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 ジメジメと暑い日本の夏。スパイシーでエスニックな東南アジア料理が恋しい人も多いのでは? そんな方々に朗報です。2021年6月22日、東京・神田にポップで新しいアジア食堂として『感動ボブン』がオープンしました。看板商品はフランス生まれのヘルシーベトナムヌードル。一体どんな料理なのか……。早速いただいてきました!

ベトナムのブンボーをフランス流にアレンジした麺料理「ボブン」

看板メニューの「感動ボブン」990円

 ボブンとは、米麺にナンプラーやスイートチリを使ったソースを絡め、ミントやパクチーをはじめとしたフレッシュな野菜にネムと呼ばれるベトナム揚げ春巻き、甘辛く味付けした牛肉をトッピングしたフランス生まれのアジアンヌードル。

 ベトナムで親しまれている米麺に牛肉をトッピングした汁麺「ブンボー」という麺料理が発祥ですが、2017年ごろからフランスで人気を呼び、呼称も「ボブン」という形で馴染んでいったそうです。

見た目も鮮やかでSNS映えも抜群

 今回新たにオープンした『感動ボブン』では、そんなボブンをよりボリュームたっぷりでヘルシーな東京スタイルにアレンジ。看板メニューの「感動ボブン」は、スイートチリソースに東南アジアの魚醤・ナンプラー、レモン汁などを合わせた自家製エスニックソースに平打ち米麺を合わせた和え麺になっています。

 そこにレタス、キュウリ、ニンジンの生酢、ミント、パクチーなどのたっぷりの野菜と、自家製のベトナム揚げ春巻きと、炒めた玉ねぎと醤油、生姜、ナンプラーで味付けした薄切りの牛肉をトッピング。ボウルの底にエスニックソースがあるので、食べるときは全体を30秒ほど混ぜ合わせていただきましょう。

日本のサラダうどんにも近い印象。けれどエスニックな味付けだからか食欲をそそる

 平打ち麺はモチモチとしていながらも米麺だからか歯切れがよく、自家製エスニックソースもよく絡みます。牛肉は玉ねぎや醤油で味付けしているからか日本人にも親しみやすい甘辛い味付けなのですが、ナンプラーも使用されているのでほんのりエスニック。そんな牛肉のコクや旨みにハーブやレタスなどのたっぷり野菜が清涼感を添え、全体として調和の取れた料理に仕上がっています。

 米粉で肉や野菜などを包んで揚げた、ベトナム風春巻きもいいアクセントです。麺もソースも熱くない和え麺のため、暑い夏でもさっぱりといただけそうだと感じました。

卓上にはメニューと調味料のほか、セルフオーダー可能なQRコードも用意

 そのままでも十分美味しい「ボブン」ですが、お好みで卓上に用意されたシラチャーソースとフライドガーリックをトッピングするのもおすすめ。見た目は赤くて辛そうなシラチャーソースですが、唐辛子のほかに酢や砂糖、ニンニクなども入ったソースなので思ったよりも辛くありません。「ボブン」に加えることで、辛味のほか甘さや酸味もプラスされ、より食べ応えのあるエスニック麺料理としていただけます。フライドガーリックのサクサクとした食感、香ばしさや旨みも加えて味変しつつ、食べ進めましょう。

「キーマカレーボブン」など日本流にアレンジしたメニューも

「キーマカレーボブン」1190円

 同店では看板メニューの「感動ボブン」のほか、明太子とマヨネーズをバランスよく和えた「和風明太ボブン」や、キーマカレーをトッピングした「キーマカレーボブン」など、ベトナムにもフランスにもない同店ならではのアレンジメニューも存在します。

 ベースのソースや具材は「感動ボブン」と同様の「キーマカレーボブン」ですが、牛肉の代わりに長時間煮込んだ自家製のキーマカレーに、粉チーズを振りかけています。クミンなどのスパイスも効いていて本格的なキーマカレーは、甘酸っぱくてスパイシーな自家製エスニックソースともよくなじみ、意外にもお互いの個性が生きた味わいに仕上がっています。

南国風ドリンクやエスニックおつまみ、ベトナムスイーツのチェーも!

左「感動ピニャコラーダサワー」790円、右「生パイナップルサワー」690円

 同店は「ボブン」のほか、東南アジア特産の生パイナップルを丸ごと絞ったフレッシュカクテルとサワーも名物。ウォッカにココナッツミルク、ソーダに生搾りのパイナップルジュースを加え生パイナップルと傘を添えた「感動ピニャコラーダサワー」や、ジンにソーダ、生搾りのパイナップルジュースを加え、生パイナップルをトッピングした「生パイナップルサワー」など南国気分を味わえる映えドリンクが揃います。

「骨付き鶏ももスパイス揚げ」550円

 また、『感動ボブン』では「ボブン」を起点としたアジア屋台料理をコンセプトにしており、おつまみメニューも充実。やわらかく炊いた骨付き鶏もも肉に、クミンやコリアンダーなど数種類のスパイスを使った衣でこんがり揚げた「骨付き鶏ももスパイス揚げ」など、お酒が進む料理が目白押しです。

「感動チェー」650円

 ベトナムの国民的スイーツであるチェーもオリジナルスタイルで提供。ちなみにチェーとは、ベトナムで愛されるデザートで、甘く煮た緑豆や小豆、芋などとバナナなどのフルーツや寒天などの具材に、ココナッツシロップをかけ、夏は砕いた氷をかけ、冬は温かくして食べるベトナムスイーツです。

 そんなチェーを『感動ボブン』ではレイヤーを重ねることでパフェのように仕立てたスイーツにアレンジ。抹茶・小豆・栗を入れた「感動チェー」(650円)、マンゴーの「南国チェ―」(650円)、珈琲ゼリー・練乳の「珈琲チェ―」(650円)の3種類を展開しています。

アジア食堂風のフォトジェニックな店舗デザインやロゴも魅力

 店内のデザイン・ロゴデザインは『大衆食堂スタンドそのだ』『台風飯店』(大阪)をはじめとした話題のネオ酒場を展開している株式会社FERの園田崇匡氏がプロデュース。店内はベトナムやタイ、台湾のローカルな食堂のイメージに、新しい酒場の要素をプラスしています。

 ロゴマークは雑誌表紙や商品デザイン各方面で活躍している新進気鋭のイラストレーター松原光氏がデザイン。ベトナムの地図、パリ20区をバラの花に見立てた、ポップでアイコニックなデザインになっています。

 また、卓上のQRコードをスマホで読み取り、メニュー画面からスマホでメニューオーダーができるほか、支払いも完全キャッシュレス(クレジットカード各種・PayPay・交通系ICカード)。テイクアウトのほか、デリバリーサービスも行っているので、仕事中のランチタイムなどでも気軽に利用できそうです。

 ランチやちょい飲み、一人飲みや飲み会、一人ごはんなどさまざまな用途で活躍しそうな『感動ボブン』。食べたことがありそうでなかった、新感覚のエスニック麺料理の世界を体感してみてはいかがでしょうか?

(取材・文◎中森りほ)

●SHOP INFO

店名:感動ボブン

住:東京都千代田区内神田3-14-8ニシザワビル B1 F
TEL:03-6260-7260
営:11:30~14:30、16:00~23:00(休憩~)
休:なし