Xperia 5 III

国内では11月中旬にドコモ、KDDI、ソフトバンクからの発売が発表されているXperia 5 III。Xperia 1 IIIよりも一回り小型ながら、ほぼ同等の仕様を備えたハイエンドなコンパクト端末です。

Xperia 5 IIIの日本発売が決定、ドコモ・KDDI・ソフトバンクから

決して小型ではない。丁度いいサイズの「Xperia 5 III」実機プレビュー

ごく短い時間ではありますが、そのau版試作機をお借りしたので簡単に紹介したいと思います。

6.1インチだけどコンパクトなサイズ感

ディスプレイは6.1インチの有機ELディスプレイ。Xperia 1 IIIでは4K対応でしたが、Xperia 5 IIIは前モデルと同じFHD+に留まります。ただ高画質エンジンとしてX1 for mobileを搭載し、HDR対応やHDRリマスター、BT.2020の色域で10bit入力に対応するクリエイターモードなどの機能はそのまま踏襲します。

6.1インチとサイズだけ見ると大きいですが、21:9のワイドディスプレイのため、手に持った感じはむしろ小さく感じます。

そのサイズですが、Xperia 1 IIIと比べると一回り小型。前モデルのXperia 5 IIと比べても横幅は68mmで変わらず、縦が1mm小さくなりました。この68mmという横幅もなかなか絶妙で、iPhone 12 mini(64.2mm)より大きいものの、Pixel 5(70.4mm)よりも狭く片手で握りやすいサイズ感になっています。

▲左からPixel 5、Xperia 5 III、iPhone 12 mini

重さは約168gと最近の端末の中では軽量なのですが、縦長のバランスゆえなのか、金属筐体の手触りからなのか、あまり軽くは感じず、むしろずっしりとした印象を受けました。とはいえ、実際に軽いことには間違いなく、幅68mmの持ちやすさも相まって、落としやすいということはないはずです。

背面カメラは、iToFセンサーは搭載しませんが、それ以外はXperia 1 IIIと同じで16mmの超広角に24mmの広角。そして望遠は70mm(光学2.9倍)と105mm(光学4.4倍)の可変式となります。

なお、お借りした試作機はグリーンですが、見事な鏡面仕上げで角度によってはシルバーにも見えます。鏡面仕上げはこのグリーンとピンクのみで、フロストブラックとフロストシルバーは名前の通りにマット調のフロスト仕上げです。

▲シルバーに見えますが、グリーンです

鏡面仕上げのグリーンの場合、指紋は非常に目立ちます。裸で運用するなら小まめな清拭が必須となりそうです。コンパクトさを損なわない薄型ケースが望まれますが、ディスプレイ保護フィルムとセットで、背面にも指紋が目立たない保護フィルムを貼るのもありかもしれません。

ボタン類は本体向かって右側面に集中しており、上からボリューム、電源、Googleアシスタント、カメラボタン。電源ボタンは指紋センサと兼用です。自然に握った際に人差し指あるいは中指がかかる位置なので、使い勝手は悪くありません。

上面には3.5mmジャックも備えます。

もはやデジカメなカメラ性能

最近のXperiaといえば、ディスプレイと並んでカメラ機能がうりとなっていますが、Xperia 5 IIIもそれは変わりません。Xperia 1 IIIと同様、カメラアプリはPhotography Proを利用します。

BASICモードは、通常のスマートフォンのカメラアプリと同様、画面内にシャッターボタンが表示され、普通に使えるデフォルトのモードです。細かい調整などが不要で、手軽に写真を撮るのであれば、BASICで十分です。

もちろん、凝ろうと思えばどこまでも凝れるのがPhotography Proのいいところ。オートモードやプログラムオート、シャッタースピード優先など、デジタルカメラと同等のメニューと機能を備えています。

▲BASICモード以外はUIが横向きになります

なお、BASIC以外では画面内にシャッターボタンは表示されません。UIも横向き前提の表示なり、横向きに構え側面にあるカメラボタンを利用します。カメラボタンは反押しでのフォーカスにも対応しており、使い勝手はカメラそのものです。

とりあえず、あまり設定など気にせず、BASICモードで何枚か撮ってみました。

▲1倍での標準撮影。フォーカスも早く、さっと撮れます

▲4.4倍ズーム

▲屋内での接写。標準カメラで自動的にマクロモードになりました

▲夜間、室内でのペットの撮影はブレがちですが、瞳AFのおかげでさっとピントが合います

コンパクトモデル好きの大本命

そのほか、主な仕様としては下記の通り。

ディスプレイ:6.1インチ 21:9 FHD+ 120Hz HDR対応有機EL

SoC:Snapdragon 888 5G

RAM/ROM:8GB / 128GB

リアカメラ:16mm 12MP + 24mm 12MP + 70mm,105mm可変望遠 12MP

フロントカメラ:8MP

オーディオ:3.5mmジャック、Dolby Atmos/LDAC/DSEE Ultimate/360 Reality Audio

バッテリー:4500mAh、ワイヤレス充電非対応

部線関連:IEEE802.11 a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.2

防水防塵:IP65/68

Xperia 1 IIIが対応するワイヤレス充電には非対応となりましたが、バッテリー容量自体は同じ4500mAhを搭載。前モデルよりも500mAh多くなりました。30分で50%充電できる急速充電にも対応します。

小型というほど小さいわけではありませんが、昨今の大画面端末と比べれば、十分に小さな端末です。それでいて6.1インチと大きな画面を備えているので、小型端末にありがちな窮屈さもありません。

▲縦長画面は2分割でも使いやすい

小型のハイエンドモデルとしては、ASUSのZenfon 8もあるので価格次第ではありますが、カメラも強いXperia 5 IIIは、コンパクトモデルの大本命と言っても過言ではないかもしれません。