テレワークで仕事ができない人は、もともと仕事ができていなかった

写真拡大

 緊急事態宣言が解除されたとはいえ、自粛生活を強いられた約3か月。その間に「体力が落ちた」「疲れやすくなった」「物忘れがひどくなった」「うつ病気味になった」といった不調を自覚し始めた人々は実に多い。これらがリカバリされないままだと、社会全体に停滞をもたらすことは必至だ。

◆仕事の“コロナぼけ”は市場の変化と、新しい価値基準への適応力不足が原因

 在宅勤務の長期化により、仕事のカンが鈍ってしまったという例について、600社以上のリモートワークをサポートしてきた株式会社クロスリバーの越川慎司氏は次のように話す。

「リモートになったら仕事の段取りが分からなくなったというのは、厳しい言い方ですがもともと仕事ができていなかった方です。

 これまで愛想や努力などでごまかしていた方々は、リモートワークでも周囲を巻き込むなど能力の出し方を身につけるべきです。

 仕事の状況や出勤・退勤時間などあやふやにできていた要素を、リモートワークでは可視化せざるを得ない。そのため、自分で仕事の進捗を見せていくことが求められます。そうでないと上司からの執拗な確認に苦しめられます」

 リモートワークに合った能力の出し方とは何か?

「労働ではなく価値を提供していくことです。たとえばリモートで営業をする例がここ1か月間で急増しましたが、やはり成約率では対面のほうが有利です。しかし、客はもうオンラインの説明に慣れてしまったので『いかに対面したいと思ってもらえる価値を提供できるか』が重要になる。こうした変化に焦点を合わせて努力できるかどうかがポイントです」

 リモートの概念がビジネスシーンに定着しつつある中、求められる能力とは具体的に何か。

「例えばオンライン商談ではカメラに向かって話すことで、営業の成功確率が20%上がった例があります。またこのとき、大体1分間に130文字ぐらいのスピードで話すと効果的であることもわかっています」

 管理職にとって重要なのは「雑談力」だという。

「優秀なリーダーは冒頭の2分間ぐらいで雑談をしてチーム内に安心感(心理的安全性)を創り出しています。これによってチームの生産性が高まることがわかっています。従来の管理職がやりがちな『俺の言うことを聞け』と威圧するスタイルはリモートでは通用しなくなっている。また、中高年ではITツール自体を使うことに抵抗を示す人もいます。そのせいで仕事が回ってこなくなり、孤立化する人も多いです」

 仕事面での“コロナぼけ”解消は、変化しつつある環境に対応できるかどうかにかかっているようだ。

【リモートワーク・コンサルタント 越川慎司氏】
クロスリバー代表。週休3日の働き方で、企業の改革支援やオンライン講演などを行っている。新著に『世界一わかりやすい テレワーク入門BOOK』(宝島社)

<取材・文/週刊SPA!編集部>

―[アフターコロナ症候群]―