野菜ソムリエが教える「ぶどうの保存方法」。小粒も大粒もおいしく長持ち!
【小粒】ぶどうの保存方法
デラウェアやナイアガラなどの小粒ぶどうは、実が密集して付いています。果汁が多く皮がやわらかい品種が多いため、傷付けないように房のまま保存しましょう。
小粒ぶどうの最適保存温度は5~10度なので、常温保存は向きません。特にデラウェアは実がやわらかいため、冷蔵庫や冷凍庫で保存してください。
冷蔵で1週間保存
小粒ぶどうは、房ごと冷蔵保存しましょう。特にデラウェアは、実が外れやすく皮がやわらかいので、丁寧に保存してください。皮の表面に付く「ブルーム」という白い粉は、病原菌から身を守ったり鮮度を保ったりする役割があります。ぶどうを冷蔵保存する際は、ブルームが落ちないように、洗わないことがポイント。
傷んでいる実や外れそうな実は取り除き、やわらかいキッチンペーパーやくしゃくしゃにした新聞紙などで包んでから、保存容器やポリ袋に入れて保存しましょう。衝撃に弱いので、ほかの野菜と一緒に保存する場合は容器に入れると安心です。
【保存方法】
1. 小粒ぶどうは洗わずに、キッチンペーパーで包む。(写真1,2)
2. 保存容器に入れて、冷蔵庫の野菜室で保存する。(写真3,4)
冷凍で1ヶ月保存
そのまま食べられるように、洗ってから冷凍保存しましょう。デラウェアはやわらかく繊細なため、流水を直接実に当てるのではなく、軸に当てて洗ってください。
房が重ならないようにフリーザーバックに入れて、冷凍保存します。凍ったまま、皮ごと食べられますよ。皮をむく場合は、冷凍庫から出して少しすればつるんと皮がむけます。
【保存方法】
1. ぶどうは流水で洗い、キッチンペーパーで包むようにして拭く。(写真1)
2. ひと房ごとラップで包む。(写真2)
3. フリーザーバッグに入れて、冷凍庫で保存する。(写真3)
4. ステンレス製バットにのせて冷凍すると、急速冷凍が可能。(写真4)
【大粒】ぶどうの保存方法
巨峰やピオーネなどの大粒ぶどうも、あまり日持ちはしません。房のままの場合、できるだけ2~3日で食べ切りたいです。みずみずしさを楽しみたいなら、手間がかかりますがひと粒ずつカットしましょう。特に巨峰は、軸から実が外れやすいため、ひと粒ずつバラバラにして保存するのがおすすめです。
冷蔵で2~3日保存
丸ごと保存したい場合や、2~3日以内に食べる場合は、洗わずにキッチンペーパーに包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫に入れましょう。
【保存方法】
大粒ぶどうをキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫で保存する。
冷蔵で1週間保存
2~3日以上保存する場合や鮮度を保ちたい場合は、実のほうに軸を5mm程度残してカットし、ひと粒ずつバラバラにしてから保存しましょう。
手で引っ張って切り離すと、皮が裂けたり果実に傷が付いたりしてしまいます。ハサミでカットすると、果汁が漏れたり枝に水分を取られたりせず、おいしさや鮮度をキープできますよ。ブルームを落とさないように、洗うのは避けましょう。
【保存方法】
1. ハサミで軸をカットし、実をひと粒ずつ切り離す。(写真1)
2. キッチンペーパーを敷いた保存容器に並べる。(写真2)
3. キッチンペーパーをかぶせ蓋をして、冷蔵庫の野菜室に入れる。(写真3)
冷凍で1ヶ月保存
そのまま食べられるように、洗ってから冷凍保存しましょう。ひと粒ずつバラバラにしたら、実が重ならないようにフリーザーバックに入れて冷凍庫へ。解凍せずに、皮をむいて食べましょう。流水を当てると、簡単に皮がむけますよ。シャーベットのように楽しんでくださいね。
マスカット、マニキュアフィンガー、甲斐路などの品種は、冷凍しないほうがよいでしょう。冷凍してしまうと、薄い皮でパリッとした食感や、プリプリとした歯ごたえが失われてしまいます。もちろん冷凍すれば、鮮度を保って長期保存が可能。解凍せずに、皮ごと食べられますよ。
【保存方法】
1. 大粒ぶどうは軸をカットして、実をひと粒ずつ切り離す。(写真1)
2. 水で洗う。(写真2)
3. キッチンペーパーできれいに拭く。(写真3)
4. フリーザーバッグに入れて冷凍庫へ入れる。ステンレス製バットにのせて冷凍すると、急速冷凍が可能。(写真4)
新鮮なぶどうの選び方
おいしくぶどうを保存するには、新鮮なぶどうを選ぶのが大切。いくら適切に保存をしても、鮮度が落ちてしまっていては日持ちしません。
新鮮なぶどうは、軸がしっかりとし緑色で、粒は張りとツヤがあります。全体的に粒の大きさがそろい、均等に色付いていて、色が濃いものがよいでしょう。粒が落ちたり、しわしわだったりするものは、鮮度が落ちているので避けてください。
また、ブルーム(=表面の白い粉)も、鮮度を見分ける目安。収穫して日が経つと、ブルームが落ちます。粒にブルームがしっかり付いて、テカテカしていないものを選ぶとよいでしょう。
傷んだぶどうの見分け方
ぶどうは、傷み始めると実がしなびて弾力がなくなり、触るとブヨブヨしてきます。汁が出ていたり、変色したり、酸っぱい匂いやアルコール臭がしたりしたら注意しましょう。また、傷が付くと、傷の部分から雑菌が繁殖して傷みやすいです。
実と軸の間にカビが生えているぶどうは、食べないでください。冷凍保存の場合も、半解凍してみてカビが生えていたら、食べるのは避けましょう。
適切な保存方法で、ぶどうを長く楽しもう
甘くてジューシーなぶどう。野菜ソムリエがおすすめする保存方法を取り入れれば、おいしさを長持ちできますよ。ぶどうは日持ちしないため、購入したらすぐに適切な保存方法をおこなうことがポイント。新鮮なぶどうの選び方もチェックして、ぶどうをベストの状態で楽しんでくださいね。