中央追悼大会は金正日氏の遺体が安置されている平壌・錦繍山太陽宮殿で開催された。右から5人目が金与正氏(朝鮮中央テレビの映像より)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫

写真拡大

【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長(朝鮮労働党総書記)の妹、金与正(キム・ヨジョン)党副部長の序列が上昇したことが確認された。

 北朝鮮の朝鮮中央通信は18日、金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去から10年となったことを受け17日に開かれた中央追悼大会に出席した幹部として8人の党政治局委員に続いて与正氏の名前を挙げた。

 与正氏が政治局候補委員よりも先に紹介されたため、政治局の委員または候補委員に選出されたのではないかとの見方が出ている。追悼大会を中継した朝鮮中央テレビの画面にも、正恩氏の左側に金徳訓(キム・ドクフン)首相、政治局委員の呉秀容(オ・スヨン)氏、金在龍(キム・ジェリョン)氏、金英哲(キム・ヨンチョル)氏に次いで与正氏の順に立っている姿が映った。

 与正氏は今年9月に最高人民会議(国会に相当)で党国務委員会委員に選出されたが、政治局委員または候補委員に選出されたという北朝鮮メディアの報道はまだない。

 これまで北朝鮮は権力の中核である政治局の構成員を党中央委員会総会や政治局会議で選出し公開したため、今月末に開かれる中央委員会総会を見守る必要があるとの指摘もある。

 与正氏は昨年まで組織指導部第1副部長兼政治局候補委員だったが今年1月の党大会で宣伝扇動部副部長、中央委員会委員に降格された。

 しかし、最高指導者の妹として対韓・対米などの外交業務全般を取りまとめながら対外メッセージを発信し、影響力を誇示してきた。

 韓国の情報機関、国家情報院は10月、国会情報委員会による国政監査で、与正氏が国務委員会委員に選出されたことついて、地位にふさわしい公式の肩書が与えられたとしたうえで「外交・安全保障を統括している」と説明した。

 また、与正氏の今年の公開活動の回数が34回と昨年の17回に比べ急増し、外交業務を担当しながら非公開で地方を訪れ、住民生活の動向を把握し、正恩氏に報告したりもすると明らかにした。