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 カレーは年中美味しいものですが、暑くなると無性に食べたくなるという人も少なくないでしょう。近年、「スパイス」をたっぷり使った本格派のカレーが注目されていて、北インドやタイなど、これまでポピュラーだったものに加え、南インドやカンボジア、シンガポール料理専門店のカレーも人気を呼んでいます。

 そんな日本におけるカレーのグローバル化が急加速する中、本場の「スリランカカレー」を提供する店が四ツ谷に誕生しました。その名も、スリランカカレー専門店『スパイスカレー食堂』です。

毎日食べても飽きない「スリランカカレー」の魅力とは?

 オーナーの佐々木証さんは、『珈琲新鮮館』やもつ煮込み専門店『沼田』などを経営する傍ら、スリランカに日本語技能学校を設立した実業家。『スパイスカレー食堂』は、日本で働きたいという夢を持つスリランカ人を支援し、働く場所として開業したのだそうです。

 スリランカカレーにハマったきっかけについて、「仕事で訪れた時に、朝昼晩と3食カレーを食べ続けたのです。日本のカレーだったら2~3日くらいでギブアップしそうですが、スリランカのカレーは食べ心地が軽くて、スパイスもたっぷり。特に朝から食べるカレーが1日の食事の中で最も楽しみでした」(佐々木さん)

 スリランカカレーの特徴は小麦粉を使わず、油や旨み調味料なども無添加。野菜とスパイスを主原料とするヘルシーさがウリです。レシピは、スリランカ航空の機内食などを手掛けるスリランカ人シェフが監修。スパイスは現地の人にしかわからないほど微妙な風味の違いが出るように、スリランカで販売されているものを輸入して作られています。

 ベースはたまねぎ、にんにく、しょうが、そこに炒ったスパイスを合わせ、温度に神経を払いながらテンパリングして、香りとコクを最大限に抽出。シンプルな食材で素材の旨みを最大限にいかすという点においては、和食にも似ていますよね。

副菜&スパイスたっぷりで「朝カレー」に食べたくなる! そのお味は?

 スリランカカレーには副菜がたっぷりと付きます。添えられたのは、日本のふりかけにあたる「ミツバのサンボール」とココナッツ香る「ニンジンのサンボール」、さわやかな酸味のある「紫キャベツのピクルス」、食感にアクセントを加える「パパド」の4種類。

 そこに今回注文したスリランカで最もポピュラーな「ブラックチキンカレー」とともに、2種類のカレーが盛られます。

「ブラックチキンカレー」1200円(すべて税込)

 口当たりはサラッとしていますが、スパイスの複雑さ、チキンの旨みがギュッと凝縮され、深みのある味わい。辛さは控えめですが、内側からじんわりと温まり、まるで薬膳をいただいているよう!「今すごく体に良いことしているかも」という気分になりました。

 これに加え、スパイシーな「じゃがいもとインゲンのカレー」と、ココナツミルクで作った「豆カレー」ががっちり脇を固めます。特に「豆カレー」はスリランカのお袋の味なんだろうなぁと感じさせるほど、家庭的でやさしい味わいで、思わず頬がゆるみました。

最後はぐちゃぐちゃに混ぜながら食べるのがスリランカカレーの楽しみ方

 一皿600gありますが、ご飯はそのうち150gだけ。あとはほぼ野菜で構成されているので、しっかり食べた満足感はあれど、胃袋にはやさしい食後感です。

テイクアウト用の「ベジタブルキーマカレー」1000円

 ヴィーガン対応の豆腐で作る「ベジタブルキーマカレー」も食べ応えがあり、人気のあるメニューです。ちなみにカレーは100食限定で、売り切れ次第閉店となります。朝8時から食べられるのも『スパイスカレー食堂』ならでは。夏本番に向け、“スパ活”をぜひ楽しんでみてください。

(撮影・文◎亀井亜衣子)

●SHOP DATA

店舗名:スパイスカレー食堂

住:東京都新宿区四谷2-9-15 サンサーラ四谷102
営:8:00~18:00、土日祝11:00から
※売り切れ次第閉店