CBS MarketWatchによると、9日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の6月物は、ライス米国務長官が同日、イランのアハマディネジャド大統領がブッシュ米大統領に送った書簡の内容について、目新しいものがなかったと発言したことを受け、核問題をめぐる需給逼迫(ひっぱく)懸念が再燃したことから買い戻され、前日比92セント高の1バレル=70.69ドルと反発した。

  イランの大統領が米大統領に書簡を送ったのは1979年以来。前日の取引では、核問題が早期解決に向けて進展するとの期待感から、一時4月初旬以来の安値となる1バレル=68.25ドルまで値を下げていた。

  ガソリン先物は同4.30セント高の1ガロン=2.0466ドルに、暖房油も同4.1セント高の1ガロン=1.9951ドルにそれぞれ反発した。天然ガスは同11.5セント安の100万Btu=6.58ドルだった。

  サウジアラビアのヌアイミ石油相が同日、経済の拡大により向こう10年間は原油価格の高止まりが続くとの見通しを示したことも買い材料となった。また、米エネルギー省は10日、5日までの週の週間石油在庫統計を発表する予定で、夏のドライブシーズンを控えてガソリン在庫に注目が集まっている。市場では在庫の増加が予想されている。【了】