THE ALFEE 撮影/吉岡竜紀

写真拡大

 デビュー47周年のレジェンド・バンドTHE ALFEE。70枚目という節目のタイミングでリリースするシングル『The 2nd Life −第二の選択−』にのせたメッセージは“希望”。今作も高見沢俊彦が作詞・作曲を担当している。

【写真】見ているこちら側もホッコリ、相変わらず仲よしなTHE ALFEE

高見沢俊彦(以下、高見沢)「新型コロナウイルスの感染が拡大するまで休むことなく続けてきた春のツアーを、昨年に続き今年も断念せざるをえなくなりました。そうなると、創作への気持ちも変化していきます。この先、どうなるんだろうかと考えたり。

 ニュースを見ても暗い内容が多いからこそ、希望のある曲を作りたい。アフターコロナに向けての所信表明じゃないですけど、そういった曲にしたいという思いがありました」

 “70”枚目という数字は意識した?

高見沢「僕らより先にシングルが古希になっちゃったわけですから、めでたいですよね(笑)」

桜井賢(以下、桜井)「よく70枚も作ったな。えらいよ」

高見沢「ありがとう。でも、デビュー曲は僕じゃなくて、筒美京平さんだけど」

桜井「でも、立派だよ」

 コロナ禍で変わったレコーディング。それまでは3人でレコーディングブースに入っていたが、いまはひとりひとり。

高見沢「ひとりでやるよりもふたり。ふたりより、3人。コーラスを重ねていくことで、改めて“3声”というものがTHE ALFEEの武器だと感じました」

坂崎幸之助(以下、坂崎)「コロナ前の3人で“せーの”で歌ってきたときとは、やはりちがいますね」

桜井「ひとつずつの音や長さをきっちり合わせていかないと、別々に録音したものを重ねたときに成立しない。そういう意味で、よりシビアにはなってきています」

高見沢「もちろん、コロナと関係なく、ハーモニーや音については年々シビアになっていますよ。最初はわからなかったことが、だんだんわかってきていますから」

断捨離のつもりが店員からツッコミ

 歌詞の中に“無駄な荷物は捨てよう”とあるが、

坂崎「はい、すみません。捨てます!(笑)。いま、引っ越しの準備をしているんですが、いらない棚とか、必要のないものが見つかりますね。あと、どうしようかと思っているのがALFEEモノ。自分たちが掲載されている昔の雑誌とかね。1ページしか掲載されていないのに、雑誌をまるっと持っていたりしますから。自分たちが載っていないほかのページを読み始めて断捨離が進まないとかね(笑)。

 それから、5年とか10年使っていないものは処分していいんじゃないかなと思って。ギターも500本もいらないかなとか」

高見沢「それ、オレのことだろ(笑)。ギターは増殖中なんですが、最近、スマートフォンのアプリをかなり整理しました。だいたい2週間使わなかったら、もう必要ないと思ったほうがいいよね」

坂崎「桜井は無駄がないですから」

桜井「世の中、過剰包装とかありますよね。例えば、靴を買ったときに僕は箱はいらないからと言うんです。そうするとお店の人が“箱がないと返品できませんから”って(笑)」

 以前、『週刊女性』のインタビューで桜井と連絡を取る手段がFAXと答えていたが変化はあったのだろうか。

坂崎「いまも、FAXです(笑)」

桜井「FAXがあるってことは、電話もあるってことですからね(笑)」

 リモート会議をすることは?

坂崎「1回もやったことがないです」

高見沢「リモートでレコーディングをしたことはありますけど。リモート会議は、桜井はできないからね」

桜井「必要ある? 会ったときに話せばいいんだから。そもそもリモート会議をするような会社に勤めることに向いていなくて、いまに至るんだから(笑)」

コロナ禍のライブで初めて感じたこと

 “ライブ・バンド”と呼ばれ、コロナになるまで1年も休むことなくステージに立ち続けてきたTHE ALFEE。このコロナ禍では無観客での武道館からの配信ライブや、生配信トーク番組などを続けている。

坂崎「お客さんのいないライブは、いつも以上に疲れちゃいますね」

桜井「これまで、いかにみなさんからパワーをもらってきたか。ライブって、パワーの行って来いで、お客さんがいないと成立しない。それでも、まだステージに立てたことは幸せですけど」

坂崎「カメラの向こうにみなさんがいるとはわかっているんですが、こちらまでそのリアクションが届かない。これでいいのかな? と不安になったりして」

高見沢「そう、どう判断していいのかわからなくなる。初めてギターを重く感じましたね。僕のギターは特徴のある変わった形のものが多くて、そのほとんどが重いんです。それでも、これまではステージで重いなんて感じたことがなかった」

坂崎「じゃ、これからは普通のギターになるのかな」

高見沢「まわりが許してくれないでしょ。ゴジラ(の形のギター)持ってきてよって言われるのが目に見えている(笑)」

 THE ALFEEといえば“夏イベ”といわれる、ファン待望であり3人も楽しみにしていた夏のライブイベントを開催する予定だったが、4度目の緊急事態宣言を受け中止に。後日、無観客での公演が配信されることになった。

 このライブに備えるためもあり、先日、自身のラジオ番組で高見沢が新型コロナワクチンの接種を受けたと語ったことがネットニュースで話題になった。

高見沢「自分でパソコンから予約を取りました。絶対にサイトにつながらないと思っていたのに、時間がきてやってみたらつながってしまって。そうすると、焦るよね。自分のスケジュールと照らし合わせているあいだに、どんどん予約できる枠が埋まっていって。なんとか予約して区の指定する場所に行くと、同年代の方々がたくさんいて気づくわけです」

