在宅生活で見えてきた「本当の暮らしやすさ」。家事を最低限にするコツ
新型コロナウイルス流行の影響で、今までの暮らし方の常識が変わりつつあります。そんな状況だからこそ「がんばりすぎない」「適度に手を抜く」ことで、家族にとっての暮らしやすさを実現させるのが大事。
アドバイスをくれたのは、整理収納アドバイザー・Emiさんと漫画家・マルサイさん。ESSE本誌でも大人気の“暮らし上手”なお2人の対談をお届けします。
Emiさん(左)、マルサイさん(右)
「ストレスフリーに暮らすには、自己嫌悪に陥らない範囲内で手を抜くこと」と話すマルサイさん。一方、「家族はチーム。自分だけが負担を負う必要はないはず」とEmiさん。暮らしを楽しむために心がけたいことをうかがいました。
Emiさん:よく、雑誌の企画などで「手放してよかったものベスト3は?」なんて質問をいただくことがあるんですが、それって、じつは難しい。わが家はバスタオルを使っていないけれど、家族のなかでひとりでも「お風呂上がりにふわふわのバスタオルに包まれるのが幸せ!」と感じる人がいるなら、それはその家族にとって、切り捨ててはいけないもの。あくまで、“わが家では”の切り口で考えるのが必要。
マルサイさん:私も、雑誌を読んだりしながらいろいろ試してきたけれど、自分の暮らしに合わないものは、結局、定着しないんですよね。“インテリアを白で統一するとすっきり”というアイデアをそのまま実行したけれど、子どもに汚されてしまって、むしろ掃除する手間が増えてしまったことも…。家事ってそれぞれの家にルールがあるものだし、すべてうのみにするのではなく、いいと思ったものを上手に取り入れて暮らしたいですよね。
マルサイさん:ところで、新型コロナウイルスの影響でおうちにいる時間がぐんと増えましたよね。家事にも変化があったと思いますが、Emiさんはどうですか?
Emiさん:暮らしに直結した変化といえば…ルンバを一時的に使わなくなったことですね。
マルサイさん:え! わが家は床ふきロボットの導入に踏みきりましたよ! まったく逆ですね(笑)
Emiさん:ルンバを動かすためにイスをテーブルに上げたり、動く音が気になってしまったりと、コロナで家族みんなが家にいる状態だと、意外に不便が多かったんです。
マルサイさん:わが家では、子どもが家にいる時間が増えて、床がどんどん足裏の脂でペタペタするようになって。「3食つくって、その上床の水ふき掃除なんて絶対無理!」ということで、夫婦で話し合って床ふきロボットを導入しました。本当に、必要な家事も家電も、家族によってそれぞれですね。
Emiさん:そうなんですよね。あと、自粛期間でのうちの大きな変化は…私がゲームにハマったことかな(笑)
マルサイさん:それは私も一緒!! 子どもがあまりに夢中なので、「ほらごらん! こんなものはくだらないんだよ」とお説教するため試しにやると、見事にハマりました(笑)。でも、それが家族のいいコミュニケーションにもなったし、「今日は16時からゲームで対戦するから、それまでに宿題も仕事もすませておくこと!」なんて決めて、家族が一丸となってシャキシャキ動くきっかけになりました。
Emiさん:自粛期間は、いい意味で捉えればクールダウンできる時間だったかもしれないなあ。今まで私、ちょっと先のことを考えて、それに向かって行動を進めていくのが好きだったんですよ。でも、今回のことで「なにがどうなるかなんて、わからないんだな」と実感しました。とにかく、今の自分を、家族の時間を楽しむ。それが大切なんだと、あらためて気づけたのはいいことだったかもしれない。
マルサイさん:同感です。だらだらゲームをするなんて、外から見たらだらしないと思われるかもしれませんが、自分たちが楽しければ正しいことなんだと思う。ときにはお母さん業を休む時間だって必要ですしね。
Emiさん:暮らしのなかで大切なのは、家族のだれも無理していない状態をつくること。お母さんの負担だけ大きい、なんて時代ではもうないはずですよね。本当に必要な家事だけを、家族みんなで選んでいけばいい。
マルサイさん:明日着る服が必要だから洗濯をする。おなかがすくから料理する。それくらい意識低めでも、家族さえニコニコしているなら、問題なしですよね。そのくらいハードルを下げても、暮らしはちゃんと回っていくものなんです。
Emiさん:「こんなことすらできない私なんて…」と思うのではなく、“ムダを効率よく省いた暮らし”をしていると、プラスに考えれば心も軽くなりますよね!
