山口俊投手(写真:AP/アフロ)

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巨人が、ブルージェイズのメジャー40人枠から外れ、事実上の戦力外扱いとなった山口俊の獲得に乗り出す可能性を、複数のスポーツ紙が報じた。

山口は2019年オフに巨人から初のポスティングシステムでブルージェイズに移籍。1年目の昨季は救援要員で17試合登板、2勝4敗1ホールド、防御率8.06とふるわず、今季は先発での雪辱を期していた。

「日本に戻る可能性が最も高い」との声も

山口は現地時間18日から行われるバッテリー組のキャンプに備え、キャンプ地のフロリダ州タンパに入ったばかりだったが、メジャーのシビアな現実に向き合うこととなった。

「メジャーの他球団が山口の獲得に乗り出す可能性は低いでしょう。直球が凄く速いわけでもないし、制球がビタビタ決まるわけでもない。昨季は日本のボールと大きさや縫い目の高さが違う米国のボール、マウンドへの対応に試行錯誤していたのを差し引かなければいけないが、投球内容は決して良くない。

本人が低い条件でもマイナーからメジャー昇格を目指すなら話は違ってくるが、コロナ禍でシーズンの開催が不透明な部分もある。日本に戻る可能性が最も高いでしょう」(米国駐在の通信員)

日本球界に戻ることを視野に入れるならば、巨人に復帰が濃厚だろう。山口はポスティング申請を認めてくれた巨人に恩義を感じている。ブルージェィズに移籍後も巨人が自主トレ場所に球団の施設を用意している。良好な関係は継続しており、獲得の準備は整っている。

山口復帰で巨人投手陣は盤石になるのか

巨人は先発ローテーションが盤石とは言えない。

計算できるのは菅野智之、戸郷翔征、サンチェスぐらいか。DeNAからFA移籍した井納翔一も2ケタ勝利は一度のみ。左の先発として復活が期待される田口麗斗はキャンプ序盤に右太もも裏の張りでリタイアと首脳陣を失望させた。ドラフト1位右腕・平内龍太の評価が高いが、「球種が少なくて救援向き」という声もあり未知数だ。

山口が復帰すれば大きなプラスアルファになるだろう。19年は15勝4敗、防御率2.89の好成績で最多勝、最高勝率(.789)、最多奪三振(188)のタイトルを獲得。リーグ優勝に大きく貢献した。古巣復帰が実現すれば、菅野と並ぶエース格として期待される。

ただ、他球団のスコアラーは意外な見方をする。

「山口が巨人に戻ってくることが脅威かと言えばそうでもない。19年は活躍したけど、先発でコンスタントに活躍しているわけではない。メジャー仕様のトレーニングをしてきただろうし、日本で投げるならまた体を作り直す必要も出てくる。打ち崩すチャンスは十分にある」

メジャーでの活躍を夢見ただけに山口の胸中も複雑だろう。決断が注目される。

(2月14日12時35分追記)背番号に関する記述に誤りがあったため、修正しました。

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