メイウェザーvsYouTuberは「BOX界への侮辱」 米コラムニスト「断固として拒否する」
注目の異色対決が正式発表、米メディアはどう見る?
ボクシングの元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー氏(米国)がインスタグラムを更新。来年2月20日にこれまで挑発を受けてきたお騒がせYouTuberローガン・ポール(同)と対戦することを発表した。異色の顔合わせを、米メディアも一斉に報じているが、米ヤフースポーツのコラムニストは「ボクシング界への侮辱」だと一刀両断している。
エンターテインメントとしての注目度は抜群だ。50戦無敗のレジェンド王者と、25歳のカリスマYouTuberという異色のマッチアップ。詳細なルールなどの発表はこれからのようだが、ペイパービュー(PPV)で中継されるようですでに販売が開始されている。
50ポンド(約22.7キロ)の体重差もあり、ミスマッチという指摘も出ているが、米ヤフースポーツのコラムニストのケビン・イオレ氏は「メイウェザー対ローガン・ポールはボクシング界への侮辱」と題した記事の中で、厳しい見方を示している。
「ノーサンキューだ、フロイド・メイウェザー。断固として拒否する、ローガン・ポール。この男たちはボクシングを茶番劇に変えようとしている」
記事はこう書き出し、茶番劇だと酷評している。2017年のメイウェザー―マクレガー戦にも言及し、「メイウェザー対マクレガーはビッグビジネスになることが明らかだった。だから9桁のお金を生み出すこの試合に物申す人物はいなかっただろう。そして彼らは世代を代表する大物で、ファンは絶対に観る試合だった」と好意的に評価している。
一方で今回のケースはあまりにミスマッチだとし、「ポールは確かにプロボクサーだが、彼の戦績は仲間のユーチューバーであるKSIと戦っただけである。ポールはクルーザー級で50ポンドのアドバンテージがあるかもしれない。しかし、これは100メートル走でウサイン・ボルトに勝つくらい至難の業だ」と指摘している。
井上の名前を引き合いに「このスポーツには見るべき才能が数多くいる」
若者たちの間ではカリスマ的支持を集める25歳のポール。YouTubeの登録者数は2200万人を誇るが、プロボクシングのキャリアはわずか1戦だけだ。同氏は「ポールはマーケティングの才能があり、若者がどんなものを求めているのかを感じることのできる優れたビジネスマンだ」とYouTuberとしての嗅覚は認めながらも、「しかし、リングに足を踏み入れた彼は、メイウェザーが今まで戦ってきた男たちと最も遠いところにいる人間なんだ」と冷静に見ている。
そして「彼らの財布は潤うかもしれない。しかし、これはボクシングに害を与え、ボクシングをサイドショーにしようとしている」と続け、さらには“モンスター”の異名をとる日本人王者の名前を出して比較している。
「このスポーツにはこの目で見るべき若く偉大な才能を持った選手が数多くいる。バンタム級王者のナオヤ・イノウエはその一人だ。ハラハラするような選手であり、スピードとパワーはどの時代と比べても素晴らしいものだ」
エキシビションマッチを茶番だと切り捨てる一方で、バンタム級の盟主として君臨する井上尚弥については「見るべき才能」だと絶賛している。
この対戦の1週間後には日本のリングにも上がる予定のメイウェザー。異色マッチは波紋を呼びそうだ。(THE ANSWER編集部)