那須塩原市内の養豚場で県内では初めてとなる豚熱が発生したニュースですが、およそ3万7千頭の殺処分は国内最大規模の数字です。

作業は現在も24時間体制で進められています。

17日の発生確認から、これまでの動きを改めてまとめました。

県内の養豚場では初めて豚熱を確認したという一報、県は17日夜、緊急の会見を開いて、那須塩原市内の2ヵ所で豚熱が発生したと発表しました。

同時に2つの養豚場で合わせて3万7千頭の殺処分を開始しました。

県によりますと、19日正午までに全体の18.3%にあたる6784頭の殺処分を行っています。

県内の養豚の生産状況はおよそ41万頭で全国8位です。

一方、今回のそれぞれの農場、1万5千頭と2万2千頭の処分は、2018年、岐阜県で26年ぶりに国内の豚熱が確認されて以来、最大規模となりました。

感染経路の究明はこれからですが、2つの養豚場周辺ではこれまでに死んだ野生のイノシシ11頭から豚熱ウイルスが確認されています。

また、豚熱にはワクチンが有効とされ、県内でも接種を進めてきましたが、ワクチンを接種した豚でも感染する例が複数報告されています。

そして、今回感染が確認されたのは、すべて生後60日程度の子豚でしたが、子豚は生まれてしばらくは母親からの抗体があります。

県では、抗体が切れた後、ワクチン接種まで時間的な隙間があった子豚が感染した可能性もあると示唆しています。

県養豚協会の星正美会長も同様の可能性を指摘しています。

今回、豚熱が出た養豚場が、県内では比較的規模が大きかったため、大規模農場ならではの盲点があったのではないかとして対策の強化を検討していく考えです。