おうち飲みに!今飲むべきクラフトビールを目利きのプロが厳選

今飲みたい!プロが推すクラフトビール

クラフトビール(Craft Beer)は、小さな醸造所で職人が丁寧に高品質なビール造りをしているという特徴から “手工芸品(Craft)” に例えられ、その名がつけられました。おいしさにハマり、クラフトビールをおうちで気軽に楽しむ人が増えているそうです。

本記事では、1,400ほどのクラフトビールを扱うサブスクサービス「Otomoni(オトモニ)」の代表、金澤俊昌さんに聞いたおすすめの銘柄・商品を5つご紹介します。

目利きのプロならではの視点で、味わいの特徴からおすすめのおつまみまで教えていただきました!

クラフトビールの需要が増加。その魅力とは?

年々クラフトビールの認知度や需要が高まっていると金澤さんは言います。商品をご紹介するまえに、最近のクラフトビール事情や魅力についてお聞きしました。

「オクトーバーフェスやビアフェスなどのイベントで徐々に知られ、その後『よなよなエール』をローソンが販売したことから、クラフトビールの認知度が上がったと思います。

あとは、おうち時間が増えたことやSNSの影響もありますね。クラフトビールの投稿によく使われる “ビアスタグラム” のハッシュタグ数は累計で30万ほど。2020年から2021年にかけて1.8倍も増えているんですよ」

季節問わず楽しめるのも魅力

「期間限定の商品もありますが、通年流通しているものも豊富。クラフトビールは季節問わずいろいろなフレーバーを楽しめるのが魅力でもあるんです。

フレーバーを楽しむといった意味ではワインに近い部分もありますね。喉越しを楽しむ今までのビールとは違う、新しいジャンルだと捉えたほうがしっくりくると思います」

では、今飲むならどんな銘柄・商品がおすすめなのでしょうか。ここからはおすすめのクラフトビールと、相性の良いおつまみについて金澤さんに教えていただきます!

1. 注目の人気ビール。オクタゴンブリューイング『ブレイクアウェイIPA』

「静岡県浜松市のブリューパブ OctagonBrewing(オクタゴンブリューイング)で作られた『ブレイクアウェイIPA』。2020年にオトモニでおこなったレビューランキングで1位に輝きました。

“何杯でも飲めるIPA” というのがコンセプトで、ホップ感と苦みがしっかりとありつつも、強すぎず、口当たりは非常にすっきりと飲みやすくなっています。定番で人気のホップを使用しており、複雑かつ奥深くてフルーティー。フルーツジュースを飲んだかのような余韻が楽しめます」

おすすめの飲み方・おつまみ

「冷蔵庫から少し出しておき、12~14℃くらいで飲むとホップの香りを存分に感じられます。

休日のおやつにハーブ系のソーセージと合わせて庭やベランダなど、外で飲んでみるのはいかがでしょうか。ソーセージの油をスッと流してくれるだけでなく、香り豊かなペアリングが楽しめますよ」

2. 春夏限定で販売。サンクトガーレン『湘南ゴールド』

「メーカーのsanktgallen(サンクトガーレン)は、個性的なビールを仕掛ける神奈川県厚木市の地ビール蔵。さまざまなフレーバーのクラフトビールを取り扱っています。

『湘南ゴールド』はその名の通り、湘南ゴールドというオレンジを丸ごと使用。香水のような華やかな香りが特徴で入手困難のフルーツのため、春夏限定販売なんです。

炭酸のあとに、やわらかい柑橘の香りと麦の甘みが現れます。湘南ゴールドの果実感と、麦の芳醇な甘さの一体感が素晴らしいビールです」

おすすめの飲み方・おつまみ

「冷やした状態でゆっくり飲みながら、温度と共に変わる香りや甘さの変化を感じてみてください。

おつまみには、オレンジの果実感と相性の良い、キャロットラペやカルパッチョのようなさっぱりとした味わいものが合いますよ」

3. 夏の暑い日に飲みたくなる。ベアードブルーイング『アジアンビューティーびわラガー』

「静岡県沼津市で家族経営をするベアードブルーイングは伝統、新しい発想、個性を大切にするブルワリーです。

ご紹介する『アジアンビューティーびわラガー』は、びわを使用したフルーツラガーで、ほんのりと甘酸っぱく、非常に爽やかな味わい。びわの甘さと酸味が絶妙に調和する繊細さを存分に活かし、はにかむようなフルーティーさが楽しめます。夏に飲むたくなるクラフトビールです」

