働き方改革が推進されている今日この頃。コロナの影響でテレワークをする人も増え、ママの“働く姿”にも色々と変化が起きているようです。


ママが働くためにの課題とは?(※画像はイメージです)

そこで、3月末にESSEレポーター293名に、「仕事復帰に関するアンケート」を実施しました。また、出産後の仕事復帰で遭遇しがちな悩みについて、「ポピンズシッター」代表取締役であり、自身も一児の母である丸山祐子さんに対処法を聞いてみました!

復帰された方が直面する悩みやアドバイスなど、職場復帰を考えてらっしゃる方は体験談をぜひ参考にしてみてください。ひとりで抱え込まないことも大事ですよ。

実際、どのくらいの人が仕事復帰してるの?





アンケートを実施した結果、6割近くが職場復帰をしたことがありました。

では、実際に働いてみるとどんな悩みがあるのでしょうか? 復帰した経験がある170名に詳しく聞いてみました。

●一番の課題は、「時間」との付き合い方


「復帰するにあたって悩んだこと」として、一番多かったのはズバリ「時間のやりくり」。

「今まで育児に割いていた時間を、仕事、通勤にも使うことになるので、家族との時間を大切にしながらどのように時間を使うかが課題です」(佐賀県・公務員・33歳)

とにかく時間がない、時間の配分をどうするべきか悩んでいる。といった回答が多く、家事との両立の時間について心配されている方がたくさんいらっしゃいました。

なかには、
「時間の融通が効くパートor金銭的に余裕が出る正社員。どちらの方向でいくか悩んだ」(京都府・会社員(正社員)・37歳)

「子どもの育児をしながらの就活が大変だった。履歴書を書いたり、証明写真を撮りに行ったりする時間をつくるのが大変だった」(山形県・専業主婦・36歳)

というように、仕事復帰する前の「選択」や「やりくり」も大変だったという声も。仕事に復帰すると決めたあとも、仕事についたあとも悩みはつきませんね…。

●育児は時間との闘い!ときには「諦める」ことも肝心



そこで、これまで数多くの働くお母さんたちと向き合ってきたポピンズシッターを運営する丸山祐子さんに、育児中に時間をやりくりするコツを伺いました。まず、丸山さんが提案するのは、「“完璧”を求めない」ということです。


育児と仕事で常に時間に追われている…(※画像はイメージです)

「出産後、以前と同じように家事も仕事も完璧にこなそうと思うと、どうしても時間は足りなくなります。もちろん、なかにはすべてを完璧にこなせる方もいらっしゃるとは思うのですが、『疲れたな』『ちょっとつらいな』と思ったときには、頑張りすぎず、諦める要素を残しておくことも肝心です。たとえば、洗濯物にしても、たたむ時間がないなら、いっそのこと『たたまない!』と決めてしまう。食事にしても、自分でつくらず自動調理器や家事代行に任せてしまってもいい。掃除も、掃除機をかけずにお掃除ロボットなどで済ませてしまうなど、自分でやらなくてもいい部分は諦めてもいいと思います」

これまで完璧に家事をこなしてきた人ほど、以前と同じようにできないことには罪悪感を抱いてしまうかもしれません。でも、何かを諦めることで捻出した時間を、子育てや仕事など優先順位の高いものに費やすのも、ひとつの選択ではないでしょうか。

●便利グッズやサービスは、フル活用しよう



そして、忙しい育児中に時間を捻出するために強い味方となるのが、「便利グッズや家庭向けサービス」です。丸山さんいわく、自分の時間をつくるために、便利グッズや育児サービスを活用するお母さんたちは非常に多いのだとか。

「たとえば、ボタンを押すと歌が流れる歌の絵本など、お子さんの興味が続いて、ひとりでも長い時間遊べるものがあります。食後の掃除が楽になるシリコン製のお食事マットなども、時短アイテムとして人気ですね。また、育児サービスとしては、我々のようなベビーシッターをはじめ、お弁当づくりの家事代行や地域の子育てサポートなどを利用して、自分の時間を確保されるという方もいらっしゃいますね」

●働いたことで、「収入」と「時間」が増えた!


復職は、まさに時間との闘い。ただ、大変さもありつつも、復職したことで「よかった」と感じる瞬間も多いようです。


働くことで、いくつかの余裕が…(※画像はイメージです)

アンケートを見てみると、一番多かったのは、「収入が増えた」という回答でした。

「自分に投資できるお金が増えたのがうれしかったです。あとは子ども達にも買ってあげる時にあまり悩まず買ってあげられたことや、色々な所に連れて行ってあげれたことがうれしかったです」(千葉県・専業主婦・35歳)

という声と同じく、共働きをすることによって、経済的に楽になったという意見は多数。

また、職場復帰のうえでは不安要素でもあった「時間」に対しても
「ママだけではなく、自分という時間も持てた」(大阪府・派遣社員・40歳)

「子どもと離れることで子どもに対するイライラが減って帰ってからの子どもとの時間が特別なものになった」(千葉県・会社員(正社員)・30歳)

このように、仕事とはいえど、育児時間からは離れた「自分の時間」を持てたことが良かったと回答した方も多く、“自分の時間”や“家族との時間”のありがたさに気付いたという方も多いようです。

さらに、なかには育児と仕事を両立させたことで、

「自分がちょっと誇らしく思えた」(東京都・専業主婦・45歳)

など、自分に対してもプラスになったと答えた方もいらっしゃいました。働くことによって、新たな気付きや自信が生まれることも大切ですよね。

●収入は増えたものの「家族との時間が取れない」という悩みもあり



しかし、職場復帰をするうえでは、プラスなことだけではありません。ときには、仕事によって子どもとの時間が奪われてしまい、つらい思いをしていると言う人も少なくないようです。


職場復帰によって大変なことも(※画像はイメージです)

「時間の余裕がなく、子どもにも寂しい思いをさせてしまった」(東京都・公務員・47歳)

「子どもが寂しそうにしているとき、泣いているとき、そこまでして仕事する必要ある? と思う」(京都府・会社員(正社員)・39歳)

仕事によって得られる収入も大切ですが、家族とすごす時間を犠牲にしていいのかと不安に感じるのは当然のこと。これに対して、丸山さんはこうアドバイスします。

「大切なのは、『育児の時間』や『仕事の時間』と、時間にメリハリをつけることだと思います。不思議なことですが、お子さんとお母さんの状況はよく連鎖するものです。たとえば、お母さんがイライラするとお子さんもイライラするし、お母さんが体調を崩すと子どもも病気になることもよくあります。こうした状況に陥らないためにも、『この時間は子どもとすごす時間!』と決めたなら、その時間は仕事のことは考えずに、100%子どもと向き合い、イライラや不安はできるだけ表に出さないようすると、家庭と仕事のバランスがうまく取れるように思います」

【「時間」のとらえ方でプラスにもマイナスにもなる】


職場復帰をするにあたり、「時間」という課題はどうしてもでてくるもの。しかし、便利グッズやサービスを活用することで、少し負担が減るかもしれません。大切なのは自分に完璧を求めすぎず、できる範囲で取り組むことのようです。

<取材・文/藤村はるな>