スキマ時間の「骨盤ストレッチ」でセルフケア
「最近、お尻周りにぜい肉がついてきた気がする」
「何もしていないのに疲れたり、肩凝りや腰痛がある」
みなさん、このような症状はありませんか? これらのからだの不調、もしかすると骨盤のバランスが崩れていることに原因があるかもしれません。そこで今回は、自宅でできる骨盤調整体操をご紹介します。
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1.骨盤の調整で得られる健康・ダイエット効果とは?
よく、「骨盤の歪んでいる」という表現がされますが、骨盤は「骨」なので、それ自体が変形することはありません。
分かりやすく、骨盤が歪むという表現を使って説明していきますが、正しくは、骨盤周りの筋肉のバランスや緊張の度合いが関係し、腰の高さが左右で違ったり、過剰に前・後傾していたりすることで、骨盤のバランスが崩れていることを指しています。
骨盤が歪むと、姿勢の悪化からさまざまなからだの不調が起こり得ます。
〈骨盤の歪みからくるからだの不調〉
・肩凝り
・腰痛
・便秘
・倦怠感や疲労感
・代謝の悪化や肥満
・生理痛の悪化
など
骨盤の歪みは、セルフケアでも解消することができるとされ、骨盤調整で得られる効果は、大きく分けて3つあります。
1-1.姿勢がよくなり代謝がアップ
骨盤の歪みが解消されると、まずは姿勢がよくなります。今まで使われていなかった筋肉が使えるようになるので、基礎代謝もアップ。ダイエット効果が得られるといわれています。ちなみに、基礎代謝とは人間が最低限必要なエネルギー消費量のことです。
また、姿勢がよくなると猫背や反り腰もなくなるので、肩凝りや腰痛も軽減する可能性があります。骨盤はからだの中心部であり、体幹を構成する要素のひとつです。姿勢のかなめでもあるので、骨盤が整うとからだ全体のバランスもよくなります。
1-2.疲労回復
骨盤の歪みがあると、下腹部の血流やリンパの流れが悪くなるといわれています。下腹部の代謝が悪くなってくると、老廃物質が蓄積してきて倦怠感や疲労感の原因にも…。
しかし、骨盤調整がなされると、圧迫されていた毛細血管やリンパが活動しはじめ、老廃物質を循環し、その結果、疲労感や重だるい感じを解消してくれるというわけです。
1-3.内臓の位置を整える
骨盤の歪みがなくなると、内臓の位置にも変化があるといわれています。骨盤周りの血流もよくなるので、腸が元気になって便秘の解消効果が期待できます。
また、骨盤周りは神経もたくさん通っているため、非常に敏感な部位です。とくに、女性の場合は子宮があるので、生理痛とも深い関係があるといわれています。
2.歪んだ骨盤を調整する骨盤体操メニュー
ここでは、骨盤周りのバランスを整える体操を2つお伝えします。特別なアイテムはいらないメニューなので、自宅でのスキマ時間にぜひ実践してみてください。
1-1.骨盤ストレッチ1
骨盤ストレッチ1は、骨盤の前側にある筋肉を伸ばしていくものです。とくに、上半身と下半身をつなぐ腸腰筋(ちょうようきん)、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)をしっかり伸ばせます。
<骨盤ストレッチ1のやり方>
(1) あお向けに寝転がる。きつい場合は上半身を起こして行ってもOK。
(2) 片方の脚を、正座をするように曲げる。
(3) (2)の状態で30秒キープする。太ももの前側が伸びている感覚があればGOOD。
(4) 片方の脚が終わったら、左右の脚を入れ替えて同様のことを行う。
1-2.骨盤ストレッチ2
骨盤ストレッチ2は、お尻の筋肉を伸ばしていくものです。大殿筋(だいでんきん)や、股関節を支える筋肉である梨状筋(りじょうきん)などをストレッチできます。
<骨盤ストレッチ2のやり方>
(1) あお向けに寝転がって両ひざを立てる。
(2) 右足を左ひざ辺りにのせ、脚を組む。
(3) 左太ももを両手で抱え、左ひざを胸に引き寄せる。
(4) 限界まで引き寄せたら、そこで30秒キープする。
(5) 終わったら、左右の脚を入れ替えてもう一度同様のことを行う。
3.整った骨盤を維持する方法はあるの?(情報提供:あんしん漢方)
ストレッチで骨盤の位置を調整しても、すぐに元に戻ってしまったら意味がないですよね。整った骨盤を維持するためには、生活習慣を意識することが重要といわれています。ここでは、整えた骨盤を維持する方法をみていきましょう。
3-1.骨盤調整を意識した生活習慣
骨盤の歪みの原因の多くは、生活習慣にあるといわれています。以下が骨盤の歪みの原因となる生活習慣です。
・脚を組む
・片方の肩でずっと荷物を持つ
・片脚に重心をかけて立つ
これらは、自分でも無意識でやってしまっていることが多いと思います。できるだけ自分のクセを把握し、意識して治してみましょう。
3-2.骨盤の歪みからくる不調には漢方もおすすめ
からだの内側からの根本改善で、太りにくい体質を手に入れたいと思っている方や、脂肪が付きやすい、水の代謝が悪いなど、太りやすい体質にお悩みの方は、漢方薬を服用してみてはいかがでしょうか?
漢方薬のなかには、代謝を促して脂肪燃焼を手助けしてくれるものがあります。ダイエットのサポートとして飲み続けると、体質が変わって肥満が改善される可能性があります。
また、漢方薬は自然由来の生薬で、副作用も少ないといわれています。そのため、漢方薬は安心して服用できるのです。
さらに、漢方薬はただ飲むだけでいいので、食事制限をしたり無理に運動したりする必要はありません。専門家に相談して自分に合ったものを選べば、気軽に健康管理ができます。
<脂肪燃焼をサポートしてくれる漢方薬>
・防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):便秘気味でぽっこりおなかが気になる方
脂肪代謝を促しておなか周りの脂肪を分解・燃焼するだけでなく、脂質の吸収を抑制します。
・大柴胡湯(だいさいことう):ストレスで食欲が増して脇腹あたりが張る方
気の巡りを改善して気分や食欲を落ち着かせます。また、体内の余分な熱を取り除き、肝のはたらきをよくして、脂質代謝を改善します。
インターネット相談窓口を設けている「あんしん漢方」のようなサービスを利用して、薬効や副作用、漢方薬との相性、日常生活の養生法などを相談してみるといいでしょう。
●あんしん漢方
4.骨盤調整で健康的なからだを手に入れよう
骨盤調整には姿勢改善・代謝アップ・疲労回復・内臓機能の向上などいろいろな効果が期待できます。今回紹介した骨盤ストレッチをぜひ実践してみてください。また、ダイエット効果をさらに高めたい方には漢方薬もおすすめです。気になった方は専門家に相談してみましょう。
[文:あんしん漢方]
理学療法士 濱南くにひろ
公立大学を卒業後、病院で理学療法士としてリハビリテーションに携わる。車イスバスケットボールチームのトレーナー経験もあり、医療・福祉・スポーツ分野に幅広く関わる。現在はフリーランスWebライターとして活動中。