梅雨はおうちでレストラン体験!贅沢なお取り寄せを食のプロが厳選

教えてくれた人

フードライター・料理研究家/浅妻 千映子さん
All About お酒と楽しむレシピガイド。雑誌、オンラインで食や料理人について執筆をおこなう。『パティシエ世界一』(PHP文庫)、『江戸前「握り」』(光文社新書)といった有名シェフとの共著のほか、レシピ本の著書もある。レストランガイド『東京最高のレストラン』の選者。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート。

食のプロである浅妻さんに“おうちレストラン”をテーマとした「贅沢なお取り寄せ」を教えていただきます。普段はなかなか出会えない、プロならではの視点で厳選されたラインアップをお楽しみください。

お茶でペアリングを楽しむ。ティーカンパニー「スパークリングティー」

「ここ最近、レストランのペアリングでもお茶はブームです。中国茶を出すところが多い印象ですが、なかには極上の日本のお茶を出す店も。日本茶といっても緑茶だけに限らず、和紅茶や烏龍茶もあります。

無農薬の茶葉で、丹精込めて作られたのが The Tea Company(ティーカンパニー)のボトルドティー。実はトップレベルのレストランでも出されている、知る人ぞ知るセレクトティーなのです。

10種類ほどあり、どれも感動的なおいしさ。ご紹介するスパークリングのお茶は宮崎県で作られた和紅茶がベースとなっています」

「スパークリングティーはROSE(ローズ)とCITRUS(シトラス)の2種類です。添加物や香料は一切使用せず、ローズには国産のダマスクローズとクロモジ、ハーブをブレンド。シトラスはタンカンやユズなどの柑橘系フルーツとホーリーバジルをアクセントに使用。

食前の一杯にしてもいいですが、ベースの紅茶はしっかりボディがあります。ぜひ料理と合わせてみてください。お肉にも負けない味わいです。

豊かな香りのするローズはブルゴーニュグラスに、スッキリしたシトラスはシャンパーニュグラスに注ぐのがおすすめ。アルコールは控えたいけど何か飲みたいランチ、夜のワイン代わりにいかがでしょうか」

優雅な気分になれる魔法の瓶。キャラメリエ エス「キャラメル&薔薇シリーズ」

「2021年にできたばかりのCaramelier S(キャラメリエ エス)。キャラメルと、無農薬で国産の薔薇を使った蜂蜜・ジュレを取り扱っています。オーナーの山内さんは、そもそも甘いものが得意ではないとのこと。どの商品もこってりした甘ったるさとは無縁で、スッキリとキレがありますよ。

私のお気に入りは『キャラメル スパイスミックス』と『ばらの花びら入り蜂蜜』、『薔薇のジュレ』です。いずれも食べ方は自由自在ですが、まずはそのままひと口。

キャラメル スパイスミックスは、シナモンやカルダモンなど、複数のスパイスが融合したシャープな味がたまりません。それだけで赤ワインのお供になります。パンやケーキに添えれば、一気に高級ホテルにいる気分に」

「ばらの花びら入り蜂蜜は、一日一回瓶を逆さまにすると、薔薇のエキスが全体に行き渡っておいしくいただけます。透明感のある蜂蜜と、薔薇の高貴な香りが混ざり合った味わいに、うっとりと目を閉じたくなりますよ。ブルーチーズとの相性も最高です。

薔薇のジュレの究極の食べ方は、シャンパーニュに入れること。両方とも、瓶に入った薔薇の開花日が明記してあり、蜂蜜には、薔薇のエキスが蜂蜜にしみ渡る食べ頃の日まで書いてあります。

この上なく優雅な気分になれる魔法のひと品が、梅雨時期の鬱陶しさを吹き飛ばしてくれますよ」

手間いらずで本格的。肉焼屋 D-29「おうち焼肉セット」

「娘から『焼肉食べたい』とリクエストがあり、たまには贅沢しようとこちらをお取り寄せ。銘柄牛を中心にしたセットで、本格な割に手間もかからずおすすめと信頼する友人から教えてもらいました。

