「レバレッジ 最高の詐欺師たち」イ・ドンゴン、おうち時間で見てほしいのは?“あえて一つ選ぶなら…”

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韓国で昨年末に放送されたドラマ「レバレッジ 最高の詐欺師たち」が、9月17日(木)からCS放送局の衛星劇場で、日本初放送されることが決定した。

本作はアメリカのドラマ「レバレッジ 〜詐欺師たちの流儀」の韓国リメイク作品で、5人の詐欺師が、富と権力を持つ者たちに食い物にされる人々を救うために、それぞれの得意分野を生かして報復を開始していく物語。イ・ドンゴンがエリート保険調査員から専門詐欺チームのリーダーへ生まれ変わるイ・テジュン役を熱演した。

今回、日本初放送を記念して、イ・ドンゴンにインタビュー! 本作の見どころはもちろん、撮影現場でのエピソード、今後の計画まで語ってくれた。

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――「レバレッジ 最高の詐欺師たち」が衛星劇場で9月17日から放送されますが感想をお聞かせください。

イ・ドンゴン:とても嬉しいですね。韓国での反応や視聴率も重要ですが、こうやって日本でも放送されるという事実もそうですし、プロモーションのためにこうやってインタビューさせていただけるのもとてもありがたいことです。

――「レバレッジ 最高の詐欺師たち」は、どんなドラマですか?

イ・ドンゴン:ジャンル的に言えば“詐欺劇”ですね。“犯罪アクション”とも言えるし、“詐欺アクション”とも言えます。簡潔に言えば、悪人たちに詐欺を働く5人の物語です。

――出演のきっかけは何でしたか?

イ・ドンゴン:まずは台本の完成度がとても高かったことです。すでにアメリカで完成されたドラマをリメイクするということだったので、私たちに与えられた資料や情報源になるものはたくさんありました。アメリカドラマの原作があり、それをうまく脚色した素晴らしい台本もありました。原作自体は時間が経っていたので、この作品はもっと現代にマッチさせて洗練されたドラマにできるという自信がありました。演出のナム・ギフン監督はこれまえ躍動感のある映像を作られてきた方だったので、監督に対する信頼もあったので出演を決めました。

「アメリカドラマのリメイク…韓国ドラマ特有の感情を重視」

――最初に台本を読んだ感想は?

イ・ドンゴン:すごく細やかに物語が組まれているなと思いました。それに、私が演じたテジュンという人物は、男性であれば、父親であれば、誰もが共感する人物だと思いました。

――イ・テジュンはどんな人物ですか?

イ・ドンゴン:平凡な家庭でがんばって生きる家長だったけど、愛する息子の死によって、とてつもなく大きな世の中に裏切られたという思いと復讐心を抱くことになる人物です。普通の人なら、その気持ちを押し殺して耐えながら生きると思いますが、これはドラマですので……テジュンは復讐心を思いっきり表面に出す、そんな人物です。

――アメリカドラマの韓国リメイク作品ですが、原作のキャラクターとはどんな点で違いを出そうとしましたか?

イ・ドンゴン:原作は全部は観ずに、スキップしながらあくまで参考程度に留めました。その人物に接した時点で模倣になってしまうと思ったので、単純に「こんな感じ」「こんなスタイル」という、表面的な部分だけ参考にしたかったんです。

アメリカや日本のドラマは、人物の感情をそこまで強調して表現しようとはしないと思うんです。その感情表現が韓国ドラマの特性とも言えるかもしれませんし、韓国ドラマの長所と言えるかもしれません。もちろん、場合によってはそれが短所になることもありますが。アメリカの原作ドラマでも、深い感情を表現するというよりは、例えば「主人公の息子が死んだ」「だから復讐を開始した」という情報伝達が基本になっている、典型的なアメリカドラマのスタイルだと思いました。監督さんとは、視聴者がもっと人物と事件に引き込まれるように、もっと繊細に見せるようにしようと話をしました。序盤でキャラクターを見せる部分では、その差別化をとても重要視しました。