バスタオルは乾かすのに時間がかかるうえ、場所もとる…ということで、Emiさん宅では、バスタオルをやめてすべてフェイスタオルを使用。「色を統一すれば、見た目もすっきり!」
夜はビールを片手に、ときどきスナック菓子を食べるのが至福の時間。
「朝起きたとき気持ちがいいように、夜寝る前には“5分リセット”をして、テーブルの上だけはきれいに」
<まとめ調理で時短&節約>
汁物は2日分まとめて調理。愛用しているのは保温鍋。「朝、10分ほど煮込んであとは放置。仕事をしている間にじんわり熱が入り、調理完了。電気代もガス代もかかりません!」
以前は、土鍋ご飯がおいしいとの情報に引かれて、土鍋炊飯をしていたというマルサイさん。「タイマーもあり、保温もしてくれる炊飯器の方が、子育て中の私には断然便利でした」
すべてを整えようとせず、見えるところが片づいていれば、あとはゆるめでOKなルールに。「メリハリが大切だと気づき、引き出しの中はざっくり収納にしています」
家族みんなが熱くなる、マルサイ家のゲーム大会。「家族で共通の話題があることはとても楽しいです。ときには子どもほったらかしで、ひとりで熱中することも…(笑)」
暮らし方も、家事のやり方も、家族それぞれのスタイルがあっていい。大切なのは、家族みんながストレスを抱えないこと。暮らし上手なお2人の言葉はどれも心に沁み入ります。完璧を求めすぎず、暮らしを楽しむことに目を向けてみましょう。
<イラスト/マルサイ 取材・文/ESSE編集部>
OURHOME主宰。整理収納アドバイザー。夫、双子(11歳)の4人家族。最新刊は『揺れ動く今 みつけたい わたしの真ん中
』(大和書房刊)
漫画家。夫、長男(9歳)、二男(7歳)、三男(4歳)の5人家族。ESSE連載をまとめた電子書籍『夫婦&男子3人マルサイ家 体当たり家計改善
』が発売中
アドバイスをくれたのは、整理収納アドバイザー・Emiさんと漫画家・マルサイさん。ESSE本誌でも大人気の“暮らし上手”なお2人の対談をお届けします。
特別対談Emiさん×マルサイさん 家族が心地よく暮らすコツは?
Emiさん(左)、マルサイさん(右)
「ストレスフリーに暮らすには、自己嫌悪に陥らない範囲内で手を抜くこと」と話すマルサイさん。一方、「家族はチーム。自分だけが負担を負う必要はないはず」とEmiさん。暮らしを楽しむために心がけたいことをうかがいました。
●心地よく暮らすルールは家族それぞれ違うはず
Emiさん:よく、雑誌の企画などで「手放してよかったものベスト3は?」なんて質問をいただくことがあるんですが、それって、じつは難しい。わが家はバスタオルを使っていないけれど、家族のなかでひとりでも「お風呂上がりにふわふわのバスタオルに包まれるのが幸せ!」と感じる人がいるなら、それはその家族にとって、切り捨ててはいけないもの。あくまで、“わが家では”の切り口で考えるのが必要。
マルサイさん:私も、雑誌を読んだりしながらいろいろ試してきたけれど、自分の暮らしに合わないものは、結局、定着しないんですよね。“インテリアを白で統一するとすっきり”というアイデアをそのまま実行したけれど、子どもに汚されてしまって、むしろ掃除する手間が増えてしまったことも…。家事ってそれぞれの家にルールがあるものだし、すべてうのみにするのではなく、いいと思ったものを上手に取り入れて暮らしたいですよね。
●状況に合わせて、暮らしのルールは変えてよし
マルサイさん:ところで、新型コロナウイルスの影響でおうちにいる時間がぐんと増えましたよね。家事にも変化があったと思いますが、Emiさんはどうですか?
