夏といえば冷やし中華、カレー……そしてあまり知られていないが、寿司も美味しい季節である。魚は脂がのる冬が美味い、というイメージがあるかもしれない。しかし実は、この夏の時季に旬を迎える魚介類はとても多く、「魚が一番美味しいのは夏」だと豪語する職人や寿司ツウも少なくない。

そこで今回は日本全国で回転寿司店をチェーン展開する「はま寿司」を訪問。この時季おすすめの旬のネタを実際に食べてみたのでさっそく実食レビューをお届けしよう。

○「とろいわし」「炙りとろいわし おろし盛り」



梅雨から夏にかけて旬を迎える魚、いわし。脳を活性化させるDHAや、血液の流れをよくするオメガ3を豊富に含み、血中コレステロール値や中性脂肪を減らす働きが期待できるらしい。はま寿司のいわしは北海道・三陸産で、「とろいわし」「炙りとろいわし」「とろいわし 漁師漬け」「炙りとろいわし おろし盛り」など、アレンジメニューも豊富だ。



まずはノーマルの「とろいわし」。驚いたのは、いわし特有の生臭さがまるで感じられないこと。いわしは青魚の臭みが出やすく、そこで好き嫌いが大きく分かれるが、これはネタが新鮮だからか、その点はまったく気にならない。そして「とろ」を謳うだけあって脂の乗りも抜群。口のなかでとろけるように消えていく。薬味のネギと生姜の相性もばっちりだ。



続いて、筆者的に気になった「炙りとろいわし おろし盛り」も食べてみた。こちらは、いわしの身に火が入ったことでまったく違う表情に変化。炙られた皮は香ばしく、味わいにもパンチが生まれた。シャキシャキの大根おろしともマッチし、焼き魚と刺し身のいいとこ取りした逸品に仕上がっている。

○「炙りうなぎ」



うなぎを試してみよう。この土用の丑の時季は、やはり風情としても一度はうなぎを味わっておきたい。ビタミンB群を豊富に含むうなぎは、夏バテ解消にも最適だ。

はま寿司の「炙りうなぎ」は香ばしさが食欲をそそり、なによりふんわりと柔らかい。高級食材なだけに「安かろう悪かろう」が心配だったが、これは実に美味しく、高い満足感を得られる。これだけ質が高くて厚みもあるのに150円で食べられるのだから、コスパ面も最高だ。

○「蝦夷あわび」「ほたて」



お次は「蝦夷あわび」を実食。クロアワビに比べると小さいのが特徴だが、味は確か。うなぎに負けじと高級食材である。実際に皿を目の前にすると、これが150円で食べられるのかと驚きだ。はま寿司の「蝦夷あわび」は貝の旨みもあり、あわびのコリコリ食感もしっかり楽しめる。シャリとネタの間には大葉も挟まっており、これもいい仕事をしている。何とも幸福感が高い一皿だった。



同じく貝類の「ほたて」。ほたては貝柱の厚みが増していく4月から8月あたりにかけて旨みが濃厚になると言われている。豊富に含まれるタウリンは心臓や肝臓などの働きを高めることが期待できるそうだ。そのお味はクリーミーで濃厚。貝の旨みと甘みが凝縮されており、ふっくらしていながら貝らしい歯応えも感じられて、実に美味であった。

○「直火焼き牛カルビ」「直火焼き牛カルビおろし盛り」

はま寿司は魚以外のネタもバラエティに富んでいて魅力的。特に牛カルビはこの時季におすすめらしい。牛肉パワーでスタミナをつけて暑い夏を乗り切ろう、というわけだ。今回は「直火焼き牛カルビ」と「直火焼き牛カルビおろし盛り」をいただくことにしよう。



「直火焼き牛カルビ」は、その名の通り"直火焼き感"がインパクト大。とても香ばしく、食欲がそそられる。肉は思いのほか厚くてボリューミー。肉質は柔らかく、イヤな筋っぽさはない。ほどよい甘みの効いた焼肉ダレも美味しい。酢飯にもよく合っていて、むしろ酢飯だからこそこってりした肉もサッパリ食べられる印象だ。



どっさりと大根おろしが乗った「直火焼き牛カルビおろし盛り」は、カルビの脂を見事に中和。醤油もいいが、ポン酢との相性はことさら抜群だった。正直、寿司屋で食べる肉がここまでハイクオリティとは思っていなかった。

○「ミルクレープ」「ダルゴナコーヒー」

締めはスイーツで、王道の「ミルクレープ」を注文。新発売の「ダルゴナコーヒー」とともにいただくことにした。



まずは「ミルクレープ」。クレープ生地はもっちりしていながら口の中で溶け、濃厚でなめらかな生クリームの甘みが口いっぱいに広がる。これに、真っ白なミルクの上にふわふわに泡立てたコーヒーが乗った「ダルゴナコーヒー」がよく合う。



「ダルゴナコーヒー」は韓国発祥のドリンクで、そのフォトジェニックな見た目はSNSでも人気上昇中。少しほろ苦いコーヒーホイップが甘いミルクレープと相性抜群だ。

○「タピオカダルゴナコーヒー」「黒糖タピオカ抹茶ラテ」

近年大ブームを巻き起こしたあるタピオカも、はま寿司では楽しめる。今回は先ほどのダルゴナコーヒーに合わせた「タピオカダルゴナコーヒー」と「黒糖タピオカ抹茶ラテ」をセレクト。



「ダルゴナコーヒー」を飲んだ時点ですでに予期していたが、やはり「タピオカダルゴナコーヒー」はタピオカのもちもち食感とまろやかな黒糖の味が実によく合っている。

続いて「黒糖タピオカ抹茶ラテ」でまず驚いたのが、抹茶ラテの美味しさだ。渋みは強くないが風味豊か。黒糖タピオカとの相性もばっちりだ。はま寿司でこんなに本格的なタピオカが味わえるとは予想以上。何やら昨年5月は、わずか1カ月で40万杯以上のタピオカドリンクを売り上げたそうだが、それも納得の仕上がりだ。

旬の魚が並び、魚以外の変わりダネやスイーツまでバラエティ豊かに楽しめる人気寿司チェーン、はま寿司。ウェブで持ち帰り注文もできるので、興味のある方はぜひ夏の味覚を味わっていただきたい。