――劇中のイ・テジュンと実際のイ・ドンゴンさんとの共通点や相違点を教えてください。

イ・ドンゴン:難しい質問ですね。イ・テジュンを演じたのは私ですので、彼は私と言えます。だから全部が似ていると言えますし、私のすべてが表現されています。この人物を演じながら、私自身を排除しなければいけないというシーンや演技はなかったです。それが本当の意味で演じる方法だと思うんです。私が不自由なら演じられないということだと思うんです。私ができる範囲で、見せられる範囲で、心から表現できる範囲で、作られた人物です。

――イ・テジュンは息子のために復讐を決意するのですが、演じながら感情的に苦しかった部分や大変だった部分はありますか?

イ・ドンゴン:感情を出すシーンは、これからもずっとつらいと思います。その感情を表現するということは、その感情を感じないといけないですから。その苦痛を実感するために努力しようとすること自体がとても大変なことです。この作品で息子を失ったという悲しみを表現するのは、とても重要なシーンでした。それがすべてのスタートだからです。もし視聴者が「そんなに悲しそうに見えないけど」「ここまで復讐する必要あるの?」と感じてしまったら、このドラマ自体の説得力が落ちてしまうと思ったので、どうすればもっと真実のように見せられるか、という点についてすごく悩みました。だから台本よりも、長めにたくさん撮ったし、たくさん泣きました。ヨダレが出るくらいに(笑)。

モニターで観て、ヨダレのところはカットしようよと監督に話したら、「いや、すごくいいよ!」とおっしゃるので……(笑)、そのまま使いました。

――イ・テジュンは詐欺という形で復讐することを決意しますが、もしイ・ドンゴンさんが同じような無念な出来事に遭遇したらどうされますか?

イ・ドンゴン:残念ながら、私はテジュンのような能力はありません(笑)。それにテジュンの周りにいるような仲間もいないです。だから復讐は難しそうですね。詐欺なんてしないように、注意深く生きるしかないですね。
 

「5人のチームワークが最高!シーズン2ももちろんやりたい」

――チーム“レバレッジ”のリーダー役ですが、メンバーを紹介してください。

イ・ドンゴン:まずは、美人局であり、女性リーダーのような存在のチョン・ヘビンさん。普通は男性がよくやるような潜入やアクションを美しく演じたキム・セロンさん。強靭な拳担当のキム・グォンさん。ハッカーであり、便利屋であり、雑務担当のチョン・ウィソン役の……ヨ・フェヒョンさん。いつも劇中の名前で呼ぶので本名を忘れてしまいます(笑)。

――5人の詐欺集団の中で、もし入れ替われるなら誰を演じてみたいですか?

イ・ドンゴン:あまり選択肢がないですが……(笑)、ハッカーよりはアクションの方がいいかなと思います。私はハッキングができそうな感じではないですよね?(笑) セロンさんが演じたスパイのような役はアクションが大変そうでした。ワイヤーで釣られて壁をよじ登ったり……、私はパソコンの前で指示するだけだったので。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

イ・ドンゴン:本当に最高に良かったです。監督とは数日前にも会ったのですが、「あぁ、『レバレッジ』のような作品はもうないだろうな」とおっしゃったんです。本当にサークルみたいな感じでした。全員が自分の意見を思いっきり言うことができたし、自由に演じることができたし、足りない部分をお互いに補完しようとがんばれたし……、すごく記憶に残る現場でした。

――ムードメーカーは誰でしたか?

イ・ドンゴン:ムードメーカーは監督でしたね。冗談もよく言うし、現場でも友人のように私たちに合わせてくれるし。特に5人が集まっているときは、愉快で自由な現場になっていました。広いサイズのアングルから思いっきり遊べるような環境を作ってくださったおかげで、面白いシーンもたくさん生まれた気がします。

――メイキング映像でも、皆さん仲が良い雰囲気が伝わって来ましたが、チームの皆さんとの演技の相性はいかがでしたか?

