スパイス×チョコが生み出す魅惑のマリアージュ。チョコレート探検家の推し商品を紹介!

チョコレート探検家が推す!風味豊かなスパイスチョコレート

甘さとスパイシーさが融合したスパイスチョコレート。少しニッチなジャンルですが、チョコレートの可能性が広がり、ついハマってしまうような魅力があります。「普段はなかなか手に取らない」という方も、新ジャンル開拓としてチェックみてはいかがでしょうか。

本記事では、チョコレート探検家として活躍するチョコレートくんに、おすすめの商品を5つお聞きしました。大人のスイーツとしておやつやお酒のお供にしたり、ちょっとしたギフトに贈ったりするのもおすすめですよ。

教えてくれた人

チョコレート探検家/チョコレートくん
コンビニチョコレートからデパ地下や専門店のチョコレートまで幅広く情報を発信。新商品やおすすめ商品をSNSで紹介している。チョコレートのイベント、商品企画、開発などもおこなう。

スパイスチョコとは?魅力とちょっとした歴史

商品を紹介する前に、チョコレートくんにスパイスチョコレートの魅力をお聞きしました。

「カカオ×スパイスの組み合わせは、チョコレートの人気カテゴリのひとつです。2つの素材が合わさることで、おいしさに相乗効果が生まれます。チョコレートの甘みや苦み、スパイスの辛みがマイルドになり、互いの持ち味である香りが引き出されるのです。おいしいスパイスチョコレートをひと口食べると、もう虜に。贅沢で豊かな時間が流れます」

スパイスチョコレートの歴史は意外にもかなり前!

「人がカカオ×スパイスの魅力を知ったのは今に始まったことではありません。歴史は、スペイン人が新大陸を目指してたどり着いた16世紀初頭のメキシコまで遡ります。

カカオは栄養価が高いスーパーフードとして、スパイスは漢方薬としても知られていますよね。当時は、王様がカカオ豆をすり潰したドリンクに唐辛子などのスパイスを混ぜ、強壮剤として飲んでいたそうですよ」

そんな前から存在していたとは驚きです……!魅力的なスパイスチョコレートに、より興味が湧いてきたところで、さっそくチョコレートくんが厳選した逸品をご紹介。ドリンクとのおすすめペアリングも必見ですよ。

1. 口に入れた瞬間調和する。プレスキル・ショコラトリー『フー』

「『PRESQ’UILE chocolaterie(プレスキル・ショコラトリー)』は、東京の吉祥寺にあり、ショコラティエ小抜知博氏が手掛けるショコラトリーです。フルーツやナッツを組み合わせた人気のフォンダンショコラやマリアージュショコラなど、豊富なラインアップがそろいます。

ご紹介するのは、バジル×松の実×島唐辛子を組み合わせたボンボンショコラ『フー』。斬新な組み合わせの味わいが楽しいスパイスチョコレートです」

「口の中に入れると、素材同士が三位一体となって、まるでクリーミーなスープを飲んでいるかのような驚きがあります。これはチョコレートなのか?と一瞬戸惑うほど。香りが気持ちよく鼻から抜け贅沢な時間が流れます。イタリアンのコース料理の最後にデザートとして出てくるシーンが浮かんできますね。

ペアリングには、アッサム、ディンブラ、ベルガモットなどの味がしっかりとある紅茶がぴったりかと。中国のキームン紅茶のような発酵の香りが強いタイプのお茶もおすすめです」

2. フレッシュ感たっぷり。ネル クラフトチョコレート トーキョー『山椒』

「日本橋浜町 HAMACHO HOTEL(ハマチョウ ホテル)の1階に店舗を構える『nel CRAFT CHOCOLATE TOKYO(ネル クラフトチョコレート トーキョー)』。自家製チョコレート氷と小豆を合わせたカカオ金時がイートインで人気のお店ですよ。

『山椒』はその名の通り、青実山椒の香りをそのままガナッシュに閉じ込め、ミルクチョコレートでコーティングしたボンボンショコラです」

「苦味がマイルドで柑橘のような香りを感じさせる山椒は、フレッシュ感たっぷり。ベリーのような果実感があるミルクチョコレートがとろ~りと溶け、口の中で合わさっていく感じがたまりません。

