日本各地には、その地域でしか伝わらない方言が多く存在している。

そのため、

「地元では一言で表現できるのに...」
「標準語にすると意味が変わってしまう...」

地元以外の場所で、そんなもどかしい思いをしている人も多いとか。

Jタウンネットではそんな「意味が限定的すぎる方言」または「標準語では説明できない方言」のの情報を募集している。

今回は、全国の読者から届いた投稿メールの中から、熊本県から届いた意味が限定的すぎる方言「あとぜき」を紹介する。

あとぜき......。なんだか相撲の番付を連想させる響きだがいったい、どんな意味なのだろうか。

「全国共通にすべき」

熊本県在住の30代女性から届いた投稿によれば

「あとぜきは『最後に入ってきた人はドアを閉めて下さい』と言う意味です。扉に張り紙するだけで県内の人ならドアを閉めてくれます」

とのこと。

ほかにも、福岡県在住で、熊本県の学校に通っていたと思われる40代男性からは

「学生時代、冬の製図室に『あとぜき励行』と貼ってありました。
ちなみに福岡県民ですが、福岡では通じません」

という投稿もあった。


最後の人はドアを閉める(画像はイメージ)

この、あとぜきについて調べてみたところ、ツイッターでは

「あとぜきを標準語にしたい... あんなに便利な言葉はない」
「あとぜき、熊本来たら出入口に貼ってあるよ」
「あとぜきは全国共通にすべき」
「『ドアを開けたらそのままにしないで、ちゃんと閉めましょう』を『あとぜき』の4文字にまとめた熊本弁は優秀」

と、熊本県民らしきユーザーからのコメントが散見された。

また、熊本のご当地キャラクターで、全国的にも人気があるあの「くまモン」も2013年に公式ツイッターで

「『あとぜき』とは、熊本弁で、『開けた扉は閉めましょう』という意味だモン。冷房の涼しか空気が外に逃げんごつ、扉ばぴしゃーと閉めてほしかモン!」

とつぶやいており、「あとぜき」を呼びかけるくまモンのステッカーなどのグッズも販売されている。

その上、このあとぜきは2020年12月7日の熊本日日新聞(ウェブ版)によれば、同社が読者にとったアンケートで「一番好きな熊本弁」ランキングの1位にも選ばれている。

どうやら熊本では、とにかくメジャーな言葉のようだ。

とはいえ、ドアを開けたら閉めてほしいのは、全国共通である。

ツイッターでも言われていた通り、この言葉がもっと全国的に標準語として広まれば省エネにも繋がるのかもしれない......。

あなたの地元の「意味が限定的すぎる方言」教えてください

読者投稿フォームもしくは公式ツイッターのダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、あなたの地元と、そこで使われている「意味が限定的すぎる方言」または「標準語にするのが難しい方言」、その使用例(200文字程度〜)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。