ダム愛好家、「減勢工」の底で浮かれる 超レアな「開放イベント」に日本各地から見学者集結
2021年11月26日から4日間、長野県上伊那郡中川村にある小渋ダムが、ダムから流れる水の勢いを抑制するための「減勢工」内の水を抜く作業にタイミングを合わせ、減勢工内の一般解放を行った。
小渋ダムは長野県から愛知県、静岡県を通って太平洋にそそぐ天竜川水の支流である小渋川に作られたダムである。
イベントは、国土交通省天竜川ダム統合管理事務所の公式アカウントから、次のようなツイートで告知された。
□#小渋ダム□
— 国土交通省 天竜川ダム統合管理事務所 (@mlit_tendamu) October 25, 2021
【イベント告知】
ダム施設調査のため減勢工内の水を抜く作業に合わせ、11/26~29で一般の方に解放します。
時間など詳細は案内チラシをご確認ください。
27日は夜の開放と #ライトアップ もしますよ。#防災 #国土交通省 #長野県 #ダム #放流#減勢工 #イベント #松川町 #中川村 #大鹿村 pic.twitter.com/0oM8R8744T
水を抜いた減勢工内に入れるだけでなく、「夜の開放とライトアップ」もあるらしい。このツイートを目ざとく見つけた全国のダム愛好家たちがツイッターで拡散し、話題となった。
「小渋ダムの減勢工の中に入れるだと!!!これは行かないと!!! 減勢工からダムを見上げたい!」
「絶対行く!!」
「祭ぞ!!!」
「下歩けるってこと?すごい」
「これは攻めたイベントだな! 貴重すぎる機会」
その結果は、いったいどうだったのか? Jタウンネット記者は、ツイッターに投稿したダム愛好家たち数人と、国土交通省天竜川ダム統合管理事務所に話を聞いてみた。
「魚眼レンズ状態」を満喫
浮かれてるー!!!w
— よっしー(佳) (@ten0618) November 27, 2021
小渋ダムサイコー!!!#小渋ダム減勢工見学会 pic.twitter.com/VbnNTRsgpk
一般開放に参加した一人、ツイッターユーザーの「よっしー(佳)」(@ten0618)さんは上のようなツイートを、11月27日に投稿している。水を抜いた減勢工の底に下りているにも関わらず、すっかり「浮かれてるー!!」様子だ。
翌日も、浮かれてる人たちを連投だ。
本日の浮かれてる人たちw
— よっしー(佳) (@ten0618) November 28, 2021
普段水が溜まってる場所から見上げる景色すごかったの!!
目で見る魚眼レンズ状態w#小渋ダム減勢工見学会 pic.twitter.com/borSvxkjsx
「普段水が溜まってる場所から見上げる景色すごかったの!!」とコメントしている。
小渋ダムは、ダムの高さ105メートルのアーチ式コンクリートダムで、治水、かんがい、発電を目的とする多目的ダム。見上げると、すごいはずだ。
「よっしー(佳)」さんは「魚眼レンズ状態」を満喫したらしい。
ツイッターには、こんな声も寄せられている。
「小渋ダムなう。 この角度で見られるのマジ凄い」
「小渋ダムのキャットウォークを歩きます」
「小渋ダム最高〜」
「水のない水叩きを満喫してきました。これは楽しい! ちゃぷちゃぷ言わしながらすみずみまで歩いて見慣れぬアングルで堤体を見上げてると、あっという間に時間が過ぎます。 素人目にはさほど傷んでなかったけれど、優しく放流したいなあ...とおっしゃってたのが印象的でした」
なお、放流している時の様子は、こんな感じである。
□#小渋ダム□
— 国土交通省 天竜川ダム統合管理事務所 (@mlit_tendamu) August 29, 2021
日曜日ですが、今日も放流中です。
雲ひとつ無く、いい天気過ぎて暑いですね。
体調に気をつけて涼しいところでお過ごしください。#放流 #防災 #国土交通省 #長野 #ダム pic.twitter.com/RNdCFl8zAY
今度は「充水」を見学!?
「だむのなかにいる* 毎回楽しいイベントを開催して下さりとても有り難い! 小渋ダム最高〜」とつぶやいているのは、「ぶちょー」(@jun_opa_bucho)さん。週末ダム巡りが趣味だという「ぶちょー」さんは、信州の山並みの風景も投稿している。貴重な週末の休みを、小渋ダム見学にあてるとは、相当なダム好きなのだろう。
投稿者の一人、「ひで」(@hidemasu_)さんは、日が高いうちから、夜の部まで楽しんだようだ。見学会のためにライトアップされた小渋ダムをツイートした。
Jタウンネット記者は、この見学会の主催者である国土交通省天竜川ダム統合管理事務所に取材した。電話で答えたのは広報担当者だった。
「見学者は、延べ350人ほどでした。福島県から来られた方もいらっしゃいましたが、もっとも多かったのは愛知県からでしょうね。関東、関西の方も多かったと思います。予想以上に、ダムに関心のある方に来ていただいて感謝しています」
「今回、小渋ダムの減勢工内の水を抜いたのは、施設内に破損やヒビ割れがないかを点検調査するためでしたが、とくに問題箇所はありませんでした」
「夜のライトアップはとくに反応が大きかったようです。ふだん見ることができないところを、自由に歩いて、喜んでいただきました」
「正直、これほどまでの反響は予想外でしたが、ダム愛好家の方々が集結するようなイベントを開催でき、嬉しく思います」(管理事務所担当者)
また、減勢工は早めに水を入れた方がいいということで、充水作業を12月中に実施するという。その様子も近くで見られるという。
公式アカウントからは次のようなツイートで告知されている。ダム愛好家の方は要チェックを。
□#小渋ダム□
— 国土交通省 天竜川ダム統合管理事務所 (@mlit_tendamu) December 3, 2021
【イベント】
開催日 12/18(土)
第1回 14:00~
第2回 17:30~
※各回内容は同じ
○イベント内容
?ゲート放流で減勢工へ充水するのを副ダム周辺でカッパ着て見学。
?ダム下流正面から放流を見学。
?焚き火囲んで雑談。
各回限定10名。
申込み開始などの詳細は後日告知します。