坂崎「自分が前期高齢者だと」

桜井「おまえ、その格好で行ったんじゃないだろうな?」

高見沢「まぁ、似たようなもんだよ」

桜井「もう、困るんですよ(笑)。昔、渋谷に水疱瘡の予防接種を打ちに行ったとき、僕はサングラスをはずして地味な格好で行ったのに、向こうから高見沢がステージ衣装で来るんですよ」

高見沢「あれは、ステージ衣装じゃないよ」

桜井「赤ちゃんの予防接種で来ていたお母さんたちが“あっ、高見沢さんだ!”って」

高見沢「それで僕が、“よぉ、桜井”とか言ってね(笑)」

桜井「そうしたら、お母さんたちが“えーっ!? 桜井さんもいるの?”って。あと、鈴鹿サーキットにレースを見に行ったときもな。黒いロングコートを着た高見沢が金髪の女性を連れているなと思って様子を見ていたら、こっちに歩いてきて」

高見沢「そうそう、あのときYOSHIKIと一緒だったんだよね。たまたま同じブランドの同じコート着て。東京駅で待ち合わせしてふたりで行ったんですよ」

桜井「ビックリしたよ(笑)」

新たなファンが増加、その理由にビックリ

 デビューした47年前。当時の大学生だった3人が重なって見えるように感じるほど変わらない仲のよさ。それも、THE ALFEEの強みのひとつ。

高見沢「二十歳から変わっていないから、3年後の50周年を迎えても何も変わらないでしょうね。あとは、健康でいることを願うのみですよ」

坂崎「『メリーアン』とか『星空のディスタンス』をリリースしたときってテレビがメイン。ファンになってくれる方もテレビを見てとか、深夜放送のラジオを聴いてって人が多かったんです。

 いまは、SNSとか動画サイトになっていますね。3人でNHK FMのラジオをやっているんですけど、“動画サイトを見てファンになりました”とお便りをくれる若い人がめちゃくちゃ多い。『ALFEE KITCHEN』を見てと」

高見沢「音楽じゃないのかよ」

坂崎「“高見沢さんが玉ねぎを切らずに丸ごと親子鍋に入れたところからファンになりました”とか(笑)」

高見沢「あれは、レシピどおりやってるの。玉ねぎを入れる、切るって書いてないから」

桜井「おまえのレシピどおりはすごいよ。卵を3個入れるっていうのも、卵を割らずにそのまま入れるから(笑)」

高見沢「割るとは書いてないから」

坂崎「そこからTHE ALFEEって音楽やっている人なんだ、ライブに行ってみたい、そういう若いファンの方々が増えてきて面白い現象だなと思っています。

 こうやって、もっとALFEE沼に入ってきていただけるようになったらうれしいですね」

高見沢「今回の70枚目のシングル『The 2nd Life −第二の選択−』がオリコンのベスト10に入ったら、54作連続ベスト10入りの記録になります。僕らのグループは、曲が売れるか売れないかは歌う人の責任になりますから。桜井も気合が入っております」

坂崎「ぜひ! 桜井を男にしてあげてください!!(笑)」

桜井「責任者の桜井でございます。今回のシングルはボーナストラックが4種類の4形態出ておりますので、1枚でもいいんですけど、ぜひ4枚聴いていただけたらと思います。桜井からの最後のお願いです! よろしくお願いいたします(笑)」

残念ながら有観客での公演が中止になった今年の夏イベ。
これまでで忘れられない夏のライブは?

高見沢「やっぱりお台場の10万人コンサートかな。あれは、86年か。(当時、13号埋立地と呼ばれていた場所に)“TOKYO BAY-AREA(東京ベイエリア)”って名前を付けてね。そのとき、新曲の『ROCKDOM -風に吹かれて-』を初めて演奏したのに、最後のリフレイン部分をみんなが歌ってくれて。あの光景は、一生忘れないでしょうね」

坂崎「やっぱり、一番印象的なのは高見沢が言った東京ベイエリアでのコンサートかな。あと、その前年の横浜スリーデイズ。横浜スタジアムで3日間連続でライブをやって。最終日、お客さん入場のBGMを2時間くらい自分たちで演奏したんです。会場がお客さんでいっぱいになったときに、“じゃあ、また後で”ってステージ裏に引っ込んで。その20分か30分後に本編が始まる。最終日にやったので、もうくたくただった(笑)」

桜井「静岡の日本平でやったオールナイトライブは絶対忘れないですね。3時間のステージを3回、夜通しやったのは僕らだけでしょうね、きっと」

坂崎「夜7時から朝の6時までですから」

高見沢「坂崎って、朝方は寝てたよな。寝ながらギター弾いてた」

桜井「思い出せばいろいろあります。ライブ2日間とも雨に降られたとかね。これはシャワー浴びながらベース弾いて歌ってるのと一緒。指がふやけちゃって(笑)。あと風ね。坂崎は特にアコースティックだからギターの中に風が吹き込むと風で身体が持ってかれちゃう。もう外でやっちゃダメなんですよ。あのころは、まだ若さもあったけど、今みたいに36度とかならないから。今やったら、熱中症になっちゃうかもしれない」

70thシングル
『The 2nd Life -第二の選択-』

7月28日発売
通常盤、初回限定盤A、初回限定盤B、初回限定盤C
各1100円(税込み)

シングル、夏のイベントの詳細は
公式サイト https://www.universal-music.co.jp/the-alfee/