マクガフの「無人牽制」に阪神OBが持論

写真拡大

プロ野球・東京ヤクルトスワローズのリリーフ右腕、スコット・マクガフが2020年9月3日の試合で見せた、一塁への「無人けん制」が物議を醸している。

ツイッター上では、マクガフのプレーに対して「なぜ1塁へ」「どうしたのよ、マクガフさん」と疑問の声が出た一方で、阪神OBの高橋聡文さんはプレーの責任がキャッチャーにもある可能性を指摘した。

ミスを気遣う声も

「まさか」のシーンが見られたのは、9月3日に甲子園球場で行われたヤクルト対阪神の試合だ。ヤクルト1点リードで迎えた7回裏、阪神が2アウト二、三塁のチャンスを作った場面。マクガフはバッター・近本光司に対する3球目を投げ終えた後、なぜかランナーがいない一塁へとけん制してしまった。

突然の送球に一塁手の坂口智隆も捕球できず、ボールがファウルゾーンを転がる中、ランナー2人が本塁に還り阪神が勝ち越した。阪神ファンが押し寄せた球場は歓声とどよめきに包まれ、ヤクルト・高津臣吾監督は呆然とグラウンドを見つめていた。阪神はこのリードを守りきり、4対3で勝利した。

記録では、ランナーがいない塁に牽制したことによる「ボーク」による進塁、さらに悪送球による進塁が認められた。マクガフは降板後、ベンチで斎藤隆投手コーチと話し合う姿が見られた。

マクガフのプレーに対し、ツイッター上では「なぜ1塁へ」「どうしたのよ、マクガフさん」と疑問の声が聞かれた一方で、「マクガフ可哀想になってしまった」「気持ち切り替えて頑張ってほしい」と気遣う声もあった。

「集中してる投手って意外に気づかないんですよね」

一見すると、塁にランナーがいなかったことを認識せず、けん制球を投げてしまったマクガフのミスだ。ただ、中日・阪神でリリーフ左腕として活躍した高橋聡文さんは、これに持論を展開した。

高橋さんは試合中に自身のツイッターを通じて、今回のプレーについて「もちろん確認不足の投手も悪い」としつつ、

「キャッチャーがしっかり投手に確認してたかな?右投手は盗塁のスタート見えないし、キャッチャーもセカンドにまったく投げる気無かったから、集中してる投手って意外に気づかないんですよね」

と、その責任がキャッチャーにもある可能性を指摘。この日、マクガフとバッテリーを組んでいたのは10年目の西田明央だった。

そして、「僕の場合はセカンドにランナーが行くと球種のサインが変わっていたので、毎回キャッチャーが確認してくれてました」と自身の現役時代の経験を引き合いに出して語った。高橋さんはこのときのキャッチャーが誰かは言及しなかったが、中日時代にはプロ通算出場試合数史上最多の名捕手・谷繁元信さんや、2番手捕手ながら落合博満・元監督にその実力を高く評価された小田幸平さんらとバッテリーを組んでいる。

二死、2,3塁でマクガフが一塁牽制しちゃったけど、キャッチャーがしっかり投手に確認してたかな?右投手は盗塁のスタート見えないし、キャッチャーもセカンドにまったく投げる気無かったから、集中してる投手って以外に気づかないんですよねもちろん確認不足の投手も悪いですが

- 高橋 聡文 (@akifumi0529) September 3, 2020