高速道路やバイパス道路の開通時刻の多くは15時。なぜこのような中途半端な時間に開通することが多いのでしょうか。

深夜や早朝に開放できないワケがある

 高速道路やバイパス道路が開通する際、その開通時刻の多くが15時となっています。

 今年の例では、三陸沿岸道路の全通が12月18日の15時、名二環(名古屋第二環状自動車道)の全通が5月1日の15時、熊野尾鷲道路が8月29日の15時。また、中部横断道の全通が8月29日の16時、新東名の御殿場JCT〜新御殿場IC間が4月10日の16時になっています。


2018年に開通した首都高10号晴海線 豊洲〜晴海区間 (乗りものニュース編集部撮影)。

 どうせなら日付が変わった瞬間に開放…としてほしいのに、という意見もあります。なぜこの時刻に集中しているのでしょうか。

 三陸沿岸道路の建設管理を担当する三陸国道事務所は、「開通時間は特に決まりがあるわけではなく、毎回調整して決定しています」と話します。

 NEXCO中日本広報によると、開通時刻が夕方前になるのは、開通式が午前11時頃から開催され、祝辞や安全祈願、来賓による走り初めなどを終えたあと、昼過ぎに終了。式典会場を撤収したあと、一般開放に向けて点検やパトロール車の配備などを行うためといいます。

 開通式の開始が午前11時頃になるのは、式典会場の準備を、通勤ラッシュの混雑が終わる9〜10時台から始めざるを得ないからです。また、来賓とのスケジュール調整により、参加しやすい時間がこの時間帯であるという背景もあります。特に山間部を走る道路が開通する場合、早朝に自宅などを出て開通区間まで向かうのにも距離と時間がかかるというわけです。

 スマートICの開通など、式典を行わない場合は正午周辺の早い時間帯になります。たとえば東名の綾瀬スマートICの開通は3月31日の12時。昨年2020年にも、東京港臨港道路や九州道の桜島スマートIC、首都高横浜北線の馬場入口などが、12時に開通しています。

 なお、料金所へのETC導入や、通行料金の変更などは、事務処理の混乱を避けるなどを目的に、日付の変わる午前0時ちょうどに行う事例が多いです。