ドコモの5Gサービスの地方での展開は?

NTTドコモは18日、オンラインにて「NTTドコモ 5G・新サービス・新商品発表会 2020 docomo collection」を開催し、第5世代移動体通信システム「5G」の商用サービスを2020年3月25日(水)に提供開始すると発表しています。5G新商品の価格やキャンペーンなどの解説記事はこちら、5G料金プランの解説記事はこちらをご覧ください。

そしてNTTドコモ東北支社は報道機関向けに18〜19日の2日間に数回に分けて「5G商用開始に伴う東北における今後の取り組み」と題し、主に東北地方での5Gサービスの展開についての説明会・体験会を行いました。

東京では5Gのエリア・スポットも多く、サービス開始直後からさまざまなサービスを楽しめるようですが、地方ではどんな展開がなされるのでしょうか。今回は主に東北地方でのNTTドコモの5Gサービス展開について紹介します。

■東北での5Gエリア展開


東北における5Gエリア展開の予定図

まずはエリア展開です。3月末の商用サービス開始時は宮城県仙台市を中心とするスポット展開となり、3月18日時点ではJR仙台駅周辺、イベントなどが行われることの多い勾当台公園、繁華街のぷらんど〜む一番町、楽天イーグルスの本拠地宮城球場(楽天生命パーク宮城)、広瀬通交差点(以上はすべて宮城県仙台市)、サッカー日本代表などが練習を行うJヴィレッジ(福島県広野町・楢葉町)、東京オリンピックの野球競技会場となっているあづま球場(福島県福島市)、そしてドコモショップロフト仙台駅前店(宮城県仙台市)、ドコモショップ郡山八山田店(福島県郡山市)となっています。

また6月末までには東北6県各県庁所在地中心部、東京オリンピックサッカー会場となっている「宮城スタジアム(3月31日まで「ひとめぼれスタジアム宮城」、4月1日から「キューアンドエースタジアムみやぎ」)」(宮城県利府町)、繁華街のマーブルロードおおまち(宮城県仙台市)、音楽フェスなどが盛んに行われているエコキャンプみちのく(宮城県川崎町)も5Gエリアとなる予定です。

その後、2021年3月末までには各県主要都市へ展開し、ドコモショップは106店舗を5Gエリア化予定で、さらに2023年3月末には東北全227市町村、ドコモショップは全186店舗を5Gエリア化予定となっています。


今月末には5G体験可能なドコモショップが東北6県に

また今月末には先述のドコモショップロフト仙台駅前店および郡山八山田店に加え、青森東店、秋田東店、盛岡本宮店、あすと長町店、山形北店にも5Gサービスを体験できるコーナーが設けられます。

このように当分はスポット的な展開となり、面的に広がりを見せていくのは、来年または再来年と少し先の話になりそうです。この他イベントや災害時に用いられる可搬型基地局も徐々に配備されるとのことです。

■東北での5Gソリューション展開


東北の5Gオープンパートナー

5Gの普及にはパートナー企業・教育機関・自治体などとの協創が欠かせないとのことで、さまざまな団体がオープンパートナーとなり、NTTドコモとともに5Gの活用方法を探っています。今回は東北で実証実験を行った事例3つが紹介されました。


遠隔でのビル外壁点検での活用(説明)



遠隔でのビル外壁点検での活用(展示)

ドローンを使ってのビル外壁点検を、遠隔の管制センターから現場のARスマートグラスをかけた技術者へ指示を送って行うものです。5G技術を活用することにより、鮮明でさまざまな角度の映像を送れる他、現場の技術者へマニュアルやテキストなどを送って指示を送ることができます。現場で分厚いマニュアルを開き、必要なページを探し出すのも一苦労ですが、遠隔地にいるベテラン指導者がマニュアルの必要なページだけを現場に送れば、その手間も省けます。


畜産動物の遠隔診療サポート(説明)



畜産動物の遠隔診療サポート(展示)

似たような技術として畜産動物の遠隔診療サポートがあり、病院や出先にいるベテラン医師と現地の若手医師を5G通信でつなぎ、現地からさまざまな映像を送り遠隔地から診療指示を送るということもできます。このように5G通信が発展することにより、遠隔での作業が大きく進展することになります。


5Gを用いた4Kテレビ中継(説明)



5Gを用いた4Kテレビ中継(展示)

これまでテレビ局が遠隔地から生中継をする際は、大型の伝送車(中継車)が必要でした。モバイル中継も最近はありますが、画質などの問題があり、4Kや8Kといった映像を送ることはできませんでした。これから4K放送の時代を迎えるに当たり、5G通信で4K映像データを低遅延で送ることができれば、大型の伝送車も必要無くなり、生中継が非常にやりやすくなります。

このように5G通信を活用することで、普段の生活も大幅に変わる可能性を秘めています。どうしても5G通信はVRやゲームなどのコンテンツや、5Gスマホといった商品に注目が集まりますが、東北地域でも実証実験が進み、商用サービスが開始された今後は、5Gを活用したソリューションも見られるようになりそうです。

本格普及はまだ少し先となりそうですが、少しずつ5Gを体感できる機会が東北でも増えてきそうです。5Gの地方での展開にも期待したいところです。



記事執筆:小林健志


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