イヤホンジャックはこのまま姿を消すのか (写真はイメージ)

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あなたのスマートフォン(スマホ)には、「イヤホンジャック」はあるだろうか。一般的な有線イヤホンのケーブルが挿入可能な、3.5mm(ミリ)オーディオジャックのことだ。

近年はiPhoneをはじめとして、有力メーカーのスマホでは廃止される傾向にある。残っている機種を探してみた。

グーグルやサムスンはごく一部の機種

iPhoneシリーズでは、2016年3月末発売の「iPhone SE」(第1世代)を最後にイヤホンジャックは搭載されていない。16年9月8日付の米BuzzFeed News記事で、当時アップルのハードウェアエンジニアリング担当上級副社長だったダン・リッチオ氏が、その背景を語っている。

「iPhone 7」(16年9月発売)では、カメラ周りの装置が大型化し、ディスプレーやバックライトの制御装置に干渉した。スペース確保のために、ジャックを外したとのことだ。

米グーグルの「Google Pixel」は、初代モデル(16年)にはジャックはあった。その後、17年の「Pixel 2」(17年)や「Pixel3」(18年)では廃止。一方、19年発売の廉価版モデル「Pixel 3a」ではジャックが「復活」した。

最近のラインアップでも、廉価版モデル「5a」(21年8月)にはジャックがあるが、「Google Pixel 6」「6 Pro」(21年10月)には存在しない。

韓国サムスン電子の「Galaxy」シリーズ。日本版公式サイトによると、2020年以降の「Note」シリーズや、「S20 5G」「S22」などの「S」シリーズ、そして「Foldable」シリーズ(Z Flip/Z Flip 5G、Fold、Z Fold2 5G、Z Fold3 5G)といった多くの機種で、イヤホンジャックが非搭載だ。

他シリーズだと、22年5月には「A」シリーズから「Galaxy A53 5G」を発売予定。前世代機「Galaxy A52 5G」(21年6月)にはイヤホンジャックが搭載されていたが、テクノロジーニュースサイト「Engadget」4月18日付記事によると、「A53」では姿を消している。ただ、4月21日発売の低価格帯モデル「Galaxy M23 5G」はジャック「あり」だ。

中国OPPO。ハイエンドモデルの「Find X3 Pro」(2021年7月発売)には、イヤホンジャックはない。一方、中価格帯の「Reno5 A」(21年6月)や、低価格帯の「A55s 5G」(2年11月)にはジャックは備わっている。

このように、イヤホンジャックが残るのはごく一部のモデルに限られる。

最新機種でも搭載する理由

国内メーカーの最新機種を見てみよう。ソニーの「Xperia 10 III Lite」(21年8月)や、Xperia 5 III(2021年11月)、Xperia PRO-I(2021年12月)はいずれもイヤホンジャックありだ。

SHARP。各シリーズの最新機、「AQUOS wish」(2022年1月)や「AQUOS R6」(2021年6月)、「AQUOS sense6」(2021年11月)、「AQUOS zero6」(2021年10月)にもジャックがある。

FCNTの「arrows」。「arrows We F-51B」(2021年12月)や、 「Be4 Plus F-41B」(2021年5月)が最新機種にあたるが、どちらもイヤホンジャックは搭載されている。

国内主要メーカーのスマホでは、海外に比べイヤホンジャックを「残す」傾向があるように見える。

J-CASTトレンドは、FCNT広報に取材した。ユーザーからの需要やメリットを考慮し、総合的に各種機能の搭載の判断やデザイン設計を実施していると説明。その観点で、「F-51B」「F-41B」は、イヤホンジャックを搭載するメリットが、それをしない場合より大きいと判断したという。

具体的メリットとして、ゲームや動画コンテンツを音声の遅延なく楽しめる、イヤホンケーブルを使うことで「ラジスマ」を活用できる点を挙げた。

ラジスマは「radiko+FM」というアプリを使い、インターネットラジオ「radiko」とFM放送の両方を受信できるスマホのこと。

KDDIが運営するメディア「TIME&SPACE」の2019年4月12日付記事によると、「FM波に切り替えるときは、イヤホンをイヤホンジャックにさしてアンテナ代わりに利用」する。災害でネット通信が途絶えても、ラジオを受信できる利点がある。なおAQUOSの「R6」や「sense6」「zero6」もラジスマ対応機種だ。

今後もジャックを導入するかは、ターゲットユーザーのニーズやメリットを考慮して判断していくとした。