ペアリングは、酸味のあるエチオピアの浅煎りコーヒーがおすすめ。華やかな味わいを強調してくれます」

3. 豊潤なブランデー香る。パスカル・ル・ガック東京『カルバドス シナモン』

「フランスが本拠地のショコラトリー『PASCAL LE GAC(パスカル・ル・ガック)』。東京の赤坂に日本唯一の店舗があります。

今回選んだ『カルバドス シナモン』は、ビターチョコレートのコーティングの中に、カルバドス(※)で風味付けしたガナッシュ、カルバドスでフランベしたレーズン、そしてシナモンを合わせたショコラが入っています」

(※)フランスのノルマンディー地方で造られるリンゴを原料とするブランデー。

「レーズンの甘みとカルバドスの芳醇な香りが見事に広がり、あとからなめらかなチョコレートのコクとシナモンのスパイシーさがふわっと香ります。ペアリングはライムやレモンのトニックウォーターでさっぱりと合わせるのがおすすめです」

4. マニアしかしらないチョコレート。メイホーク『ロンドンジン』

「イギリス発のブランド『MAYHAWK(メイホーク)』は、人知れずグルメな人の手に渡る秘蔵のチョコレートです。世界中の上質なチョコレートをセレクトしたショップ『トモエサヴール』のオンラインショップでお買い求めできます。

『ロンドンジン』は、独自ブレンドの薬草から抽出したジンに、カカオ豆を漬け込んで作り上げたチョコレートです。スパイスは、ジンの香りづけにも使われるジュニパーベリーが主体で、コリアンダー、シナモンもブレンドされています」

「ひと口食べると、クラフトジンを飲んだときのようなボタニカルな香りが口の中いっぱいに広がります。チョコレートを味わっているのに、ジンのおいしさが楽しめる唯一無二感に拍手したくなりますね。

困ったことに、ドリンクとのペアリングをさせる隙がないくらい1枚で楽しみ方が成立しています。あえておすすめのペアリング例を挙げるなら、爽やかな風味のカモミールやミントウォーター。合わせると新しい味覚の変化が起こりますよ」

5. インパクトのある香りがたまらない。チョコレートナイーブ『BBQスパイス』

「バルト三国リトアニアのチョコレートブランド『Chocolate Naive(チョコレートナイーブ)』は、ポルチーニ茸や蜂蜜などリトアニアで採れた食材を合わせたチョコレート作りを得意とします。

ご紹介するのは、唐辛子入りのダークチョコレート『BBQスパイス』。ほかにも数種類スパイスが入っており、風味がとても豊かなんです。ザ・スパイスチョコレートと言えるでしょう」

「美しいチョコレートの口どけとともにシナモン、クローブやバニラが香り、時間差でジワジワ唐辛子の刺激がくる変化が楽しいチョコレートです。さらに、黒にんにくを合わせたことによる野性味溢れる味わいを感じます。

ペアリングのおすすめはスモーキーな香りとバニラのような甘い香りがある『ラフロイグ サントリー』のウィスキー。複雑なおいしさに変化します。柑橘フレーバーのビールもいいですね」

チョコレートくんのチョコレートブランド『ショコラ ドゥ シマ』

チョコレートくんが運営する、チョコレートブランド『Chocolat du Cima(ショコラ ドゥ シマ)』。こだわりが詰まった商品は、日々チョコレートの可能性を追求しながら、1枚1枚丁寧に作られたものです。最後に「じつは、スパイスチョコレートも販売しているんです」と教えてくれました。

■商品名:『タブレット スパイス』
9つの農園のカカオ豆をブレンドした、味わい豊かなチョコレート『タブレット スパイス』。フラワリーな香りがある黒胡椒を合わせているそう。下記のサイトで購入可能なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

可能性が広がる!香りの組み合わせが楽しいスパイスチョコレート

チョコレート探検家が教える、魅力たっぷりなスパイスチョコレートの世界。ご紹介した商品は、どれもショコラティエがこだわり抜いた魅力溢れる逸品です。自分へのご褒美だけでなく、プチギフトにもおすすめですよ。

甘いチョコレートの味わいとスパイスの贅沢な香りに、癒されてみてはいかがでしょうか。

取材・文/内山 栞(macaroni 編集部)

※掲載商品の情報は公開時点のものです。店舗によっては取り扱いがない、または販売終了している場合もありますので、あらかじめご了承ください。