これだけ寒くなってくると、温泉にでもゆっくり入りたいな、と願う人は多いだろう。

草津温泉(群馬)、別府温泉(大分)、下呂温泉(岐阜)、箱根温泉(神奈川)、道後温泉(愛媛)など......、日本には魅力的な温泉がたくさんあるが、もし行くとしたらどこが良いか、脳内で妄想してみるのも楽しいはずだ(たとえ、行けないとしても)。

ところで、全国で「温泉のイメージが強い」都道府県を一つ決めるとしたら――あなたはどの県を選ぶだろう。

Jタウンネットでは、「日本を代表する温泉県、どこだと思う?」というテーマで、アンケート調査を実施した。するとわずか1か月半ほどの期間に、なんと3万を超える得票が集まり、熱い戦いが繰り広げられた。(総得票数3万1818票、2020年10月19日〜12月8日)。

はたして、その結果は――。

源泉数・湧出量ともに日本一は?


グラフ作成:Jタウンネット編集部

「日本一の温泉県は?」という問いに対して、全国の読者が選んだのは、大分県だった。総得票数の12.6%にあたる4002票を獲得した。2位の兵庫県を抑えて、1位に輝いたのだ。

大分は「おんせん県」を自認している。温泉の源泉数・湧出量ともに日本一を誇るからだという。

大分の源泉数(温泉が出てくる場所)は、4445か所で、2番手の鹿児島県2755か所を大きく引き離している。湧出量(温泉が湧き出てくる量)は27万9253リットル/分で、2番手の北海道は19万8022リットル/分だそうだ(19年3月末 「温泉利用状況(環境省)」より)。

また別府温泉、由布院温泉など、60以上の温泉地があり、「おんせん県」を自称するユニークなCMも制作し、他県の追随を許さないブランド構築に成功しているようだ。その結果が今回のアンケート調査にも表れたのだろう。

2位には、関西人の人気を集める有馬温泉や城崎温泉がある兵庫県が入り、総得票数の11.4%にあたる3627票を獲得した。

3位は、下呂温泉がある岐阜県で3599票(11.31%)、4位は道後温泉のある愛媛県で3596票(11.30%)。3位と4位の差はわずか3票という大接戦だった。

5位は草津温泉の群馬県で3271票(10.3%)。ベスト5はいずれも接戦で、ネームバリューある有名温泉地を抱える県ならではの、激しい上位争いが展開されている。

6位以下とはいえ、ベスト10に潜り込んだのは、北海道(6位)、長野(7位)、神奈川(8位)など猛者揃いの各県だ。ここでも1000票を超える得票を獲得し、なかなかの奮闘ぶりを見せている。静岡(9位)、山形(10位)も、けっしてあなどれない実力派と言えるだろう。

11位以下の結果は...


グラフ作成:Jタウンネット編集部

11位から30位も見てみよう。

この県がこんな順位に甘んじているとは? と首をかしげる県もある。

たとえば鹿児島県だ。源泉数の数は、大分県に次ぐ全国第2位の多さを誇っているが、今回のランキングでは14位という結果に。

鹿児島市内では、銭湯はほとんど天然温泉という。気軽に、日帰り温泉が楽しめるのだ。空港や駅など足湯が楽しめるところも多い。砂むし温泉で知られる指宿(いぶすき)温泉や、霧島温泉など、有名温泉地もある。

今回のアンケート「日本を代表する温泉県、どこだと思う?」に対しても、鹿児島県民からの投票は92票。そのうち鹿児島が56票(60.9%)で、ダントツである。ちなみに2位は大分県で26票(28.3%)だった。

鹿児島県民にとっては、日本を代表する温泉県は大分ではなく、地元・鹿児島というわけだ。


グラフ作成:Jタウンネット編集部

もちろん他の県でも似たりよったりかもしれない。やはり地元の温泉が一番なのだろう。いや、ベスト5に入った温泉県はたしかに素晴らしい、甲乙付けがたい温泉県かもしれないが、至福のひとときを味わえる温泉は、意外にもあなたのすぐ近くにある。

ランキング下位の県に住む読者も、近くの温泉を再確認してはいかがだろう。43位の千葉県在住のJタウンネット記者も、千葉の温泉を調べてみようと思った。