Engadgetでは年末年始にかけて、おすすめのガジェットやサービスを紹介するベストバイ2021企画を展開しています。以降から、2021年に反響の多かった山本竜也さんのレビュー記事を再掲してお届けします。

リモートワークの増加やGIGAスクール構想などもあり、何かと話題が増えてきたChrome OS。その多くはノートPCや2-in-1スタイルのChromebookですが、もちろん、それ以外の製品もあります。

ASUSが5月13日に発売した、Chromebox 4もそんな製品の1つ。セットトップボックス型のミニPCで、インターフェースが豊富なのが特徴。Chrome OS搭載機としては、ハイエンド仕様の端末です。

ASUS Chromebox4

CPUにCeleron 5205Uを搭載したエントリーモデルから、Core i7-10510Uを搭載する最上位モデルまで、4つのモデルがラインアップされており、RAMも4GB〜16GB、ストレージは64GB〜256GBとなっています。ASUS Storeでの直販価格は4万1220円から8万5320円(すべて税込み)。

そんなChromebox 4をレビュー用にお借りしたので、さっそく紹介したいと思います。

サイズは約15cm四方で、とてもコンパクト!というほどではありませんが、スペックを考えれば十分に小型。ディスプレイ背面に取り付けるためのVESAマウントアダプタも付属しており、置き場所を選びません。

▲VESAマウントアダプタ。100mmと75mmの両方に対応します

▲なんとか手のひらサイズと呼べそうなコンパクトさ

▲正面には3.5mmジャックとUSB-A×2、microSDカードリーダ。右端に電源スイッチがあります

▲背面はRJ45にUSB-Ax3、HDMI x2、USB-C、電源ポート。左端にあるのはセキュリティスロット

▲電源アダプタは専用のものを利用。出力は90W

実際に利用するにはディスプレイとマウス、キーボードが必要ですが、マウスとキーボードはBluetoothでもOK。初期セットアップ時に接続を促されるので、最初はUSBでないとダメということはありません。

今回試用しているのが、Core i7-10510UにRAM16GBを搭載する最上位モデルということもあり、動作自体にはまったくストレスを感じません。Chrome OSなので、なんでもかんでもこれ1台でこなせるというわけではありませんが、オフィスユースであれば、困ることはなさそうです。

実際、この記事も大部分をChromebox 4で書いていますが、特に問題はありません。ただ、Android向けのOfficeアプリは途中で落ちてしまいうまく使えませんでした。Wordアプリを個別で利用すれば問題はないようです。

あえて注文を付けるなら、USB Type-Cがもう1ポート欲しかったところ。モバイルディスプレイをUSB-Cで接続してしまうと、使えるポートがなくなってしまいます。オフィスユースであれば、まだUSB-Aのほうが利用頻度が高いという判断もありそうですが、USB-Aを5つも搭載するなら、2つ3つ削ってでもUSB-Cを増やしてくれたほうがありがたいです。

最後に、せっかくなのでベンチマークを取ってみました。Chrome OS向けではなく、あくまでもAndroidアプリなので参考までに。なお、Snapdragon 888のGalaxy S21 Ultra 5Gの結果も並べておきます。

▲Geekbench 5のスコア。Chromebox 4(左)とGalaxy S21 Ultra 5G(右)

▲PCMarkのスコア。Chromebox 4(左)とGalaxy S21 Ultra 5G(右)

全体的には最新ハイエンドに引けを取らない印象です。Chrome OS自体、あまりクリエイティブな作業には向かないイメージもありますが、Chromebox 4であれば、Linux環境でGIMPを利用しても、快適に作業が可能です。

▲Linux環境のGIMPも問題なく動作します

そこまでするならいっそWindowsでも……と思わなくもないですが、スペックに余裕がある分、使い方をいろいろと模索できるのがChromebox 4のいいところなのかもしれません。

ASUS Chromebox4

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