは大いに反省をし、もっともっと自分たちが担い手であるという自覚をもっていただきたい。ここをしっかりと今後取り組んでもらえませんか。

新藤:非常に大事な質問だと思っています。日本のコンテンツ産業は、世界で第2位の市場があるということを共有したと思います。実はアメリカに次いで、世界で第2位のコンテンツ市場を持っているんです。しかし、海外輸出比率がアメリカが18~20%であるのに対して、日本はせいぜい5%です。ですから、よいものを持っていても外に出していない。国内で全部市場を賄えてしまう。そういう状態だったということです。

今中田委員からいろいろご指摘いただきましたが、国内でうけた番組をそのまま海外に出して、言葉を翻訳しただけでは受けません。やはり韓国が、いろいろと見習うべきなのは、それぞれの国にどうやって売れるか、それぞれの国にどうアピールするかということを研究しながら、番組を作っている。こういう事実もあります。ですから、私たちは非常に大きな市場をもっていても、技術的にもすばらしい番組制作能力があるならば、それを海外展開を前提にして、そういう番組作りというものやっていかなければならない。このように考えていて、NHKにはぜひそこの部分もですね。

海外というよりも、何よりも国民視聴者の多様な要望にこたえられる番組の提供。そして、それは公共放送としての社会的使命を認識した上で、つくっていただきたい。これは今年度の私の総務大臣意見であります。これは国内番組でありますが、これから新しい展開をしていかなければならないんだと、こういうことは十二分に認識すべきだと考えております。

中田:ぜひ、そこはNHKともよくコミュニケーションして、こうした問題意識をしっかりNHKに持っていただくよう所管大臣としての取り組みをお願いしたいと思います。

NHKはパラリンピック放送のあり方を見直すべき


中田:時間も少ないので、少し古い話をしますが、2000年、今から14年前、私は衆議院の逓信委員会で、NHKに以下のような要望をいたしました。この総務委員会の前身である逓信委員会でしたが、この年はシドニーオリンピックの年でした。このシドニーオリンピックの際に、パラリンピック、障害者のスポーツに関して、まだまだ扱いが少ない。長野のオリンピックの際のパラリンピック、このときにも日本中に大きな感動を呼び起こしたにもかかわらず、実際にはまだまだ競技としてしっかりと放映をされておらず、ニュースでメダルをいくつとったという結果だけが報じられるような状況でした。ですから、大いにこういうところにノーマライゼーションの観点からも力を入れるべきだと、私は14年前に逓信委員会でNHKに対して要望をしたわけであります。そのとき肯定的な見解をいただいたわけでありました。

しかし、1998年長野オリンピックの際のパラリンピック放映時間は29時間59分、2002年ソルトレーク20時間36分、2006トリノ22時間、2010バンクーバー28時間、そして2014年ソチ30時間ということで、まぁほとんど増えてないんですね。

私、こういところこそ、先ほど申し上げたようなNHKの使命だと思うんです。ソチパラリンピックでは、日本勢は金メダル3つ、銀メダル1つ、銅メダル2つ、6つのメダルを獲得しました。もちろんメダル獲得至上主義ではなく、惜しくも逃した方いっぱいいらっしゃるわけです。しかし、すばらしい活躍だったと思います。BSは2チャンネルありますが、このBSにいたってもこれらを競技として、放映をするというようなことは、今回も結局ありませんでした。

これ結果論として聞いていただきたいと思いますが、例えば、アルペンスキー男子回転座位で鈴木猛史選手が見事に金メダルを獲得をしました。この鈴木選手、17年前のまったく同じ日に両太ももを切断する交通事故にあったということもあり、国民には大きな感動をもって報じられましたし、感動を得た国民は私だけではないと思います。

結果論ですが、この鈴木選手の決勝戦の際にNHKは何を放映してたか。ご参考までに申し上げますとBS-1では、サッカープレミアリーグのチェルシー対トットナム。これは録画中継を流していました。そして、「世界ドキュミニマムな生活と建築」という番組。さらには、サッカーブンデスリーガ・マインツ対ヘルタ。これにいたっては再放送。

これ結果論です。たまたま鈴木選手がメダルとったときに流していたのが、「再放送じゃないか、録画じゃないか」と難癖をつけるわけではありません。しかし、申し上げたいことはご理解をいただけていると思います。もっともっと公共放送として、こういうものを広く放映してほしいんです。ソチにまでいけない障害者のご家族、応援している知人の皆さんもいっぱいいるんですよ。そのときに、録画や再放送のサッカーを放映することにNHKは重きをおきますか。そういう風に見られてしまうわけです。

これは、NHKの使命がなんなのかと冒頭から私は言い続けておりますが、これからのパラリンピック、障害者スポーツ、こういったことについての見解をNHKは局として、特殊法人として認識を改める必要があると思います。いかがですか?

籾井:放送時間の問題については、後で申し上げたいと思いますが、おっしゃるとおり、やっぱりパラリンピックというものは、非常に世間の脚光を浴び、また日本の選手もずいぶんと活躍するようになりましてですね、やはりもう少しわれわれもパラリンピックというものを見直していかなけばいけないだろうと思っています。

委員がご指摘のとおりですね、私自身確かにその放送時間は少しずつは延びてきていて、実際にホームグランドである長野のオリンピックよりも多いという意味においては、それほど少ないとは思ってませんが、やはり今後ですね、このパラリンピックに対する放送をどういう風にしていくか。競技の難しさというものあるものですから、なかなか生放送ではできなかったという言い訳もあるのですが、今後委員のご指摘のとおり、パラリンピックにはもう少し焦点を当ててやっていきたいと思います。

中田:もう時間がありませんから、最後に言いっ放しで終わりたいと思いますが、申し上げたように14年前に私はそういう要望をして、残念ながら改善をされてないねということを申し上げたわけであります。

そして、先ほどNHKの使命というのはなんだろうか、と。今日の質疑で指摘させていただいて、先程も籾井会長からは「こういう意見があった」ということを大いに議論していくと、お答えいただいたと理解をしております。それも言葉に終わるのではなく、本当に籾井会長が会長として「番組をこうしろ」という必要はないでしょうが、「こういう意見が国会で出てるぞ」ということは必ず議論していただきたい。そうでないと、また14年後、その頃私は国会議員やってないでしょうけど、「あの時私こういったんだけど…」という話になってしまう。

ぜひ、しっかりと新藤総務大臣にもお取り組みいただくこともご要望申し上げて私の質問とさせていただきます。

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