瀬戸貴幸は家賃がピンチに…サッカー選手の「海外コロナ生活」
新型コロナウイルスが、世界中で猛威を振るっている。1年延期された東京五輪を筆頭に、多くのスポーツで、試合の延期や中断が相次ぐ。そんななか、海外で活躍する日本人サッカー選手は何を思い、どう過ごしているのか。
ルーマニア1部の「アストラ」でプレーする瀬戸貴幸(34)に、Zoomで取材した――。
瀬戸は、3月中旬から約2カ月間続いた外出制限期間を、こう振り返る。
「めちゃくちゃ長かった。許可証を持っていれば、買い物やジョギングくらいは許されていましたけど、その期間は給料の未払いに加え、(妻と2人の子供を日本に残して)ひとりきりということもあって、相当しんどかったですね」
ルーマニアリーグはレギュラーシーズンを終え、アストラが来季のチャンピオンズリーグやヨーロッパリーグへの出場権をかけたプレーオフのさなか中断となったが、現在は6月13日に予定されている再開に向け、合宿中だという。
「約2カ月もの間、練習がなかったので、まずは走って体を作っているところです。PCR検査は週1回、検温は毎日おこなっています。合宿は、いつも相部屋が基本ですが、ソーシャルディスタンスを保つために、いまは1人1部屋なのが嬉しいです」
2010年にはサウジアラビアのアル・ナスルから2年2億円、2013年にはカタールSCから3年2億円という高額オファーがありながら、「お金が一番じゃない」と、欧州での挑戦にこだわってきた瀬戸。
だが、コロナ禍でサラリーもカットされるなど、「生活はけっして楽ではない」とこぼす。
「4カ月くらい給料の未払いが続いていたのですが、練習も再開し、ようやく少しだけ振り込まれたので安心しました。
家賃の支払いが危なかったけれど、大家さんがサッカーファンで僕のことを知っていてくれて、大目に見てくれたというか……。ルーマニアでは家賃滞納も珍しくないんですが、違う国だったら、どうなっていたかわからなかったですね」
地元のスポーツ番組にリモート出演し、「コロナ禍での日本とルーマニアの違い」などについて話したという瀬戸。「今季が終わっても、すぐに来季が始まるでしょうし、今年は、ほとんど休みがないかも(笑)」
せとたかゆき
1986年2月5日生まれ 愛知県出身 高校卒業後、ブラジル留学などを経て、2007年夏に当時ルーマニア3部の「アストラ」に入団し、2年で1部に昇格。その後は、移籍と復帰を繰り返しながら、約11シーズンをアストラでプレー。初の自著、電子書籍『自分の夢を叶える技術』が発売中
取材&文・栗原正夫
(週刊FLASH 2020年6月16日号)