作り置きでも活躍!パパッと本格的な「イワシとじゃがいものマリネ」【楽々おうちビストロ術 #1】

教えてくれた人

幡ヶ谷「bistrot semaille(ビストロスマイユ)」/石谷有吾シェフ
幼い頃から料理が好きで、高校卒業後は地元京都の洋食店へ。当時の師匠がフレンチ出身だったことから、さまざまなフレンチの基礎を学ぶ。その後、銀座の名フレンチ「サラマンジェ ド イザシ ワキサカ」で修業を積み独立、ビストロスマイユをオープン。

「僕が作りたいのは、誰もが親しみやすい料理。フランスでおばあちゃんが作ってくれるような温かみがあって、お皿を囲む人たちがワイワイ楽しめる、それがビストロ料理なんです。今回は、身近な食材を使った本格的、かつ手軽なレシピを選びました」

覚えておきたい!定番の前菜「イワシとじゃがいものマリネ」レシピ

「イワシとじゃがいものマリネ」は、ヨーロッパでポピュラーな料理。フレンチビストロでも定番メニューとして親しまれています。

「以前働いていた、フランス・リヨン地方の料理をメインに提供する『サラマンジェ』で教わりました。内陸部にあるリヨン地方は魚があまり入ってこないので、ニシンを保存性の高い酢漬けにしてよく食べているんです。今回は、日本で身近なイワシで代用してみました」

材料(2人前)

・イワシ……2匹
・ジャガイモ……1個
・ニンニク……1かけ
・赤タマネギ(レッドオニオン、紫玉ねぎともいう)……盛り付け用として適量
・白ワインヴィネガー……50cc(なければ普通のお酢でも可。ただし、白ワインのほうがスッキリしておいしくなる)
・サラダ油……50cc(なければお好みの油でも可。香りが強くないものがおすすめ)
・塩、こしょう……適量
・ヴィネグレットドレッシング……適量(以下の材料を混ぜ合わせたもの。1週間ほど保存可)

<ヴィネグレットドレッシング>
・マスタード……20g
・白ワインヴィネガー……55g(赤ワインヴィネガーもあれば白、赤と半分ずつ)
・粒マスタード……お好み
・サラダ油……100cc
・オリーブオイル……100cc
・塩……5g

作り方(10ステップ)

1. イワシを並べて、塩を多めに振って寝かせる

イワシの余分な水分と血を抜いて、うまみを引き出すため。最低20分以上は冷蔵庫で寝かせておきます。

2. ジャガイモをゆでて、皮をむく

沸騰したお湯にジャガイモを入れて、丸ごとゆでます(約30分)。お湯は、沸騰してボコボコと泡が出てこない程度の火加減で。強すぎると皮がむけてしまうので注意。ゆでたら皮をむいておきましょう。

「丸ごとゆでる時間がなかったら、あらかじめ小さくカットしたものをゆでるか、電子レンジを使ってもOK。ただその場合は、ゆで上がったジャガイモを軽く火にかけて、水分を飛ばしてあげてください」

3. ジャガイモをカット。ドレッシング、粒マスタードとよく混ぜる

ジャガイモを好きな大きさにカットして(ひと口大より大きめがおいしい)、ヴィネグレットドレッシングとしっかり混ぜます。ドレッシングの量は、全体に絡んでポタっと落ちるくらいがベスト。粒マスタードは、粒感が好きな人は多めで。

「ジャガイモはできるだけ熱いうちにドレッシングと混ぜておきましょう。味がなじんで、よりおいしくなります」

4. ジャガイモが常温になったら、冷蔵庫へ入れて寝かせる

作りたても良いですが、マリネのように和える料理の場合は、漬ける時間によって味が変わるので一日ほど寝かせるのがおすすめ。1時間ほどならフレッシュに、ひと晩置くとお酢が染み込んで深い味わいになります。

5. 赤タマネギ、ニンニクをカットする

赤タマネギは繊維に逆らってリング状になるようにスライスし、水にさらしておく。ニンニクは、1.5mmくらいの薄切りにしましょう。

「タマネギの代わりに、食感が良い大根を使ってもおいしくなります。ニンニクは、生のまま使うときは国産のほうが良いでしょう。中国産だと辛みが強い場合があるんです」

6. サラダ油と白ワインヴィネガーを混ぜて、マリネ液を作る

7. イワシを取り出し、サッと塩を洗い流す

冷蔵庫で寝かせたイワシの水気をキッチンペーパーでしっかり拭きとり、身の部分にサッとコショウをふります。

「ここでしっかりイワシの水気を取っておくのがポイントです。水分が残っていると仕上がりが水っぽくなり、保存も効きづらくなります」

8. イワシをマリネ液につける

イワシ→ニンニク→イワシ→ニンニクの順に重ね、しっかり浸るくらいにマリネ液を入れます。落としラップをして保存。ひと晩置いておくとなおよし。

9. イワシの皮をはいで、斜めにカットする

ひと晩寝かせたイワシの皮をはぎます。その後、身を斜めにカット。

「イワシはお酢につけると、皮がはがれやすくなります。身を包丁で押さえて、反対の手で引っ張ると簡単にはがれますよ」

10. 盛り付けて完成!

準備しておいたジャガイモ→イワシの順に重ねて盛り付け、最後に水気を切った赤タマネギとパセリを適量散らせば完成!

白ワインヴィネガーのやわらかい酸味が、イワシを包み込む!

イワシにしっかり味が染み込んで、生とは思えないほど濃厚な味わいです。白ワインヴィネガーとオイルを混ぜることで、酸味に丸みがあってまろやか。

ジャガイモのやさしさも手伝って、酸味の強いものが苦手な人でもおいしくいただけますよ。

マリネはもうひと晩寝かせてもOK。翌日の朝食でサンドイッチにしたり、葉野菜と合わせてサラダにしたり、耐熱皿に入れて焼いたりと、いろいろとアレンジしても楽しめます。

「お酒とも相性抜群。ソービニヨンブランといった、スッキリ系の白ワインと合わせるのがおすすめです」

来週11日(金)は「トマトのファルシ」を紹介!

来週は、定番野菜のトマトを丸ごと使った「トマトのファルシ」を簡単に作れるレシピをご紹介!フランスの家庭料理でボリュームもたっぷり、夏野菜のレシピバリエーションにも加えて欲しいひと皿です。

取材・文/島田みゆ
撮影/岡崎慶嗣

取材協力

店舗名:bistrot semaille(ビストロスマイユ)
公式SNS:https://www.facebook.com/bistrotsemaille/
電話番号:070-4466-3968
最寄駅:京王線幡ヶ谷駅 徒歩3分
郵便番号:151-0066
住所:東京都渋谷区西原2-28-4 宮嶋ビル 1F
市区町村:渋谷区
町域:西原2-28-4 宮嶋ビル 1F
営業時間:18:00~22:30木~日のみランチ営業あり11:30~14:30(L.O.13:30)
定休日:火曜