8万円以下でノートPCを買うならどれ? おすすめの製品7選
コンピューターは月に人間を、火星にはかわいいロボットを送り込んできた。現代がそんな素晴らしいテクノロジーのユートピアなのだとしたら、大枚をはたかなくてもまともなノートPCがどこかで手に入るはずだと思うだろう。
「8万円以下でノートPCを買うならどれ? おすすめの製品7選」の写真・リンク付きの記事はこちら求めているのは、一日持ち運んでも腰痛にならない程度の携帯性と、基本的な仕事をこなす上で十分な性能だけだ。700ドル(約80,000円)以下で軽くて処理速度の速いノートPCを欲しいと願うのは贅沢だろうか?
幸いなことに、そうしたノートPCを手に入れることは可能だ。しかし、妥協しなければならない点もいくつかある。
まず、動画編集や本格的なゲームはできない。ディスプレイの表示は高価なモデルと比べればシャープではない。これまで安価なノートPCをいくつもテストしてきたが、これから紹介する製品は日常的なタスクであればあなたの要求をすべて満たし、しかも銀行口座が空っぽになる心配はないものばかりだ。
なお、OSには注意してほしい。これから紹介する製品のほとんどには、まだ「Windows 10」がプリインストールされているが、なかには「Windows 11」に無償でアップグレードできるものもある。
総合第1位
レノボ「IdeaPad Flex 5」
◎「WIRED」な点
AMDの「Ryzen 5」プロセッサーを搭載したレノボの「IdeaPad Flex 5」は、ほとんどの人にとって最もお買い得なノートPCだ。十分な性能と素晴らしい14インチIPS液晶ディスプレイ、8GBのRAM、256GBのSSDを装備している。360度回転するヒンジがついているので、タブレットモードや映画鑑賞用のスタンドモードにも変えられる。
△「TIRED」な点
デジタルペンを収納する場所がない。画面はもっと明るいほうがいい。
15インチモデルでは第1位
エイサー「Aspire 3」
◎「WIRED」な点
エイサーの「Aspire 3」は、これまでテストした15インチのノートPCのなかで最も金額に見合った価値を提供している製品だ。インテルの「Core i5」チップにCPU内蔵タイプのGPU、8GBのRAM、15.6インチのIPS液晶ディスプレイ(解像度は1,920×1,080ピクセル)を搭載したモデルがおすすめである。本体が大きく、ディスプレイ表示のシャープさは物足りないが、目が疲れることはない。入出力ポートも豊富(イーサネット、USB-A、USB-C、HDMI、ヘッドフォンジャック)で、4K動画を観るには十分なパワーがある。
△「TIRED」な点
唯一の不満は、スピーカーの音量があまり大きくならないところだ。
予算超過だがパワフル
エイサー「Swift 3」2021年モデル
◎「WIRED」な点
「Swift 3」は素晴らしいノートPCだが、700ドル(約80,000円)という予算を超過している。しかし、金銭的に余裕があるなら価値ある投資だろう。
Swift 3の薄く無駄のないデザインの筐体には、パワフルなインテルの「Core i7」チップ、8GBのRAM、256GBのSSD、解像度が1,920×1,080ピクセルのIPS液晶ディスプレイ(IPS液晶ディスプレイは一部の液晶ディスプレイより少し優れたディスプレイだ)が収まっている。動画を視聴するバッテリー消耗テストでは高得点を獲得した。また、USB-Cポートひとつを含む4つのUSBポートを備えている。Core i5モデルも試してみたところ、バッテリーの持続時間は長いが演算能力は著しく低かった。
△「TIRED」な点
今回テストしたなかでは最も高価な“格安”ノートPCだ。
関連記事:エイサーの「Swift 3」2021年モデルは、ほとんどの人にとって十二分の性能を発揮する:製品レヴュー
「Chromebook」派におすすめ
エイサー「Spin 713」
◎「WIRED」な点
グーグルの「Chrome OS」にこだわる場合、はるかに高価なグーグルの「Pixelbook」シリーズを除けば、エイサーの「Spin 713」が最高の体験をもたらしてくれる。8GBのRAMとインテルのCore i5チップのおかげでChrome OSはサクサク動き、動画を視聴するテストではバッテリーは12時間近くもった。画面は驚くほど明るく、3:2のアスペクト比は文書の編集やインターネット閲覧にも適している。
△「TIRED」な点
インテルCore i5チップを搭載したモデルは、Chromebookとしては高価な部類に入る。安価な「Core i3」チップ搭載モデルでも性能は十分だろう。
