釈放の数日後に娘を殺害した男(画像は『The Sun 2020年4月22日付「FREED TO KILL Dad ‘murders nine-year-old daughter’ just days after being released from prison in a coronavirus amnesty」(Credit: Newsflash)』のスクリーンショット)

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新型コロナウイルスの影響下で一部の国では刑務所内での感染を危惧し、受刑者の一時釈放や刑期の短縮が行われている。このほどトルコで、この制度によって刑務所から釈放された男が、数日後に自分の娘を殴り殺すという惨劇が起きた。これにより受刑者の早期釈放に人々が警鐘を鳴らしている。『The Sun』『Mirror』などが伝えた。

トルコ政府は刑務所内で新型コロナウイルスの感染が確認されたことを受け、感染拡大の予防措置として今月15日から一部の受刑者の釈放を開始した。しかしこの制度によって釈放されたミュスリュム・アスラン(Muslum Aslan、33)は、釈放された数日後に幼い娘の命を奪った。

ミュスリュムは昨年、妻のルキエ・アスランさん(Rukiye Aslan)を刃物で刺したことにより収監されていた。ルキエさんは幸いにも命に別状はなく、のちに離婚を申し立て、娘1人や息子2人と一緒に暮らしていた。ところが釈放されたミュスリュムは数日後にルキエさんの自宅にやって来て、子供達を連れ去ろうとした。

ミュスリュムとルキエさんは口論になり、以前から子供達に暴力を振るっていたミュスリュムは怒りの矛先を9歳の娘セイランちゃん(Ceylan)に向けたようだ。そしてセイランちゃんの腕を掴んで吊るし上げ、壁に押さえつけたまま、ホースなどで殴り続けた。

ミュスリュムは流血してグッタリしたセイランちゃんを床に降ろすと、2人の息子を連れ去ることなくタクシーで逃走した。ルキエさんはすぐに警察に通報し、セイランちゃんは病院へと救急搬送されたが、大怪我をしたセイランちゃんはそのまま息を引き取ってしまった。

一方で逃走したミュスリュムは警察官によって発見され、その場で逮捕された。ルキエさんは大事な娘を失った悲しみを抱きながら「娘は亡くなってしまいました。ミュスリュムが厳しく罰せられることを望みます」と明かした。

今回の事件が公になったことで、トルコを拠点とする女性の権利を擁護する団体「We Will Stop Femicide」では女性や幼い子供達が暴力の犠牲になる懸念から、家庭内暴力によって収監された受刑者の釈放に対して強く抗議している。

また英メディア『The Sun』によると、イギリスでは新型コロナウイルスによる外出禁止令が出された3週間で、家庭内暴力による殺人が160パーセントに増加したとのことだ。

画像は『The Sun 2020年4月22日付「FREED TO KILL Dad ‘murders nine-year-old daughter’ just days after being released from prison in a coronavirus amnesty」(Credit: Newsflash)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)