誰もいないアルタ前、ビジョンには都知事の姿... ディストピア感あふれる新宿の光景が話題に
東京都などで外出自粛要請が出された2020年3月29日。関東地方で季節外れの雪も降ったこの日、あるツイッターユーザーが撮影した新宿アルタ前の写真が話題になっている。
日曜の昼間なのに...(画像は猪鹿蝶@juan_inoさん提供)
新型コロナウイルスの影響による臨時休業のため、入り口のシャッターが閉められた新宿アルタ。設置されたパネルには、小池百合子都知事の姿が映っている。周囲に人影はほとんど見当たらず、青々と茂った木々に雪が降りしきる。明らかに普段とは異なる光景だ。
これはツイッターユーザーの猪鹿蝶(@juan_ino)さんが、
「無人のアルタ前で街頭ビジョンから小池都知事の放送流れているの、ディストピアだ」
といったコメントを添えて投稿した写真だ。29日の11時30分頃に撮影したという。
「まさに異様な光景でした」
Jタウンネットは30日、猪鹿蝶さんに撮影当時の詳しい状況を聞いた。
閑散とした新宿で(画像は猪鹿蝶@juan_inoさん提供)
猪鹿蝶さんは休日出勤から帰宅途中にこの様子を撮影した。
「人のいない新宿の街並みを撮っていました。ちょうどアルタ前を撮っている時に放送が始まったので、映画やゲームの世界だなと感じました」
投稿した経緯をこのように話す猪鹿蝶さん。「機動警察パトレイバー2 the Movie」(1993)では東京の街に雪が降るシーンがあり、それを想像したようだ。
パネルに映っている都知事の映像は、東京都の公式サイトなどで公開されている新型コロナウイルスに関するメッセージだと思われる。
猪鹿蝶さんは周囲の様子について、
「仕事か他の用事なのか、数人ほど横断歩道を渡っていく人がいたくらいで足を止めて映像を見ていた人はいませんでした。いつもは待ち合わせやイベントなどで人が大勢いましたから、まさに異様な光景でした」
としている。
この写真に対して、他のユーザーからは、
「これが怪獣映画の放送シーンか!!みんな逃げ去ってるからニュースだけが流れ続けてるわけか!!」
「このまま文明が滅びて、ビジョンで演説を永遠にリピートする小池知事の姿を数万年後に地球を訪れた異星人が見ているエンディングが良いです」
「若干歩行者はいるけれど、中学生の頃観に行った『首都消失(1985)渡瀬恒彦主演』のロケ現場のようだと思った。たとえ大雪が降っても、普段の新宿とは明らかに違う」
といった声が寄せられている。
スーパーの店員をしているという猪鹿蝶さんは、
「コロナで外出自粛が要請される中、営業してるスーパーやコンビニ、ドラッグストア等の店員さんにはなるべく優しくしてあげて下さい。皆さんイライラするのは分かりますが、彼等だって感染の不安に怯えながら別にボーナスも出ないのに頑張ってます」
と話している。