50代からのすっきり玄関のつくり方。まずは靴箱の中身の“全出し”を
家の入り口である玄関。なるべくごちゃつかずにすっきりとさせたいものですが、住む年数が長くなればなるほど、余計なものが占拠していたり、靴があふれていたりしがちな場所でもあります。
そこで、自身もアラフィフ世代で整理収納アドバイザーの小林志保さんに、50代から見直したい、玄関のあり方と靴箱をすっきりさせる方法を教えてもらいました。
すっきりと心地よい玄関
玄関はすっきりしておいた方がいい、と思いつつも、年齢を重ねてくると、人によっては物置化し、本来の広さよりも狭くなってしまっている場合も少なくありません。
今回は、玄関をすっきりと保つコツや、靴の数を無理なく厳選する方法、取り出しやすくしまいやすい靴の収納方法について、元・片づけられない人間である私の体験談とともにご紹介したいと思います。
すっきりとした玄関にするにはまずは、余計なものは置かないことをおすすめします。コロナ禍で来客が少ないとはいえ、宅配便やご近所さんなど玄関まで人が入ることはありますし、毎日使う自分自身や家族にとっても、ドアを開けた瞬間サアッと風の音が聞こえそうな玄関の方が気持ちよく感じるのではないでしょうか。
わが家では、玄関マットは敷かず、買い物などの荷物も置いたままにしないなどを常に意識をして風通しのよい玄関を目指しています。
外から帰ってきたときに脱いだ靴を靴箱へ入れることができれば、常になにもない状態の理想の玄関になるはず。だけど実際には、自分はできても家族ができないという場合も。そんなときは、せめて出しっぱなしにする靴は1人1足までとします。
それ以上の数をしまうことができない場合は、靴箱に入るスペースがなかったり、しまうのが面倒、などの理由が見えてきます。
・靴の量が多すぎる
・靴箱が「出しやすく戻しやすい」仕組みになっていない
どちらかに当てはまるようであれば、ぜひ靴箱の中を見直し、仕組みを変えることをおすすめします。
具体的な片づけ方法は、まず片づけの基本でもある「全部出す」ことから始めます。全部出すことで、靴の状態もわかりますし、靴の取捨選択や収納の改善もしやすくなります。
靴箱の中や下の隙間などにあるものをすべて出し、ひとつひとつの靴と対話するようにチェックしてみてください。購入したときや、その靴を履いて出かけたときのシチュエーションが思い出せなければ、手放しどきの合図かもしれません。
人の好みには偏りがあるので、意識せずに購入すると同じような靴を買ってしまうことがあります。
似たような色・形の靴が複数あれば、その中から厳選し、何年も履いていないもの、劣化しているもの、今の暮らしに合わないものなど、数点だけでも減らしてみます。自分の買い物のくせを知ると、次に購入するときに「そういえば同じような靴を持っていたな」と衝動買いの軽減にもなります。
しまっていた靴の中にありがちなのが「たまにしか履かないけど必要だから何年も持っている靴」です。例えば冠婚葬祭用のパンプスなど。じつはこれが要注意。
私自身の体験ですが、親戚一同が集まる行事の際に、2年ほど新品同様で保管していたパンプスを履いて出かけました。ところが式の途中で靴底に違和感があり、気づけばペロンと靴底が剥がれてしまったのです。
靴はきちんと管理や手入れをして保管しないと、置いておくだけでも劣化します。
置いているだけで寿命が減るのはもったいないので、どんどん履いて出かけましょう。履かない靴を何足も大事に抱えている場合も、靴の劣化を知ることで「そろそろ手放そうかな?」と考えるきっかけになると思います。
・思い出の靴
劣化していてもなかなか手放せない靴もあります。それは、思い出の靴。
私の場合は、独身の頃によく履いていたショートブーツでした。社会人になって初めて自分で稼いだお金で購入したもので、数年間はメンテナンスをお願いしながら履いていましたが、結婚後20年間、ほとんど履く機会がなく、目に見えて傷んでいるものの手放せずに置いたままになっていました。
ですが、靴箱から出してきちんと向き合ってみると、気持ちに区切りをつけて手放すことができました。今手放せなくても、数年間もの時間が経てば、手放す気持ちに切り替わる場合もあるので、ときどき、全出ししてチェックするとよいですね。
・気に入って買ったのに履いていない靴
このスニーカーはネットで見て、「かわいい! これ欲しい」と、私が突発的に購入してしまったもの。見た目が大好きでお気に入り。だけどこのスニーカーを履いて出かけた記憶がほとんどないのです。そんなときは履かない理由を明確にしてみます。
例えば、
・脱ぎ履きがしにくい
・足首が痛くなってしまう
・持ってる洋服と合わない
など。
いつか履こうと思いながら、結局は何年も出番がないこのスニーカーとの思い出はほとんどなく、ただ見た目が好きなだけでした。ほかにも、スタイルをよく見せたくて足のつらさを我慢して履いていたヒールの高い靴も手放しました。50歳を目前にした今、我慢や無理をすること自体も手放そうと考えたからです。
