(写真=ohayou!/stock.adobe.com)

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ここ数年、民間調査会社の東京商工リサーチは「コロナ倒産」の統計などでも注目を集めている。このほど発表した「2021年全国『社長の住む街』調査」も興味深い内容だ。1位は2020年調査に続いて「東京都港区赤坂」だったが、2位以下の順位はどのような結果となったのか。

■町村ベースでは「東京都港区赤坂」が1位

東京商工リサーチは、独自に民間企業約400万社のデータベースを有している。今回の調査はそのデータベースの中から、社長の居住地を分析してランキング化した。ランキングは「町村ベース」「市区郡ベース」「東京都以外の市区郡ベース」の3つが作成されている。

まず町村ベースのランキングを紹介していこう。

トップ10は全て東京都内で、トップ3は前回調査と変わらず、1位が「港区赤坂」、2位が「新宿区西新宿」、3位が「港区六本木」という結果だった。

1位の港区赤坂は都市型の商業施設が多く、有名な高級飲食店も多数出店していることもあり、社長たちに非常に人気の街だ。2位の新宿区西新宿は高層ビルが多いほか、百貨店や家電量販店などが多く存在しているエリアである。

順位を上げたのは、「港区南青山」が5位から4位に、「新宿区新宿」が8位から7位に、「港区南麻布」が10位から9位に、という具合だ。

■市区郡ベースでは「東京都世田谷区」が1位

続いて「市区郡ベース」のランキングを見ていこう。市区郡ベースのランキングでは、人口に対する「社長比率」も紹介されている。

町村ベースのランキングでは東京都世田谷区内のエリアはトップ10にランクインしていなかったが、市区郡ベースのランキングでは「東京都世田谷区」が1位となっている。世田谷区は社長比率が5.40%と低いが、区の人口が多いため、1位となっている。

「東京都港区」は2位。町村ベースのランキングでは、港区のエリアがトップ10に7つもランクインしており、社長率は13.85%と非常に高い。5位の「東京都渋谷区」も社長率が10.98%と2桁%となっている。

■東京都以外の市区郡ベースでは「埼玉県川口市」が1位

最後が「東京都以外の市区郡」だけを対象にしたランキングだ。

1位となったのは「埼玉県川口市」である。その後、2位が「千葉県船橋市」、3位が「千葉県市川市」という結果だった。埼玉県川口市は、埼玉の中では県庁所在地のさいたま市に次いで約60万人の人口規模となっており、東京都に隣接していることも社長が多い理由と言えよう。

ちなみに、東京都以外において社長比率でランキングを作ると、1位となるのは「大阪府大阪市中央区」で8.1%だという。2位と3位も大阪府内で、2位が「大阪府大阪市西区」で5.9%、3位が「大阪府天王寺区」で5.5%となっている。

■福岡の躍進でランキング結果に変化も?

調査結果から、日本の首都である東京都には社長が多く住んでいることがよく分かる。しかし最近では、福岡市がスタートアップ(新興企業)の街として知られるようになるなどしており、今後のランキング結果に影響を与えるかもしれない。

次回の調査結果にも注目したい。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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