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感染者の体液から感染し、おう吐・下痢・出血症状などが見られ、ウイルスの種類によっては致死率が80〜90%にまで上るというエボラ出血熱コンゴ民主共和国の西部に位置するムバンダカ市で流行していると、WHOが2020年6月1日に発表しました。現地当局によると、既に5人の死亡が確認されているとのことです。

New Ebola outbreak detected in northwest Democratic Republic of the Congo; WHO surge team supporting the response

https://www.who.int/news-room/detail/01-06-2020-new-ebola-outbreak-detected-in-northwest-democratic-republic-of-the-congo-who-surge-team-supporting-the-response

Ebola resurfaces in Équateur Province, north-western Democratic Republic of the Congo

https://www.unicef.org/press-releases/ebola-resurfaces-%C3%A9quateur-province-north-western-democratic-republic-congo

Congo declares second outbreak of Ebola virus - UPI.com

https://www.upi.com/Top_News/World-News/2020/06/01/Congo-declares-second-outbreak-of-Ebola-virus/5701591062656/



WHOによると、これまでに確認されているエボラ出血熱の症例は全部で6件で、全てムバンダカ市のコミューンであるワガンタで確認されました。WHOは6月1日の発表で感染者6人のうち4人が死亡し2人が治療中だと発表していますが、その後のユニセフの発表では、5月18日から30日の間で15歳の少女を含む5人が死亡したとされています。なお、死亡した人や治療中の人は全員ムバンダカのワガンタ病院で隔離状態にされ治療を受けていたとのことです。

コンゴ民主共和国では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)も流行しており、既に3200件の症例と72人の死亡が確認されています。加えて同国では2020年1月にはしか流行による死者が6000人を超えており「世界最悪の流行」だとも報じられています。WHOのテドロス・アダノム事務局長はエボラ出血熱の流行を受けて「この流行は、COVID-19だけが人々の直面する健康上の脅威ではないということを改めて認識させます」「世界の注目の多くはCOVID-19のパンデミックにありますが、私たちは他の健康上の緊急事態を監視し、対応しています」と述べました。



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コンゴ民主共和国では1976年の流行を皮切りに、これまで11回もエボラ出血熱が流行しています。前回流行が確認されたのは2018年8月のことで、この時は3460人の感染者と2280人の死者を出しました。また今回流行が確認されたムバンダカ市は2018年5月から7月にかけて9回目の流行を経験しており、54人が感染し33人の死亡する事態に発展しました。