米Microsoftは11月9日(現地時間)、Windows 11の小中教育向け新エディション「Windows 11 SE」を発表した。新型コロナ禍で高まったブレンド型学習(blended learning)のニーズに応えるように設計、低コストのデバイスで包括的な学習体験を提供できるようにリソースを最適化した。Windows 11 SEと共に、同OSを搭載するSurfaceデバイスとして「Surface Laptop SE」を発表した。米国、カナダ、英国、日本での発売を予定している。また、Acer、ASUS、Dell、Dynabook、Fujitsu、HP、JP.IK、Lenovo、Positivoなどからも搭載デバイスが登場する予定で、年末から2022年にかけて教育機関の購入シーズンに合わせてWindows 11 SEを展開する。



米国の教育市場でGoogleのChromebookがシェアを伸ばした要因の1つが、学習やリサーチに必要なGoogleドキュメントやスプレッドシート、Gmail、Chatなどをまとめた「Google Workspace」(G Suite)が統合されていて使いやすいことだった。しかし、Googleのツールはクラウドサービス向けに作られており、オフライン環境でChromebookには機能や性能の制限が生じる。

Microsoftによると、米国では1,600万人以上のK-12公立学校の生徒が学校外で持続的にインターネットを利用できない状況にある。Windows 11 SEは、Microsoft 365など、オンラインとオフラインの両方をサポートする環境と機能を提供し、今日の学習の必要性に応える。例えば、Word、PowerPoint、Excel、OneNote、OneDriveなどのOfficeアプリケーションは、Microsoft 365ライセンスの一部として、Windows 11 SEデバイスでオフラインで使用可能。OneDriveは、各デバイスのローカルにファイルを保存して生徒がオフライン時でもアクセスできるようにする。学校などでインターネットにアクセスできるようになった時に、Windows 11 SEがオフラインでの変更を自動的に同期する。

Webベースの学習アプリやサービスもMicrosoft Edgeを使って快適に使用できる。また、学校側がそれぞれ最適なアプリやサービスを利用できるように、ZoomやChromeといったサードパーティ製アプリもサポートする。

公立学校では数多くのデバイスの管理が必要になるが、Windows Autopilotによってスマートフォンのように簡単にデバイスを導入でき、Intune for Educationがデバイスへの各種設定やポリシーの適用などシンプルでセキュアなクラウド管理ソリューションを提供する。場所を問わず、IT管理者が簡単にWindows 11 SEデバイスを導入・管理でき、クラウド管理を通じてデバイスの状態が常に最新に保たれる。



Surface Laptop SEは価格が「249.99USドルから」(日本では30,580円から、2022年前半に発売予定)と、最も廉価なSurface PCになる。プロセッサはIntel Celeron Processor N4020/N4120、ストレージがeMMCであるなど、全体的に価格を抑えられるパーツが採用されているが、他のSurface製品と同じように快適にタイピングできるキーボード、720p HDカメラ、ステレオスピーカー、最大16時間のバッテリー動作時間など、学習の必要性の要所を押さたスペックになっている。子供達が使用する環境で修理にかかる時間やコストを削減できるように修理しやすい設計になっており、ディスプレイ、バッテリー、キーボード、そしてマザーボードもオンサイトで簡単に修理できるとのこと。

以下はSurface Laptop SEの主なスペック。

ディスプレイ:11.6インチ TFT(1366×768、135ppi)、アスペクト比 16:9

プロセッサ:Intel Celeron Processor N4020/N4120

グラフィックス:Intel UHD Graphics 600

メモリ:4GB/8GB DDR4

ストレージ:64GB/128GB eMMC

カメラ:1メガピクセル、720p(30fps)の動画撮影が可能

ワイヤレス:Wi-Fi: 802.11ac(2x2)、Bluetooth Wireless 5.0 LE

ポート類:USB-C×1、USB-A×1、3.5mmヘッドフォン/マイク

そのほか:2Wステレオスピーカー、マイク、TPM 2.0

サイズ:283.70x193.05x17.85ミリ、1,112.4グラム