おすすめの飲み方・おつまみ

「しっかりと冷やして、夏の暑い日に飲んでみてください。暑さも和らぐ爽やかさを堪能できますよ。フレッシュサラダと合わせれば、さっぱりとしながらもびわの風味をダイレクトに感じられます」

4. 女性からの支持率が高い。新潟麦酒『スパークリングマンゴー』

「ビールのイメージを大きく裏切る、こちらの1本。マンゴーの王様と呼ばれるインド産アルフォンソマンゴーを贅沢に使用しており、ジュース感覚で飲めるクラフトビールです。

メーカーの新潟麦酒は、ビン内でビールを熟成させる “ビン内発酵製法” というやり方で醸造をおこなっています。そのため、ワイン同様に日がたつほどに味が変化。育てながら飲むことができます。ワインやシャンパンが好きな女性からとても人気のある商品です」

おすすめの飲み方・おつまみ

「初めての方はまずは普通に飲んでみてください。次飲むときは、日をちょっと置いてから飲んで、味の変化を感じてみてくださいね。

フルーツやアイスクリームなど、デザートと一緒に食後酒として楽しんでみてはいかがでしょうか」

5. 目を引く個性的なパッケージ。京都醸造『毬男(Mario)』

「イギリス、カナダ、アメリカ生まれの男性3人が2015年に立ち上げた京都醸造。“ベルギー+アメリカスタイル” のビールに特化したブルワリーです。デザイン性の高い個性的なパッケージも人気のひとつ。

『毬男(Mario)』はフルーティーさを特徴とする、ベルジャン酵母の味わいが強く、柑橘とスパイスのようなフレーバーが魅力です。

洗練された繊細な味わいのビールもいいですが、大量のホップを使用するウェストコーストスタイルの要素を活かしたベルジャンIPAも根強い人気があります」

おすすめの飲み方・おつまみ

「しっかりと冷やして、夕食と一緒にいただくのはどうでしょう。おつまみには、毬男の特徴的な苦みに負けないような、味のしっかりした赤身肉や、醤油ベースの和食とのペアリングがおすすめ。ホップの苦味をよりおいしく引き立ててくれますよ」

クラフトビールのサブスクサービス「Otomoni(オトモニ)」

金澤さんが運営する「Otomoni(オトモニ)」は、クラフトビールが定期的に届くサブスクサービスです。

好きなビアスタイルのビールと、飲んだことがないクラフトビールを組み合わせてくれるので、毎回違うラインアップが届きます。1本は必ず新作が入っており、地域や期間、数量限定といったビールに出会えることも。

配送スキップや追加注文、キープ機能などがあり、頻度もパーソナルライズが可能。好みのビールについては会員制アプリのレビューで徐々に最適化されていきます。

本記事でご紹介した商品も在庫があればお届け可能だそう。おうち時間に活用して、推しの1本を見つけてみてはいかがでしょうか。

日常を彩るクラフトビール

金澤さんがオトモニを始めたのは、奥様とコミュニケーションを取るために晩酌する時間を作ったのがきっかけ。かわいいラベルのお酒と、おつまみを用意して晩酌を楽しむのが至福の時間になったそうです。

「これはチーズに合いそう」「パッケージはかわいいのに味はかわいくない!(笑)」なんて考えながらいただくと楽しそうですよね。豪華な食事を作ったときはもちろん、ちょっとしたおつまみでもクラフトビールと合わせれば、おうちがバーやレストラン風に様変わりしますよ。

取材・文/山下 シオン