中国、長征4号のブースターが学校近くに落下、有毒な煙が立ちのぼる
Weibo

月曜日に中国山西省北西に位置する太原衛星発射センターから打ち上げられた長征4号B型ロケットのブースターが、山あいの学校近くに落下し、いかにも身体に悪そうな色の煙がもくもくとのぼる動画が中国版TwitterことWeiboに投稿されています。動画では学校らしき建物越しにあがる黄色い煙と、子どもたちの騒ぐ声が含まれています。

冷戦中の米ソ両方から距離をとるため、中国のロケット発射場は内陸部に建設されました。いまはそれが宇宙ロケット用にも利用されているわけですが、中国の宇宙当局は近年SpaceXのFalcon 9ロケットのように1段目ブースターを回収すべく開発をしているとされます。そして、Ars Technicaによると、そのプロジェクトは周辺住民の安全よりもブースター回収技術獲得のほうを優先して行われているとのこと。

墜落したロケットからあがる黄色い煙はヒドラジン燃料の燃焼を促進する四酸化窒素によって発生するもので、非常に強い毒性と腐食性があります。無防備な人が近づけば、皮膚がただれたり、発がん性などの危険性もあります。

米国やその他の国々では宇宙ロケットにおけるこの燃料の使用を廃止しつつあります。一方でたとえば、旧ソ連時代に開発されいまもロシアが使用しているプロトンロケットなどにはいまも主要なロケット燃料として利用されており、中国では今回や2018年の事例に限らず、幾度も災害を引き起こしてきました。

ただ、中国でも大型化した長征5号シリーズではより安全でFalcon 9ロケットも使用する液体酸素とケロシンを燃料としています。そのため長征5号の打上げは通常、南シナ海沿岸にある文昌衛星発射場で行われています。

source:Ars Technica