この記事をまとめると

■かつて黄色いヘッドライトのクルマが存在した

■しかし現在イエローバルブは禁止となっている

■その理由やヘッドライトの規定について解説する

安全性向上のために禁止となった

 暗かったり、逆に明るすぎたり。さらには光軸がズレまくってたり、ハイビームのままや無灯火など、ヘッドライト関係の問題や話題は尽きることがない。それだけ、重要な装備ともいえ、法律に関してもたびたび変わっているので注意したい。

 なかでもたまに見かけるのがイエローバルブだ。その名のとおり、ヘッドライトの光が黄色いタイプで、その昔はフォグ的な役割をプラスするためにけっこう人気だったし、そもそも1990年代ぐらいまでのフランス車といえば、本国ではイエローバルブが定番だった。

 現在、イエローバルブのヘッドライトへの装着は禁止となっているので注意が必要だ。正確には2006年1月以降に初度登録された車両では装着不可で車検には通らないし、公道を走行すると違法改造などで取り締まりとなる。ただ、2005年12月以前では問題ない。

 一見するととくに問題がないように思えるイエローバルブはなぜ禁止になったのか? 国土交通省の発表では安全性の向上のためとしていて、2002年6月に法律を改正していて、冒頭で紹介したのはこれを受けたもの。それまではヘッドライトの色は「白または淡黃色」だったのが、「白色のみ」となった。

白の色味については規定がない

 理由も発表されていて、その目的は交通事故対策。ヘッドランプは「白」、テールランプは「赤」という社会ルールを確立し、歩行者などが夜間、周囲のクルマの進行方向を確認しやすいようにするとしている。さらにヘッドライトの横にあるウインカーのだいだい色と、明確に識別できるという効果も含まれている。これらは国連でも採択されていて世界での統一的な流れとなっている。

 白色だけになったのはいいとして、気になるところがふたつある。まずは赤みを帯びたハロゲンは純正でもまだ採用されていて、問題ないのかということ。これは黄淡色に対しての白色なので、広義では白扱いとなる。実際、最近のLEDやHIDが真っ白すぎるだけで、以前であれば白色と認識されていたレベルというわけだ。

 次に問題なのが青みを帯びた白が登場してきたこと。ハロゲンではバルブ表面に着色したり、HIDやLEDでは光源から青みを帯びたものもある。色味というのは感覚的なものではなく、ケルビンという数値で表される。記号はKで、太陽光が5500Kぐらいで、白色蛍光灯が4000Kぐらい。数字が少なるにつれて、黄色から赤へとなっていき、逆に大きくなると白から青になっていく。冒頭のいわゆるイエローバルブは2500Kぐらい。逆に真っ青の空は10000Kぐらいとなる。

 それでは車検に通るケルビン数はというと、じつは規定はなし。明るさ自体についてはあるものの、色味についてはない。イエローバルブの例から考えると下限は白熱球と同じぐらいの3000Kで、上限は真っ白で青が混じる手前の6000Kだろう。ただ、最終的には車検や取り締まりでは、検査員や警察官の判断によるので一概には言えないが、少なくとも目で見て真っ黄色や青っぽいのはダメということになる。