Emiさん:暮らしに直結した変化といえば…ルンバを一時的に使わなくなったことですね。
マルサイさん:え! わが家は床ふきロボットの導入に踏みきりましたよ! まったく逆ですね(笑)
Emiさん:ルンバを動かすためにイスをテーブルに上げたり、動く音が気になってしまったりと、コロナで家族みんなが家にいる状態だと、意外に不便が多かったんです。
マルサイさん:わが家では、子どもが家にいる時間が増えて、床がどんどん足裏の脂でペタペタするようになって。「3食つくって、その上床の水ふき掃除なんて絶対無理!」ということで、夫婦で話し合って床ふきロボットを導入しました。本当に、必要な家事も家電も、家族によってそれぞれですね。
Emiさん:そうなんですよね。あと、自粛期間でのうちの大きな変化は…私がゲームにハマったことかな(笑)
マルサイさん:それは私も一緒!! 子どもがあまりに夢中なので、「ほらごらん! こんなものはくだらないんだよ」とお説教するため試しにやると、見事にハマりました(笑)。でも、それが家族のいいコミュニケーションにもなったし、「今日は16時からゲームで対戦するから、それまでに宿題も仕事もすませておくこと!」なんて決めて、家族が一丸となってシャキシャキ動くきっかけになりました。
●“今”に集中して家族の時間を楽しんで
Emiさん:自粛期間は、いい意味で捉えればクールダウンできる時間だったかもしれないなあ。今まで私、ちょっと先のことを考えて、それに向かって行動を進めていくのが好きだったんですよ。でも、今回のことで「なにがどうなるかなんて、わからないんだな」と実感しました。とにかく、今の自分を、家族の時間を楽しむ。それが大切なんだと、あらためて気づけたのはいいことだったかもしれない。
マルサイさん:同感です。だらだらゲームをするなんて、外から見たらだらしないと思われるかもしれませんが、自分たちが楽しければ正しいことなんだと思う。ときにはお母さん業を休む時間だって必要ですしね。
Emiさん:暮らしのなかで大切なのは、家族のだれも無理していない状態をつくること。お母さんの負担だけ大きい、なんて時代ではもうないはずですよね。本当に必要な家事だけを、家族みんなで選んでいけばいい。
マルサイさん:明日着る服が必要だから洗濯をする。おなかがすくから料理する。それくらい意識低めでも、家族さえニコニコしているなら、問題なしですよね。そのくらいハードルを下げても、暮らしはちゃんと回っていくものなんです。
Emiさん:「こんなことすらできない私なんて…」と思うのではなく、“ムダを効率よく省いた暮らし”をしていると、プラスに考えれば心も軽くなりますよね!
“心地よさは人それぞれ”。Emiさんの暮らしを楽しむコツ
<バスタオルは使わない>
バスタオルは乾かすのに時間がかかるうえ、場所もとる…ということで、Emiさん宅では、バスタオルをやめてすべてフェイスタオルを使用。「色を統一すれば、見た目もすっきり!」
<家事は最低限で自分時間を楽しむ>
夜はビールを片手に、ときどきスナック菓子を食べるのが至福の時間。
「朝起きたとき気持ちがいいように、夜寝る前には“5分リセット”をして、テーブルの上だけはきれいに」
<まとめ調理で時短&節約>
汁物は2日分まとめて調理。愛用しているのは保温鍋。「朝、10分ほど煮込んであとは放置。仕事をしている間にじんわり熱が入り、調理完了。電気代もガス代もかかりません!」
“家事は暮らしを回す最低限のもの”。マルサイさんの暮らしを楽しむコツ
<暮らしに合わないことはやめる>
以前は、土鍋ご飯がおいしいとの情報に引かれて、土鍋炊飯をしていたというマルサイさん。「タイマーもあり、保温もしてくれる炊飯器の方が、子育て中の私には断然便利でした」
<収納のルールはゆるめに>
すべてを整えようとせず、見えるところが片づいていれば、あとはゆるめでOKなルールに。「メリハリが大切だと気づき、引き出しの中はざっくり収納にしています」
<親子で本気のゲーム大会!>
家族みんなが熱くなる、マルサイ家のゲーム大会。「家族で共通の話題があることはとても楽しいです。ときには子どもほったらかしで、ひとりで熱中することも…(笑)」
暮らし方も、家事のやり方も、家族それぞれのスタイルがあっていい。大切なのは、家族みんながストレスを抱えないこと。暮らし上手なお2人の言葉はどれも心に沁み入ります。完璧を求めすぎず、暮らしを楽しむことに目を向けてみましょう。
<イラスト/マルサイ 取材・文/ESSE編集部>
【Emiさん】
OURHOME主宰。整理収納アドバイザー。夫、双子(11歳)の4人家族。最新刊は『揺れ動く今 みつけたい わたしの真ん中
』(大和書房刊)
【マルサイさん】
漫画家。夫、長男(9歳)、二男(7歳)、三男(4歳)の5人家族。ESSE連載をまとめた電子書籍『夫婦&男子3人マルサイ家 体当たり家計改善
』が発売中