役所広司、コロナショック乗り越え日本映画をもっと豊かに「映画館に行こう!」アンバサダー就任
俳優の役所広司が30日、コロナ禍における映画館の安全性を伝えるキャンペーン「映画館に行こう! キャンペーン2020」記者会見に出席した。キャンペーンのアンバサダーに就任した役所は会見で、ソーシャルディスタンスが叫ばれるなか「人に触れ合うのが僕たちの仕事のエネルギー」と現状における厳しさを認めつつも「どんな状況でも、優れた作品は生まれると信じています」と未来への思いを語った。会見には、「映画館に行こう!」実行委員会顧問の岡田裕介、キャンペーン委員長の松岡宏泰も出席した。
「映画館に行こう!」キャンペーンは、役所をはじめとするあらゆる映画人が、本日から2020年8月31日までの約2か月間にわたって「映画館は安全で、安心で、楽しい場所である」ことを発信していくことを目標とするプロジェクト。役所は、映画業界人10名によるYouTubeリレー動画のトップバッターとして、映画館に対する思いや、魅力、新しい映画鑑賞様式についてコメントしている。
「年だけはとっているのですが、こういう役目は苦手なんです」とアンバサダー就任に苦笑いを浮かべていたが「でも 、長年映画界には世話になっているので、こういったときに自分が役に立つことができるのならと思って受けました」と大役を引き受けた理由を説明する。
俳優仲間と情報交換をしているといい「僕はまだ入っていないのですが、ようやく(現場は)新作の撮影に向けて、動きだしているようです」と現状を報告。ただ「撮影というのは人と人が触れ合って成立する仕事。本番まで(フェイス)シールドをして、本番で外すというのは非常に不自由だし、今後どうなるのか予測がつかない」と問題点もあげた。
しかし「残念ながら、新型コロナウイルスとは共存していかなければならない。経済的にも撮影現場は苦労すると思います。でも覚悟と努力があれば、どんな状況でも優れた作品は生まれると信じています」と力強く言葉を紡ぐと「映画館で観てもらえるためにみんなで映画を作っています。もっと豊かで、誇らしい日本映画になるようにみんなで頑張りたいと思います」と宣言した。
ステイホーム期間中のすごし方についても「これまでも、いろいろなピンチをチャンスに変えて素晴らしい映画を生み出してきた。コロナショックを機会に、日本映画もさらに活性化し、世界に影響を与えた日本の巨匠たちのような人が誕生するかもしれないという思いで自粛していました」と熱い思いを語った役所。映画館が密室で換気が悪いと誤解されていることに触れると「映画館は安心で安全。劇場の方も大変だと思いますが、必死に映画館を守るために頑張ってくれています」と劇場スタッフにねぎらいの言葉も。さらに「まずはお客さんに、映画館で映画を観てほしい。自粛中は自宅で映画を楽しまれた方も多いと思いますが、映画館で観る映画は別物だと僕は思います」と安全性を強調していた。(磯部正和)