冷凍で送られてきたお肉は5種類。カットされた状態で4枚ずつがパックになっており、タレだけでなく、ネギ塩と塩もついてきます」

「肉をパックから取り出すのも楽で、解凍時に出るドリップもごく少量。本当に手軽で手間なしです。ご覧のようにお皿に並べてみたらなんだかいい感じ!気分は完全に焼肉レストラン。我が家ではホットプレートで焼くスタイルにしました。

厚さが1cm近くある分厚い牛タンに始まり、噛みごたえのあるハラミ、味の濃い肩ロースカブリ、肩ロース芯、とろりと甘いトモサンカクと、徐々に脂の多い部位へと食べ進めます。娘は分厚いタンが初めての経験で、独特の歯応えに開眼した様子。濃すぎないタレも気に入ったようです」

■購入について
販売サイトがないため、直接店舗に電話をして購入してください(03-6805-0292)。

※電話番号はお間違いないようお願いいたします。

高級店の味がレンチンで楽しめる。レンゲ「中華 フルコース」

「ここ一年で特に印象的だった食事のお取り寄せは、銀座にある高級中華料理店 Renge(レンゲ)の中華フルコースです。真空パックで送られてくる料理は、ほとんどがレンジでチンするだけという手軽さにもかかわらず、再現性が驚くほど高い。

レンゲの西岡シェフが、新宿御苑前にある上海料理店 CHEF'S(シェフス)で修行していたときからファンなのですが、当時、上海の上流階級で育ったオーナーがいて、日本ではなかなか口にすることのない料理を西岡シェフに伝授していました。そしてこのお取り寄せにもその味が入っているんです」

「例えば、馴染みのあるエビチリですが、こちらのものは上海のオールドスタイル。通常はケチャップで赤い色を出すところ、海老のミソと豆板醤だけで色を出しているんです。ちょっぴり辛いよだれ鶏の前菜からスタートし、デザートまで品数たっぷり。

レンチンなので、コース仕立ての料理が温かいうちに食べられます。余分な調味料の入らないクリアな味は、たっぷり食べても軽やか。お腹も気持ちも満たされるフルコースです」

革命的なホワイトチョコ。ショコラティエ パレ ド オール「パレドオール ブラン」

「日本のショコラ界を語る上で欠かせないショコラティエのひとりが『CHOCOLATIER PALET D'OR(ショコラティエ パレ ド オール)』の三枝シェフ。

早くからBean to Bar(ビーントゥバー)というカカオが板状のチョコレートになるまでの全過程に携わるスタイルを確立させ、品種や産地による味わいの違いを、まるでワインを味わうかのように楽しませてくれています。

そして、私にとって衝撃的だったのは、ホワイトチョコレート。今まで “プラスチックを食べているみたいで嫌い” と思っていたのに、シェフが作ったものを食べて初めて “ホワイトチョコっておいしい” と感じました」

「こだわりの自家製ホワイトチョコレートが使用された、ボンボンショコラ『パレドオール ブラン』。ホワイトチョコレートが持つ、思いのほか力強いカカオの香りとコクのある味わい、まろやかさが楽しめます。

ホワイトチョコレートの食べ比べをしたい人は、タブレット(板チョコ)タイプもおすすめ。クッキーのような香りのするもの、薫香のするものと、意外なほど味に幅があります。

お酒を贅沢に使ったガナッシュ入りショコラは、お酒好きの方におすすめ。ウイスキーや、日本酒の獺祭、シャンパーニュのドンペリなどを大胆に使ったショコラもあって、その思い切りのよさも三枝シェフならではの味わいなのです」

上品で贅沢な味わい。土佐酒造『桂月 スパークリング酒 匠』

贅沢なお取り寄せで食卓を華やかに

ご紹介したお取り寄せは、どれも浅妻さんのお気に入りで大切にしてきたもの。商品へ込められた想いや、物語まで教えていただきました。価格を見て贅沢というだけでなく、こだわりが詰まった商品だからこそ、格別で、食べたとき幸せな気分になれるんだと思います。

雨や自粛でどんよりした気持ちのときは、ぜひ本記事を参考に “おうちでレストラン体験” をしてみてください。

企画/内山 栞(macaroni 編集部)

※掲載商品の情報は公開時点のものです。店舗によっては取り扱いがない、または販売終了している場合もありますので、あらかじめご了承ください。