頭金は多めで中古住宅が多数派? 50代の住宅購入と住宅ローンのリアル|ARUHI「住宅購入に関する調査2022」
50代の住宅購入は「あと何年働けるのか」「老後までに住宅ローンを完済できるのか」といった不安もあるでしょう。役職定年を迎え、収入が減ってしまう人も少なくありません。そうしたなかで家を買う決断をした人は、どのような家を選ぶ傾向にあり、住宅ローンを利用する際の頭金や借入金額、借入期間はどのように設定したのでしょうか。ARUHIマガジンが住宅購入経験者と検討者に対して実施した「住宅購入に関する調査2022」の結果から見ていきましょう。
50代は戸建て・マンションともに「中古」がほかの年代より人気
【50代】現在の住まい
50代の人では、現在どのような住宅に住んでいるのでしょうか。最も多かったのは、賃貸マンションで24.6%と、全体の約4分の1を占めています。
また、住宅購入者に関して物件種別で見ると、「建売住宅」が5.7%(全体平均12.8%)、「中古戸建て」が14.8%(同 8.2%)、「土地付き注文住宅」が6.6%(同 5.5%)、「注文住宅」が10.7%(同 8.2%)、「新築マンション」が4.9%(同 5.7%)、「中古マンション」が13.9%(同 9.7%)でした。戸建て・マンションともに中古住宅を購入する人が多いようです。
50代の3割弱が2,000万円以上の頭金を準備
【50代】住宅購入時の頭金
50代の住宅購入者と住宅購入を検討している人に、「頭金」をどのくらい用意したか(用意しているか)聞いたところ、最も多かったのが「2,000万円以上」で28.7%を占めました。その一方で「頭金なし」と回答した人も20.5%と2割を超え、頭金を多く準備する人と全く準備しない人の二極化が目立ちます。
【2021年・2022年比較】50代の住宅購入時の頭金
2021年度の同調査結果と比較すると「頭金なし」と回答した人は、2021年時の18.1%から2022年の調査には20.5%とやや増加。「2,000万円以上」と回答した人は32.3%から28.7%とやや減少しました。40代では2021年と比べて全体的に、頭金の準備額を抑えている傾向がうかがえます。
2021年調査時よりも住宅購入金額はやや減少傾向
【50代】住宅購入者の平均額と中央値
50代の世帯の住宅購入金額は平均3,392万1,000円(中央値3,000万円)でした。「住宅ローンの毎月返済額」は平均11.5万円(中央値10万円)、「住宅ローンの返済期間」は平均値で21.1年(中央値20年)となっています。
ちなみに、2021年時の同調査では、住宅購入金額の平均が3,683万7,000円で、2022年と比較して291万6,000円の減少となっています。コロナ禍で日本経済が低迷しているなか、無理のない金額で住宅を購入しているのではないでしょうか。
50代が選ぶ金利タイプは?
【50代】住宅ローン金利タイプ
50代の住宅購入者が選んだ/検討者が選ぶ予定の住宅ローンの金利タイプは「変動金利タイプ」が53.2%(全体平均60.6%)、「全期間固定金利タイプ(【フラット35】)」が24.2%(同 22.7%)、「全期間固定金利タイプ(民間金融機関)」が11.3%(同 7.3%)、「当初固定金利タイプ」が11.3%(同 9.3%)でした。すべての住宅購入者による調査結果と比較して変動金利タイプの利用者が少なめで、全期間固定金利タイプや当初固定金利タイプの利用者がやや多い傾向です。
まとめ
50代からの住宅購入は、仕事をリタイアするまでの年数を考えながら、住宅ローンの返済金額や期間を決めていくことが重要です。住宅ローン借り入れ時には加齢による健康上のリスクを踏まえ、団信の内容も確認したいところ。今回の調査結果を参考に、無理のない返済プランを検討してみてはいかがでしょうか。
【調査概要】
調査エリア:全国47都道府県
調査対象者:住宅購入経験者(直近1年以内)・検討者(直近3年以内)の25~69歳の男女
調査期間:2022年2月25日~3月2日
有効回答数:600サンプル
調査手法:クロス・マーケティングモニターへのインターネット定量調査
調査機関:株式会社クロス・マーケティング