「なぜ履かなかったのか?」その理由が分れば手放すことは簡単です。「私は今後も履かない」そう思えた靴は手放していきましょう。
靴の数を減らしたら、次は収納。数が減っていれば靴箱への収納は簡単です。しまうコツをポイントごとにご紹介します。
靴を靴箱にしまう前にチェックしたいのが、棚板の高さ。
棚板の高さが変更できる靴箱は意外と多いのですが、気づいていない場合もあるので見てみてください。
出し入れしやすい靴箱のポイントとしては
・よく履く靴が取り出しやすい場所にある
・家族がいる場合は、上から身長順など取り出しやすさで棚を振り分ける
ことです。
夫婦2人で夫の方が身長が高い場合は、1段目に夫のよく履く靴、2段目に妻のよく履く靴を入れ、よく開ける扉の方に頻度の高い靴を置きます。その下の段は、身長と頻度順でしまいます。
その際、棚板の高さを靴の高さに合わせて変えると、無駄なスペースがなくなり、収納量もアップします。
オフシーズンの靴や、やっぱり今はどうしても手放せない靴は、シューズケースに入れて保管します。このとき、段ボールなどでまとめて入れてしまうと、使う際に取り出しにくく、形崩れや湿気も気になるので、専用ケースに入れて収納することをおすすめします。
シューズケースにしまった靴は、靴箱の上部に余裕があればそちらに収納し、余裕がなければクローゼットか納戸などに移動しておきます。しまう場所を変えるのも「整理」の1つです。
シューズケースは中身が見える半透明くらいのもを使用し、中身がわかるようにラベルをはるとわかりやすいです。靴箱以外の場所に移した場合、靴そのものを忘れないように「見える」収納にしておくことが大事になります。
靴箱の中を整理し、靴がきちんと収まるようにすれば玄関も自然と片づきます。すっきりとした玄関ができ上がれば、観葉植物や香りものを置いたり、風水学を取り入れたりするのもいいですね。心地よい暮らしづくりの参考にしてみてください。
●教えてくれた人
整理収納アドバイザー。夫、長男、長女、義母と暮らす(義母とは同居14年目)。元散らかりハウスの住人。ものに囲まれものに振り回される暮らしを改善すべく、整理収納を勉強し資格を取得。主婦の目線を生かして、家族が笑顔になるような片づけ術を片づけ大ポートや講座をとおして提案している。ホームページ『slowly walk
』、インスタグラム(@shiho.slowly
)にて、片づけ情報を発信中
そこで、自身もアラフィフ世代で整理収納アドバイザーの小林志保さんに、50代から見直したい、玄関のあり方と靴箱をすっきりさせる方法を教えてもらいました。
すっきりと心地よい玄関
余計なものがなく、すっきりと心地よい玄関のつくり方
今回は、玄関をすっきりと保つコツや、靴の数を無理なく厳選する方法、取り出しやすくしまいやすい靴の収納方法について、元・片づけられない人間である私の体験談とともにご紹介したいと思います。
●玄関に余計なものは置かない
すっきりとした玄関にするにはまずは、余計なものは置かないことをおすすめします。コロナ禍で来客が少ないとはいえ、宅配便やご近所さんなど玄関まで人が入ることはありますし、毎日使う自分自身や家族にとっても、ドアを開けた瞬間サアッと風の音が聞こえそうな玄関の方が気持ちよく感じるのではないでしょうか。
わが家では、玄関マットは敷かず、買い物などの荷物も置いたままにしないなどを常に意識をして風通しのよい玄関を目指しています。
●玄関に靴が出しっぱなしの理由を考える
外から帰ってきたときに脱いだ靴を靴箱へ入れることができれば、常になにもない状態の理想の玄関になるはず。だけど実際には、自分はできても家族ができないという場合も。そんなときは、せめて出しっぱなしにする靴は1人1足までとします。
それ以上の数をしまうことができない場合は、靴箱に入るスペースがなかったり、しまうのが面倒、などの理由が見えてきます。
・靴の量が多すぎる
・靴箱が「出しやすく戻しやすい」仕組みになっていない
どちらかに当てはまるようであれば、ぜひ靴箱の中を見直し、仕組みを変えることをおすすめします。
玄関・靴箱の片づけは「全部出す」が成功のコツ
具体的な片づけ方法は、まず片づけの基本でもある「全部出す」ことから始めます。全部出すことで、靴の状態もわかりますし、靴の取捨選択や収納の改善もしやすくなります。
靴箱の中や下の隙間などにあるものをすべて出し、ひとつひとつの靴と対話するようにチェックしてみてください。購入したときや、その靴を履いて出かけたときのシチュエーションが思い出せなければ、手放しどきの合図かもしれません。
●同じような形、色の靴が複数ある場合は厳選して
人の好みには偏りがあるので、意識せずに購入すると同じような靴を買ってしまうことがあります。
似たような色・形の靴が複数あれば、その中から厳選し、何年も履いていないもの、劣化しているもの、今の暮らしに合わないものなど、数点だけでも減らしてみます。自分の買い物のくせを知ると、次に購入するときに「そういえば同じような靴を持っていたな」と衝動買いの軽減にもなります。
