AFX通信によると、 IMF(国際通貨基金)のロドリゴ・デ・ラト専務理事は24日、シンガポール経済協会主催の夕食会で講演し、「アジアは世界経済と密接に関わることで繁栄を遂げ、グローバリゼーションの最大の受益者の一つとなってきた。しかし、現在、グローバリゼーションのペースが加速する中で、新たな挑戦に直面している」と述べ、アジア各国に為替・財政政策の一段の柔軟運用を求めた。

  同専務理事は、世界の資本市場の一体化が進み、貯蓄と投資の配分がより効率的に行われるようになった一方で、予測困難な資本の流れや金融危機の広がりといったリスクも増していると指摘。

  また、同専務理事は、金融危機に対処するための第一の防御線は、適切な金融・財政政策を含む健全なマクロ経済政策の運用でなければならない、とした上で、「アジア各国は、この(マクロ経済運営)面、特に政策の枠組みを柔軟に運用するという面で、目覚しい進歩を遂げてきたが、さらに多くを成し遂げることができる。例えば、(アジア地域には)柔軟な為替制度をより十分に活用して、外的ショックを吸収する能力を向上させる必要のある国々がある」と述べた。

  アジア地域では、昨年7月、中国が人民元のドルペッグ制(固定相場制)を廃止し、複数の主要通貨からなる通貨バスケットによる為替相場運用に踏み切り、また、マレーシアも同国のリンギットのドルペッグ制を全面的に廃止している。【了】