400ドル以下のタブレット端末でベスト
アップル「iPad」2021年モデル
◎「WIRED」な点
本当に安価なノートPCが必要だろうか? タブレット端末で十分ではないだろうか? 21年に発売された10.2インチのiPadは、一部の人にとってノートPCの完璧な代替品になるだろう。バッテリーの持続時間が長く、ソファーでインターネットを閲覧したり、ベッドで映画を観たりできるだけでなく、日中にちょっとした仕事をこなせる端末を求める人にぴったりだ。
△「TIRED」な点
難点があるとすれば日中に仕事をこなすときだ。文書作成やウェブベースのツールなどiPadが得意とするタスクが中心であれば、iPadはとても役に立つ。iPadで動かないソフトウェアを使う仕事であれば、ノートPCを手に入れたほうがいい。
Chrome OSタブレット端末でベスト
レノボ「IdeaPad Duet Chromebook」
◎「WIRED」な点
レノボの「IdeaPad Duet Chromebook」はChrome OSを最も楽しめる製品だ。写真編集など小さな画面では難しいタスクもあるが、インターネットの閲覧やメール、オンラインでの文書編集、家族とのヴィデオ通話にも最適である。コンパクトで軽く、驚くほど頑丈で、キーボードは高価なiPadや「Surface Go」のものにも負けていない。
△「TIRED」な点
Chrome OSに関する注意事項はこの製品にも当てはまる。つまり、これはブラウザーベースのタスクを実行するためのPCであり、それ以上でもそれ以下でもないということだ。
安価なWindowsタブレット端末でベスト
マイクロソフト「Surface Go 3」
◎「WIRED」な点
「Surface Go 3」はWindowsの実力を、すべてとまでいかなくとも十分に発揮してくれる。さらにとても軽量で、形も持ち運びに便利だ。好きになれるところはいくつもある。ファンレス構造のPCであり、シャープで明るい10.5インチのディスプレイとドライヴ容量を増やせるmicroSDカードスロット、カヴァーを兼ねる美しい小型キーボードなども備えている。
△「TIRED」な点
バッテリーのもちが「Surface Go 2」より悪化している。素晴らしいキーボード付きカヴァーは別売りだ。8GBのRAMとキーボードをつけると価格はほぼ倍になる。
買い得なノートPCの見つけ方
ノートPC購入のヒント
予算が厳しく、買い得なPCを購入したい人や埋め立て地行きの製品を救い出したい人は、中古品や再生品の市場を検討してみる価値はある。個人的な経験でも、これまでオークションサイトなどでさまざまな出品者(プロフェッショナルと一般市民の両方)からノートPCを運よく購入できている。
最高の取引を成功させるには、市場を知らなければならない。まずは調査し、自分のニーズに合ったモデルを見極めよう。中古品のなかで最も入手しやすい製品、つまり(たいていは)最もお買い得な製品は、退屈なビジネス向けモデルであることが多い。そのなかでも気に入っているのはレノボの「ThinkPad」シリーズだ。大企業で使われ、その後すべて一度に捨てられるので選択肢が多く、価格も安い。
狙うべき仕様:古くとも第9世代のインテル「Core i3」プロセッサー、8GBのRAM、128GBのストレージ(できればSSD)、最低でもHDに近い13インチのディスプレイを搭載したノートPCを狙うべきだ。
中古ノートPCを探す:欲しい製品が決まったら、ネットオークションなどで検索してみよう。検索結果から「売買が成立した商品のリスト」を表示してほしい[編註:日本の「ヤフオク!」では、過去180日間に落札された商品を表示する機能がある]。次に、直近10売買の落札価格を合計して10で割る。この平均価格が、支払う金額の上限だ。
最も低い落札価格を覚えておいてほしい。この価格で落札できれば最高だ。この段階で、最低価格と平均価格の間にある商品を見つけよう。それらが、検討の対象となるお買い得品だ。
いくつかについて、取引終了まで見ることをおすすめする。入札も参加も一切しない。ただ最後まで見守り、最終的にどこまで価格が上がるか確かめてほしい。
市場の状況と支払うべき金額を掴めれば、お買い得品かどうかがわかるはずだ。お買い得品が見つかっても、まずは待ってほしい。オークションの最後の数分まで、入札してはいけない。ほかの入札者に反応する隙を与えないためだ。
もしチャンスを逃しても、それが世界の終わりではないことを忘れないでほしい。ネットオークションや個人売買サイトには、常に新しいものが出品されている。
※『WIRED』によるPCの関連記事はこちら。