イ・ドンゴン:全部のシーンが良かったです。5人が揃うシーンが多いのですが、実はそういうシーンというのは大変なのものなんです。2人が映るシーン、3人が映るシーン、全員が映るシーンという具合にたくさんのカットを撮るので時間もかかるし大変なのですが、私たちは本当に楽しく撮れましたね。それに監督さんもカメラ監督さんもご本人たちが、あえて苦労する選択をされていましたね。カメラをたくさん動かしたり、持って走ったり……。カメラを固定にしているカットはあまり多くなかった気がします。だから演技もそうだし、編集された映像もすごく自由に感じられました。

毎回のラストを5人で歩くシーンで締める、というのは監督のアイディアでしたが、すごくカッコよく撮ってくれました。監督のセンスも演出力も素晴らしかったですね。

――変装シーンもありますよね?

イ・ドンゴン:私が変装したのは老人に変装したシーンだけです。実は最初はもっと極端な変装ができないかと話していたんです。テジュンが女装するのも面白いと思ったんですが、悪人たちに復讐するシリアスな内容だったせいもあって、そんなに変装はできませんでしたね。でも老人のメイクをするのもすごく時間がかかったし大変でした。

――記憶に残る名シーンは?

イ・ドンゴン:「レバレッジ」と言えば、今でも真っ先に思い浮かぶのは、最初のタイトルシーンです。済州島で撮影したのですが、5人が歩くシーンはこのドラマのもっとも重要なポイントだと思います。彼らが一緒に何かをする、というのを期待させますよね。

――息子の死から人生が180度変わってしまうイ・テジュンという人物を演じられましたが、イ・ドンゴンさん自身も俳優として180度変わったと思う作品や役柄がありますか?

イ・ドンゴン:そんなに極端な作品はない気がしますが(笑)。自分にとって一番挑戦的だった作品は時代劇でした。私がヒゲをつけて、馬に乗って現れるというのは視聴者にとっても驚きだったのではと思います。そういう意味では「七日の王妃」がポイントだったとは言えますね。

――シーズン2を期待している視聴者も多いですが、ご本人はいかがですか? もし実現したら次はどんなことをしてみたいですか?

イ・ドンゴン:もちろんやりたいですよ。望んでいます。シーズン2を漠然と想像してみると……。

チョン・ヘビンさん演じるスギョンと、他のメンバーにはバレないようにこっそりと付き合っている、というのは面白いかもしれませんね。さらにアイツとアイツも実は付き合っていたり……、という感じでそれぞれの感情が変化した状態で再結集したら、また新しい感じがしますよね。

――今作で一番に思い浮かぶことは何ですか?

イ・ドンゴン:チームワークですね。このドラマは誰か一人が作ったものではないですね。5人が一緒に演じて、一緒に作った作品です。すごく記憶に残っているし、それがこの「レバレッジ」のチカラだと思います。

「40代の自分にはもっとできる役がたくさんある」

――以前インタビューで、撮影終了後はすぐに役から抜け出せるほうで、むしろ役に入り込むほうが大変だとおっしゃっていましたが、今回の役はどうでしたか? 何かエピソードがあれば教えて下さい。

イ・ドンゴン:今回も同じでした。ドラマというのは全般的に、序盤でキャラクターの紹介を視聴者の方々に早く伝えないといけないので、感情的にも体力的にも消耗するシーンが序盤に集中しているんです。でも後半に比べると、序盤の部分はまだキャラクターに入り込めていないところもあって……。本作でも、第1・2話から息子が死んで家族関係はめちゃくちゃになって、刑務所に行ったりとつらいシーンが集中していました。刑務所に行ったのは初めてでした(笑)。実際に以前使用されていた刑務所で撮影をしました。とにかく今回もこのキャラクターを視聴者の方々に、より早くインパクトがあるように伝えるために、つらいシーンを序盤で一気にやりましたね。なかなかしんどかったです。

――イ・ドンゴンさんが、ドラマや映画の撮影時に臨むにあたって欠かせないアイテムはありますか?

