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プロ野球のDeNAが2020年7月19日、横浜スタジアムで巨人と対戦し3−5で敗れた。

初回、宮崎敏郎内野手(31)のタイムリーで先制。3回と5回にそれぞれ1点を奪い、好投の先発・平良拳太郎投手(25)を後押し。7回から継投に入り、1点リードで迎えた9回に守護神・山崎康晃投手(27)が同点とされ、後を継いだ国吉佑樹投手(28)が2ランを浴びて逆転された。チームは巨人に3タテを食らい5連敗。借金「2」で4位に転落した。

「平良がサインを分かっているか定かではなかったので」

指揮官と守護神の信頼関係が揺らぎかねないシーンだった。1点リードの9回、DeNAの絶対的な守護神・山崎がマウンドを託された。1死後、坂本勇人内野手(31)に内野安打を許し、代走・増田大輝内野手(26)が2盗に成功。2死2塁の場面で丸佳浩外野手(31)の2ゴロの間に増田がホームを陥れ同点。ここでアレックス・ラミレス監督(45)が動いた。同点に追いつかれたところで山崎に代えて国吉をマウンドに送り込んだ。

2死1塁からマウンドを受け継いだ国吉は、4番・岡本和真内野手(24)に151キロのストレートをライトスタンドに運ばれ2点を失った。結果的に守護神をベンチに下げたことが裏目に出て、リードを2点に広げられた。9回は6番からの攻撃だったが、同点で迎えていればDeNAの強力打線からすれば逆転することは十分に可能だっただけに守護神の交代は疑問符が付く。

この日は2回にも不可解な采配がみられた。1死1塁の場面で打席には投手の平良が入った。セオリーでいえばバントで送るシーンだ。だが、打席の平良は一度もバントの構えを見せず、ライトフライに倒れた。試合後、ラミレス監督は「ランエンドヒットのサインを出そうとしたが、平良がサインを分かっているか定かではなかったので出すのをやめた」と振り返ったが、DeNAファンからは「ひどい言い訳」と批判が相次いでいる。

17日の試合でも投手にバントさせず

巨人との初戦の17日にも塁に走者を置いて投手にバントをさせず打たせる場面があった。1点ビハインドの5回1死1塁で打席には井納翔一投手(34)が入った。この日は雨が強く降っており、いつコールドゲームになるか分からない展開だった。このような状況下、1点を争う接戦で投手に送らせず結果、井納は三振に打ち取られた。ここでもラミレス采配に疑問の声が上がったが、この日もラミレス流を貫いた。

今シーズンは「マシンガン打線」の再来といわれるほどの重量打線で、チーム打率はリーグ2位の.277を誇る。その一方で機動力に欠ける。ラミレス監督の采配は打力頼りで、得点につなげるための策があまりみられない。顕著なのは盗塁数だ。ここまで26試合を消化してチーム盗塁数はリーグ最少の「4」。チームの得点は打率に比例することなく、リーグ4位の「103」にとどまっている。

巨人に3タテを食らい5連敗となった。先週までは巨人と首位争いを演じてきたものの、この連敗で借金生活に突入した。ラミレス監督は調子の上がらない守護神の配置転換の可能性に触れるなどチームは混迷している。21日からは本拠地・横浜スタジアムでヤクルト、広島を迎えての6連戦となる。ラミレス監督はどのようにチームを立て直すのか。注目される。