オスの同性ペンギンカップルによって孵化に成功したヒナ(画像は『UNILAD 2020年11月24日付「Same-Sex Penguin Couple Become Dads For Second Time」(Sea Life Sydney Aquarium/Facebook)』のスクリーンショット)

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このほどオーストラリアの水族館にて、ジェンツーペンギンのオス同士のカップルが他の個体の卵を孵し、新たなヒナの父親になった。このカップルは2018年にもヒナを孵化させており、今回が2羽目の子供となる。『Metro』『UNILAD』が伝えた。

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豪シドニーの「シー・ライフ・シドニー水族館」にて飼育されているオス同士のペンギンカップル“スフェン(Sphen)”と“マジック(Magic)”が、彼らにとって2個目となる卵の孵化に成功した。

このペンギンカップルが最初に卵を孵化させたのは2018年のこと。繁殖期を迎える時期に、スフェンとマジックが子育て用の巣作りを始めたことに飼育員が気付いた。

それは2羽の子育てがしたいという意思表示だったのかもしれないが、オス同士の2羽が子供をもうけることは生物学的に不可能である。そこで飼育員が試しにダミーの卵を与えてみると、2羽は他のペンギンカップルと同じように交代で卵を温め続けたという。その姿を見て「スフェンとマジックは子育て可能だ」と判断した同水族館は、親に見捨てられていた本物の卵をこの2羽に与えることにした。

こうして2018年10月、本物の卵を守り抜いた2羽のもとにヒナの“ララ(Lara)”が誕生し、スフェンとマジックは晴れて1羽のペンギンの父親となった。

「シー・ライフ・シドニー水族館」の広報担当者によると、たくさんの卵を産んだ親がすべての卵の面倒を見切れず、育児放棄に至ってしまうことはまれに起こるそうだ。

そんな見捨てられた卵について、同担当者はこのように話している。

「そのような場合は、スフェンとマジックのように他のペンギンカップルへと里子に出すことがあります。」
「同性カップルでも良い親になれることを、この2羽は過去に証明していますから。」
「なので、今回の卵の孵化に関してもこの2羽なら信頼がおけると我々は感じていました。」

そして今回の繁殖シーズンで育児放棄されてしまった卵の里親として、ララを見事に孵化させて育て上げたスフェンとマジックに白羽の矢が立ったというわけだ。

2羽は飼育員たちの期待に応え、今回の卵も大切に温めて守りきり、スフェンとマジックの間には新たなヒナが里子として迎えられることとなった。

同水族館の責任者であるケリー・ディクソンさん(Kerrie Dixon)は、水族館に新たに加わった赤ちゃんペンギンたちについて以下のように声明を出している。

「新しいペンギンのヒナたちを群れに迎えることができ、私たちはとても興奮しています。」
「彼らはとても元気で、順調に体重も増えており95グラム程度で生まれたヒナたちは最年長のヒナでは2キロ近く、最年少のヒナで399グラムほどに育っています。」

実は、ペンギンは同性愛の頻度が高いと言われており、今年8月にもスペインで同性ペンギンが他の個体の卵を孵化させていた。これを受けて、広報担当者は「私たちの水族館にオス同士のペアがいることは幸運なことです」と述べており、以下のように続けている。

「他のジェンツーペンギンの親たちと同じようにスフェンとマジックは気配り上手で、信じられないほど面倒見がいいんです。」
「群れにこのような素晴らしいカップルがいることは(群れにとって)特権だと思っています。」

なお2羽の最初の子供で現在2歳になったララは、若いながらも自立してパートナーもおり、今回の繁殖期にも子作りに臨んでいたそうだ。残念ながら今年は繁殖成功とはならなかったようだが、水族館スタッフはララがおそらく来年も繁殖に臨むだろうと見ており「スフェンとマジックに孫ペンギンができるのを楽しみにしています」と話している。画像は『UNILAD 2020年11月24日付「Same-Sex Penguin Couple Become Dads For Second Time」(Sea Life Sydney Aquarium/Facebook)』『SEA LIFE Sydney Aquarium 2020年11月23日付Instagram「Our penguin chicks are just the cutest!」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)