種もヘタもおいしい!ピーマンの丸ごと煮びたし【もったいないレシピvol.1】

フードロスの実態とは?

最近メディアでも頻繁に登場する「フードロス」という言葉の意味をご存じですか?フードロスとは、本来食べられるはずなのに捨てられてしまう食品のこと。

国連サミットで採択された2030年までに達成する目標=SDGs(Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標))では、未来へ向けて社会全体で取り組むべき課題が掲げられました。フードロスの削減はゴミを減らし、限りある資源を大事に守っていくとても重要なアクションです。

「日本でフードロスとして廃棄されている食品は年間600万トン。このうち半分は家庭から出ているんですよ」と島本さん。

そんな「もったいない」を少しでも減らすべく、料理研究家の島本さんにフードロスを減らす工夫満載のレシピを教わります。1回目は、ピーマンの種やヘタも丸ごと食べられるレシピをご紹介。調理法にポイントがありますよ。

島本美由紀さんプロフィール

種まで食べる!ピーマンの丸ごと煮びたし

ピーマンの種もヘタも丸ごと食べられるフードロス削減レシピ。

「煮ることでヘタもやわらかくなり、丸ごとおいしく食べられます。ピーマンは包丁で切らずに手でつぶすだけなので、洗い物が省けて時短も叶いますよ」(島本さん)

手でちぎった油揚げと一緒に煮ることで旨味が増して、煮汁もおいしくいただけます。

材料(2人分)

・ピーマン……1袋(4~5個)
・油揚げ……1枚
・黒いりごま……適量
a. 水……100cc
a. 醤油……大さじ1杯
a. みりん……大さじ1杯
a. 酒……大さじ1杯
a. 砂糖……大さじ1杯
a. 顆粒和風だし……小さじ1/2杯

「ピーマンの丸ごと煮びたし」の作り方

1. ピーマンを手で軽くつぶす

ピーマンは手で軽くつぶすだけ。「手で軽く押すようにしてつぶします。そうすることで味が早く馴染みますよ。ヘタもやわらかく煮るので、外さずに使います」(島本さん)

2. フライパンで油揚げを焼く

熱したフライパンに手でちぎった油揚げを入れて焼きます。「油揚げも手でちぎっていれるので、包丁とまな板いらずで片付けも楽ですよ」(島本さん)

油揚げはコクを出すために、あえて油抜きせずに使います。

3. ピーマンと調味料を入れて煮る

油揚げに軽く色がついたら、ピーマンとAを加えて煮ます。沸騰したらふたをして弱めの中火で5分ほど煮込み、ピーマンをひっくり返してさらに2分ほど煮ます。

4. 器に盛り、黒ごまを散らす

ピーマンと油揚げを汁ごと器に盛り、黒ごまを散らして完成です。

種もヘタも丸ごと味わう

ピーマンは種もヘタも丸ごと使うので、捨てる部分がまったくありません。煮込むことでヘタもしっとりやわらかく食べられます。油揚げの旨味もたっぷりしみて、ジューシーでご飯がすすみますよ。

包丁やまな板も使わないので、洗い物も少なく時短でできるのも魅力的なレシピです。噛むほどにジュワっと味が染み出る煮びたしを作ってみませんか?

取材・文:馬原香織
撮影:齋藤 萌