AFX通信によると、米国で電線を使ったブロードバンド・インターネット通信がいよいよ、サービス開始に向け動き出した。米通信技術べンチャーのカレント・コミュニケーションンズ(本社メリーランド州)は、4日、米電力大手のTXU(本社テキサス州)とTXUの電力網を利用し、ブロードバンド網を建設し、サービスを開始することで合意した。新サービス名は、スマート・グリッド・プロダクトと呼ばれ、テキサス州のダラス・フォートワース都市圏や、その他の州内の地域でTXUの顧客200万戸以上が対象となる。

  今回のプロジェクトのため、カレントは電機大手ゼネラル・エレクトリック(GE)、検索大手グーグル、TXU、インターネット接続大手アースリンクなどの出資者から合計1億3000万ドルの追加投資を募った。カレントは6年前の設立で、そのほかの出資者には、投資銀行ゴールドマン・サックス、新聞大手ハーストなどが名を連ねている。今回の新規出資を加え、カレントに投下された資金は総額2億3000万ドルに達する。

 カレントはTXUに続き、オハイオ州を地盤とする地域電力会社デューク・エネジーとも同様の電力線利用のインターネット・サービスに乗り出す。同社のジェイ・バーンバウム副社長は、電力会社は決断までに時間がかかるが、TXUとデュークの動きが引き金となって、さらに同業他社がインターネット・サービスに参入するとみている。 【了】