イ・ドンゴン:特に思い浮かばないですね……(笑)。ジンクスみたいなものもないですし。

――家を出るときに、必ずやることとかはないですか……?

イ・ドンゴン:起きて体を洗うくらいですね(笑)。時代劇のときに良かったのは、頭をたまに洗っていなくても目立たないので、それはとても良かったです。撮影でつらいときは体だけシャワーを浴びる程度で良かったので(笑)。

――今後やってみたい役柄はありますか?

イ・ドンゴン:時代劇はもう一回やってみたいですね。「七日の王妃」では王の役だったので、次は王ではなくて、もっと平凡な役を演じてみたいです。それに俳優という職業のいいところが、年を重ねるにつれて合う役も変わってくるところだと思います。だから40代の自分にはもっとできる役がたくさんあると思っていてとても楽しみです。

日本ファンにオススメしたい韓国料理は?

――“Stay Home”をきっかけに、日本で韓国ドラマに虜になる人が更に急増しています。イ・ドンゴンさんがオススメしたいドラマ・映画はありますか? 逆に、イ・ドンゴンさんが最近観た日本映画やドラマもあったら教えて下さい。

イ・ドンゴン:日本の作品は最近そんなに観てなくて……。そういえば、韓国版ですが、映画「火車」を最近観ましたよ。面白かったです。ドラマは……「バッドガイズ2」が面白かったです。実はシーズン1は観てないなくて(笑)、シーズン1のキム・サンジュン先輩がこの事実を知ったらがっかりされるかもしれませんが…。韓国でこんなすごいドラマがあるのかと感動しました。シーズン1から必ず観てくださいね(笑)。

私の作品については、全部観てほしいですが……(笑)、あえて一つ選ぶなら最新作の「レバレッジ」ですね。

――しばらく韓国にも行けない状況が続いていますが、イ・ドンゴンさんが好きな食べ物や、韓国旅行に行けるようになった際に日本ファンにオススメしたい韓国料理はありますか?

イ・ドンゴン:私も好きなのですが、“平壌冷麺”をオススメしたいです。蕎麦の粉を使用しているので、新しいジャンルの蕎麦だと考えていただければ面白いと思います。それと“ボリグルビ”という食べ物も魅力的です。韓国の発酵技術が生み出した食べ物です。(ボリ=麦、グルビ=イシモチの意味。腐らないようにイシモチという魚を麦に漬け込んで発酵させた高級食材) あと、今は夏だから、フレッシュなお刺身もオススメです。

――今後の計画は?

イ・ドンゴン:ここ2〜3年はずっと休むことなく仕事してきたので、2020年は少し休む時間にしようと思います。こういうときがあってもいいかなと。今年は思いっきり休んで、来年は良い作品に出たいと思います。

――最後にメッセージをお願いします。

イ・ドンゴン:「レバレッジ 最高の詐欺師たち」を皆さんにご覧になっていただけることになり、まずはとてもうれしいです。悪人たちに詐欺を働くということの痛快なカタルシスを皆さんにも感じてほしいです。5人の主人公たちを愛してくださいね。第1話から最後まで楽しんでご覧になってください。

■放送情報
「レバレッジ 最高の詐欺師たち」
CS衛星劇場にて、9月17日(木)より日本初放送!
毎週(木) 後11:00〜深1:30 ※2話連続放送
再放送 翌週(水) 後1:30〜4:00 ※2話連続放送

2019年/韓国TV朝鮮/全16話
演出:ナム・ギフン
脚本:ミン・ジヒョン
出演:イ・ドンゴン、チョン・ヘビン、キム・セロン、キム・グォン、ヨ・フェヒョン

【あらすじ】
エリート保険調査員テジュンは、余命宣告を受けた息子ソンギュを救うため、唯一の希望である新薬“アサナ”を盗むことに。決して失敗できない一度限りのミッション。完璧な計画を立てたテジュンは、最高の専門家であるナビョルとウィソンと組んで作戦に突入するが……。

■関連サイト
衛星劇場「レバレッジ 最高の詐欺師たち」ページ:https://www.eigeki.com/special/leverage