高速道路のSA・PAや、道の駅の駐車場を利用中にイラっとした経験についてアンケートを実施。688人から回答を得ました。平面で広い、24時間開放されているという性質上の「イラっと案件」が垣間見えました。

ダントツのイラっと事案「指定枠外の駐車」

「乗りものニュース」では2021年10月1日(金)から10月4日(月)にかけて、高速道路のSAやPA、道の駅の駐車場を利用中イラっとした経験についてアンケートを実施。688人から回答が集まりました。

「高速道路のSAやPA、道の駅の駐車場でイラっとした経験(行為)を教えてください。(複数回答)」では、多い順に以下の結果となりました。


高速道路のSA・PAの駐車場。写真はイメージ(乗りものニュース編集部撮影)。

・指定枠以外の駐車:60.9%
・通路上(ランプ含む)に駐車:42.6%
・通路上で不意に停車:37.5%
・飛び出し(クルマ・人):36.3%
・逆走:31.8%
・暴走族等の集会・占拠:17.9%
・ドアパンチ:16.0%
・ミラーを畳まない:14.8%
・イラっとした経験はない:8.3%
・その他:8.6%

 回答が最も多かったのは「指定枠以外の駐車」でした。「車いす」などの標章車優先・専用枠に、標章のないクルマが停まっているといったケースです。また街なかの駐車場と異なる点として、普通車・大型車で駐車マスやエリアが区分されていますが、施設まで遠い、満車だからといった理由で、対象外のクルマが駐車するケースも見受けられます。

 次に多かった回答は「通路上(ランプ含む)に駐車」。特に高速道路では、駐車マスではないゼブラゾーンや、本線へ通じるランプ上に駐車しているケースがしばしば見られます。混雑が理由と考えられますが、高速道路会社は周回可能な構造のエリアでない限り、満車ならば諦めて次のSA・PAへ向かうよう案内しています。

 続いて「通路上で不意に停車」。荷物を積み込んでいる人やエンジンがかかっているクルマを見て、「もうすぐ空きそうだ」と思い込み通路上に停車するクルマも多いようです。これは後続車にとっては不用意に待たされイライラするだけでなく、渋滞が発生する原因にもなります。

24時間開放されている便利さゆえ…

 5番目に「逆走」がランクインしました。なお「乗りものニュース」では以前、「街なかの駐車場を利用中イラっとした経験」についても同様のアンケートを行っており、そこでは「逆走」が最も多い回答(56.4%:回答数1152)でした。結果に差が出たのは、SAやPA、道の駅の駐車場が基本的に、途中分岐の少ない一方通行で出口へ向かう構造であることに由来すると考えられます。

 また「ミラーを畳まない」も、街なかの駐車場アンケートから回答率が下がりました。これは、SAやPA、道の駅の駐車場が比較的広々とつくられていることに起因するでしょう。

「その他」に寄せられた主な意見は次の通りです。

駐車場所が空いていないとき(60〜64歳、男性など多数)
・エンジンを掛けたままの車中泊(45〜49歳、男性など多数)
・駐車ますや誘導ラインを無視した斜め走行(50〜54歳、男性など複数)
・バックして駐車スペースに入れようとしたら、止めようとした場所に前進で入ってきた(45〜49歳、男性など複数)
・飲み物、吸い殻を駐車スペースに垂れ流し・放置する(55〜59歳、男性)
・徐行していないクルマ、トラック(45〜49歳、女性)
・いわゆる「トナラー」行為(50〜54歳、男性)
・ヘッドライトを消さずに長時間停車(45〜49歳、男性)
・誘導係のいい加減な誘導(50〜54歳、男性)
・空ぶかし(35〜39歳、男性)

 原則、24時間開放されているSAやPA、道の駅の駐車場は、特に夜間は長距離トラックドライバーの休憩や観光客の車中泊にも使われます。所定外での喫煙やアイドリング、ライトの点灯などマナーに関わる部分では、トラブルのもとになりかねません。

 また、駐車マスに車止めなどの物理的なバリアが少なく、表示線のみで仕切られていることが多いという特性上、割り込みなどの行為がしばしば起きていることも伺えます。

マイカーと商用車 それぞれの立場で感じ方は変わる?

 今回のアンケートでは、「あなたはどの立場で駐車場を利用しましたか?(より多いケースを選択してください)」も質問しています。回答者はマイカー(レンタカー含む。観光やドライブなど)が86.0%(592人)、商用車(仕事・トラックドライバーなど)が12.6%(87人)でした。残る9人(1.3%)は「高速バスを利用して/他人の運転で感じた」などです。

 マイカー、商用車どちらの場合も、多い順ではイラっとした経験や行為に大差はなかったものの、一部で割合が異なったり順序が入れ替わったりしました。


道の駅の駐車場。写真はイメージ(画像:写真AC)。

 顕著だったのは「指定枠以外の駐車」。どちらのケースも最多の回答数でしたが、マイカー58.6%に対し商用車78.2%です。どちらの立場であれ、個人のマナーにゆだねられる部分ですが、普通車に比べて駐車枠が少ない大型車は特に困っていると考えられます。

「暴走族等の集会・占拠」も、マイカー16.7%に対し商用車26.4%でした。スペースの問題に加え、夜間帯に集う傾向にある暴走族と長距離トラックドライバーが鉢合わせる率が高いこともありそうです。

 ちなみに、商用車と回答した人の中で「イラっとした経験はない」を選択した人は3人(3.4%)と、マイカーの54人(9.1%)より少なくなりました。

アンケート実施概要
・調査期間:2021年10月1日(金)17時から10月4日(月)14時まで
・調査方法:Questantのシステムを利用して調査
・対象:「乗りものニュース」のSNS(Twitter、Facebook)のフォロワーなど
・有効回答数:688