今年５月、日光市の自宅などで同居の兄をナイフで刺すなどして殺害した事件の裁判員裁判が２５日に宇都宮地方裁判所で開かれ、男に懲役１０年の判決が言い渡されました。

殺人の罪に問われたのは、日光市手岡の無職　齊藤　新三被告５６歳です。

判決などによりますと、齊藤被告は２０年以上同居する兄の生活態度などに不満を募らせており、周囲とトラブルを起こし、危害を加えると考え、今年５月２０日夜、日光市の自宅や近くの民家の敷地で、当時５８歳の兄をナイフで複数回刺し、首を絞めて殺害したとされています。

山下　博司裁判長は、「精神的な負担は同情できるが他人に危害を加える危険性は差し迫ったものではなかった」と指摘し、「逃げ回る兄を執拗に追いかけナイフで多数回刺すなど強固な殺意に基づく危険な犯行」だとして、求刑１２年に対し、懲役１０年の判決を言い渡しました。