Windows 11 SE
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マイクロソフトは9日(現地時間)教育機関向けのノートPC「Surface Laptop SE」および学習用に最適化された「Windows 11 SE」を発表しました。Surface Laptop SEの価格は3万580円〜(米国では249ドル〜)であり、日本では2022年の前半に発売予定です。

まずSurface Laptop SEは、MSいわく「学習の機会を広げるノートPC」であり、Windows 11 SEおよびMicrosoft 365 for Education向けに設計されているとのことです。価格帯からみても、教育市場でしのぎを削る相手であるChromebookへの対抗製品と思われます。

本製品の筐体はプラスチック製で11.6インチのTFT液晶ディスプレイを搭載し、解像度は1366×768です。そのプロセッサはCeleronチップ(N4020またはN4120)、RAMは4GBまたは8GB(DDR4)、ストレージは64GBまたは128GBの内蔵eMMCカードのどちらかということで、先行した廉価モデルSurface Laptop Goよりも控えめなスペックとなっています。

このSurface Laptop SEはK-8、つまり米国では幼稚園前(5〜6歳)から8年生(14歳まで)の子供たちと、彼らを指導する教師を対象とするWindows 11 SEを搭載した最初のPCの1つ。またDellやHP、Acer、ASUSなどのPCメーカーからもWindows 11 SEモデルの発売が予告されています。

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かたやWindows 11 SEは、Windows 11を基にシンプルさに重点を置いて再構成されたものです。

公式リリースによれば「生徒のために気が散らない簡素な環境を必要とする教師からの意見と、安全性が高く、導入と管理が簡単で、学年の状況が変化しても一日中問題なく動作するデバイスを必要とする学校のIT管理者からのフィードバック」に基づいて構築されているとのこと。その結果がMicrosoft Storeも削除されているということで、子供たちが気の散るゲームやセキュリティ的に問題をはらみそうなアプリを入れられない仕組みとなっています。

また興味深いのは、本来がオンライン前提のはずのMicrosoft 365 for Educationが、オフラインでも機能するということ。米国では1600万人以上のK-12(幼稚園〜高校)公立学校の生徒が学校外で永続的なインターネットアクセスができず、それは公立学校の学生人口の約3分の1にも上るため、ネットに繋げなくとも学習の機会が制限されるべきではないとの考えからだと説明されています。

Surface Laptop SEの処理速度にはプロセッサ的に期待できませんが、MSのWindowsゼネラルマネージャーであるAaron Woodman氏いわく、本製品にはSurface Laptop Goの優れたキーボードとトラックパッド、そして簡単に開け閉めできるフタを採用したとのこと。また720pのWebカメラは同価格帯のノートPCよりも解像度が優れているのは確かであり、ビデオ会議でも問題ないと思われます。

記事執筆時点では、MSはSurface Laptop SEの販売を教育機関向に限定しており、一般の消費者や企業が入手することはできません。しかし本製品が大成功を収めれば、本体重量が1kg強(1112.4g)という持ち運びしやすさもあり、改めて市販が始まるのかもしれません。

Source:Microsoft(US) ,Microsoft(JP) ,Engadget(US)