●何年も履いていない靴に要注意
しまっていた靴の中にありがちなのが「たまにしか履かないけど必要だから何年も持っている靴」です。例えば冠婚葬祭用のパンプスなど。じつはこれが要注意。
私自身の体験ですが、親戚一同が集まる行事の際に、2年ほど新品同様で保管していたパンプスを履いて出かけました。ところが式の途中で靴底に違和感があり、気づけばペロンと靴底が剥がれてしまったのです。
靴はきちんと管理や手入れをして保管しないと、置いておくだけでも劣化します。
置いているだけで寿命が減るのはもったいないので、どんどん履いて出かけましょう。履かない靴を何足も大事に抱えている場合も、靴の劣化を知ることで「そろそろ手放そうかな?」と考えるきっかけになると思います。
●それでもどうしても手放せなかった靴との向き合い方
・思い出の靴
劣化していてもなかなか手放せない靴もあります。それは、思い出の靴。
私の場合は、独身の頃によく履いていたショートブーツでした。社会人になって初めて自分で稼いだお金で購入したもので、数年間はメンテナンスをお願いしながら履いていましたが、結婚後20年間、ほとんど履く機会がなく、目に見えて傷んでいるものの手放せずに置いたままになっていました。
ですが、靴箱から出してきちんと向き合ってみると、気持ちに区切りをつけて手放すことができました。今手放せなくても、数年間もの時間が経てば、手放す気持ちに切り替わる場合もあるので、ときどき、全出ししてチェックするとよいですね。
・気に入って買ったのに履いていない靴
このスニーカーはネットで見て、「かわいい! これ欲しい」と、私が突発的に購入してしまったもの。見た目が大好きでお気に入り。だけどこのスニーカーを履いて出かけた記憶がほとんどないのです。そんなときは履かない理由を明確にしてみます。
例えば、
・脱ぎ履きがしにくい
・足首が痛くなってしまう
・持ってる洋服と合わない
など。
いつか履こうと思いながら、結局は何年も出番がないこのスニーカーとの思い出はほとんどなく、ただ見た目が好きなだけでした。ほかにも、スタイルをよく見せたくて足のつらさを我慢して履いていたヒールの高い靴も手放しました。50歳を目前にした今、我慢や無理をすること自体も手放そうと考えたからです。
「なぜ履かなかったのか?」その理由が分れば手放すことは簡単です。「私は今後も履かない」そう思えた靴は手放していきましょう。
靴箱の収納は高さを意識すると使いやすく
靴の数を減らしたら、次は収納。数が減っていれば靴箱への収納は簡単です。しまうコツをポイントごとにご紹介します。
●棚板の高さを変える
靴を靴箱にしまう前にチェックしたいのが、棚板の高さ。
棚板の高さが変更できる靴箱は意外と多いのですが、気づいていない場合もあるので見てみてください。
出し入れしやすい靴箱のポイントとしては
・よく履く靴が取り出しやすい場所にある
・家族がいる場合は、上から身長順など取り出しやすさで棚を振り分ける
ことです。
夫婦2人で夫の方が身長が高い場合は、1段目に夫のよく履く靴、2段目に妻のよく履く靴を入れ、よく開ける扉の方に頻度の高い靴を置きます。その下の段は、身長と頻度順でしまいます。
その際、棚板の高さを靴の高さに合わせて変えると、無駄なスペースがなくなり、収納量もアップします。
●オフシーズンや履く予定の無い靴は、箱の管理で別の場所に移動
オフシーズンの靴や、やっぱり今はどうしても手放せない靴は、シューズケースに入れて保管します。このとき、段ボールなどでまとめて入れてしまうと、使う際に取り出しにくく、形崩れや湿気も気になるので、専用ケースに入れて収納することをおすすめします。
●靴箱の収納力が低ければ、別の場所への移動も一手
シューズケースにしまった靴は、靴箱の上部に余裕があればそちらに収納し、余裕がなければクローゼットか納戸などに移動しておきます。しまう場所を変えるのも「整理」の1つです。
シューズケースは中身が見える半透明くらいのもを使用し、中身がわかるようにラベルをはるとわかりやすいです。靴箱以外の場所に移した場合、靴そのものを忘れないように「見える」収納にしておくことが大事になります。
靴箱の中を整理し、靴がきちんと収まるようにすれば玄関も自然と片づきます。すっきりとした玄関ができ上がれば、観葉植物や香りものを置いたり、風水学を取り入れたりするのもいいですね。心地よい暮らしづくりの参考にしてみてください。
●教えてくれた人
【小林志保さん】
整理収納アドバイザー。夫、長男、長女、義母と暮らす(義母とは同居14年目)。元散らかりハウスの住人。ものに囲まれものに振り回される暮らしを改善すべく、整理収納を勉強し資格を取得。主婦の目線を生かして、家族が笑顔になるような片づけ術を片づけ大ポートや講座をとおして提案している。ホームページ『slowly walk
』、インスタグラム(@shiho.slowly
)にて、片づけ情報を発信中